21
カレンダーを見ると
夏の途中だった
日付は海で満たされていた
子供だろうか
小さな鮫が落ちて
少し跳ねた
恐くないように
拾って元に戻した
22
フライパ ....
空の中を
風が手紙を配達する
何も変わらないけれど
安らぎでいっぱいになる
山の中を
風が手紙を配達する
何も書かれていないけれど
緑の音でいっぱいになる
川辺の中を
風が手 ....
夕焼けも闇に染まり
少し先の道も見えない
自分の前を歩く人の足音を頼りに歩く
アスファルト特有の硬さに安心した
後ろからは僕を急かす様な声がする
誰かが苛立ちながら僕が歩くその ....
その日曜の朝
世界は僕らを迎えに来た
君は犬を放し公園ではしゃぎながら
犬の首輪を世界にかける
陽だまりの中に寝っころがり
お気に入りの文庫本の好きなページを開く
太陽の光 ....
ドングリのみなさま
しばしご聴講いただけますでしょうか。
私、もドングリではありますが
この度、ドングリ代表に立候補いたしましたことを
ここにご報告いたします。
他にも2個のドングリ ....
眠れない夜に羊を数えてみても
ウール100%のheavenly dreamが訪れる事もなく
二万一千頭位まで行った所で
東の方角に朝焼けの予感が貼り付きはじめる
一日中数えても十万頭にも満 ....
ストロー、
きみは細く
なんでも吸い上げてしまう
それが
悪い毒でも
甘い蜜でも
ストロー、
その先はどこへ
続いているのか知りたかったんだ
その中に入って
さいごまで
いっ ....
あめがやんだので
もう かさのはなしはおわった
それから
こいぬのなみだで
ちいさな こうちゃをいれた
+
ふたごのおとうと
くちぶえ ふいた
くちぶえふいて なきだした
....
ちらつかず
そ、と留まっている、あれは
振り払えぬ外灯を振り払わず
硝子に帯びたままの、あれは
蛾だよ
その在り処では
既にひとつの夏が締めくくられている
夏ではない今となっ ....
ぼくは詩人
他人が無駄と思うのは
その人がその人だからであり
無駄と思うことが無駄である
今日もまた
夜の散歩をしていると
意義に出会いました
詩人は詩を書いて心を満たし ....
ばったり くまにあいました
くまがあんまり
まっくろいので
ぼくは
なんどもなんども
「めをぎゅっとつぶってあけてみる」
ということをくりかえしました
くまは
どこまでもまっく ....
駅前の商店街で産まれ育った
近くには八幡神社があって
お祭りの時には店の前の広い道路は
歩行者天国になった
ふだん車の往来が激しい道路を歩くと
何だかくすぐったい気持ちになって
誰 ....
6月4日リアルタイム会議室Aにて。
{dl}
{dt}遊羽 [1:32:31]{dd}けんご→遊羽→片野→oldsoup→あをの→焼石→翔太郎(敬称略)
{dt}けんご [2:05:39]{ ....
トマトをおとす
そいつはあまりにもろくて
ぐちゃってつぶれ
赤が広がる
大地が赤になる
全てが赤になる
僕のおとしたトマトで
世界は赤色
赤い町で
君とばったり
どくどく
し ....
ばこばこ たばこばこばこ
たばこ ばこばこ
たばこの奴は
鼻でせせら笑う
「私とニコレット、どちらが魅力的かしら?
多分あなたは私を選ぶと思うわ」
僕の左手にはニコレット
右 ....
靴底が 素足を
さらさらと さらう
通行道路が
分離して 霞む
代わりのいない
名を呼ぶ声
引っ掻いただけでも
抵抗と 呼ぶのならば
青に射す 一赤の線
木漏れ日の ....
*
朝起きて色を塗る
テーブルの上にある
野菜ジュースの中を
遠くまで行くことは
とても難しい
*
虹を壊し
虹に壊されながら
走る子どもたちの足音が
回覧板でまわ ....
ドロい油にまみれてマーブルチョコ漂うよ
アレとアレとアレとアレ
食べなくてもよかったな
歪んだ角砂糖も黒い雨に打たれてる
アレとアレとアレとアレ
食べなくてもよかったな
....
わたし わたし!
私は わたし わたしは!と
主張したがる 私なのだが
わたしは 小さく わたしは 未熟な
ただの土くれ
それに過ぎない
私は わたし わたしは!と
叫んでいた ....
5センチの猫が
水槽に飛び込んで
すべての魚を
粉々にしてしまった
今日のアサ
ボクは
コドクを食べて
ヒトリを飲んだ
ブラウン管に映る
キョウキを目にしながら
ムカンドウに
ムジカクに
ムヒョウジョウに
コドクを食べた
酷くクウキョな
時間が過 ....
そこは空き地だった
人影もない
空気の抜けたタイヤが積まれていた
交差点の信号機の
信号の変わる音がする
聞こえなかった声や
話さなかった言葉
みつかならないように
こ ....
いっそ よっぱらって
しまえ ぐでんぐでん
ぜんごふかく ぐえっ
とか はきちらして
しぬほど くるしめ
雨降り立ち尽くして空見上げ
ぱしゃ ぱしゃ ぱしゃ
憂鬱な気分を洗い流して
水溜りにはねる子らに負けぬよう
ぱしゃ ぱしゃ ぱしゃ
水溜りに映る自分をけちらして ....
1月1日日曜日
なんというなつかしい響き
それから月日は廻っていったのだ
1月2日月曜日
1月3日火曜日
1月4日水曜月
1月5月木曜火
1月6火金曜水
1月7水土曜木
2月8金日曜 ....
いつもほんの少しを数えたくて
それは真っ直ぐに見えない夜のために
道に帰れないその日のために
僕が、ほんの少しを数えたくて
出来るなら、そんな僕のことを
少しでも待っていてほしい、とか
....
心から込み上げて
喉元をツルンと通過し
発情した口びるから
ピンクのビー玉が
いっぱい
転がっていく
空論が乗っかっている机上に
全部滴り落ちる
恋 ....
いつもの儀式
朝起きると缶コーヒーを買いに行き
水まきしているおじいさんと
天気の話をする
僕の存在理由
ちっぽけな理由
僕の選択肢には死はない
ただもくもくと明 ....
バナナミルクの甘い香り
ぎゅってして
ぎゅってされて
まぜて
とけてひとつになって
朝ごはんに
二人して乾杯しておひげを作ろう
今日も窓辺のてるてる坊主は
ひとり 濡れて
ひどく 濡れて
雨粒 ぽとり
あなたの気持ちは分からなかった
週間天気予報(の降水確率)よりも
けれどずっと晴れなんてあるわけなかった
「 ....
1 2