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僕は詩を書きたいのです
「あ」から「ん」までの五十の音で
僕の見た景色を、僕の聞いた音を
僕の嗅いだ香りを、感じた味を、想いを
君に教えてあげたいのです
見えないはずの僕 ....
喉を裂き 心臓の弁をぶっ飛ばして叫ぶ
それがただ一つの存在意義だというように
鶏が本能で高く轟くように 僕もまたそう在りたい
臆病者を殺すよ
誰かに認められなくたって ....
あなたはきれいなままで
....
小さなホールケーキ
真ん中に添えられたクッキーには
“パパ たんじょうび おめでとう”
みどり色のロウソクがひとつ
中ほどがポッキリ折れていて
むき出しの白い芯が
辛うじて身体を支えて ....
足に棘が刺さりました。
死に棘が刺さりました。
極めてパーソナルな問題から事の発端は始まります。
自分しか分かりません。死か分かりません。
箱をもらいました。底のない箱をもらい ....
ガタンゴ トン
漁港に 差し込む陽
水面の 強烈な色彩は
青 深い 青
ゴトンガ タン
流れる 風
一戸建て 時々 市営住宅
人々の思惑 息遣い
カ ....
その日も、少年(予定)は、間違えた言葉をそのままに口にする
変換の仕方も削除の方法も、最後には気付けないことばかりなので
いつまでも、「あ」と「い」が上手く発音できない
それでもいいか、なんて思 ....
空にひかるのが
星だか 飛行機だか
わからない
ぼくは
そんなにごった夜に なってしまった
神様は3匹いる
そのうち
1匹が
高いビルからとびおりて 死んだ
それでも
地 ....
光と暗黒の中間点には
雨の差し込む隙間もない
密閉された空間があって
そこから
たった一本の セイタカアワダチソウが
吹いてもいない風に
反応、それを折り取ろうとしている
いっぽんの 手 ....
入れたての
れもんてぃーを
口に含んで
あんたの隣
小さな距離が
もどかしくて
寄りかかる
隣にいるのは
あんただけでいい
あとはいらない
たとえぼくが
ただの猫でも
眠れ ....
きみなんか大っ嫌いだ
詩にして卑怯でしょう だけどあまい夢ばっか見るから
机の苦い味に耐えられない だから
あんたなんか大っ嫌いだ
嫌いだよ
きみなんか あの橋と
今落ち ....
なにもかも
イヤんなっちゃって
涙なんかちょっと浮かべて
高いビルのてっぺんあたりで
遠くに見える
もっと高いビルのてっぺんあたりをにらみつけながら
手のひらを
握ったり
開いたり
....
きみは
なにもいいもしないで
ただ
みみをあかくしただけ
それだけで。
ビルの狭間の街に
春の突風が吹いている
大通りからひとつ路地を曲がった
小さな扉の店に入ると
物腰のやわらかい店主が迎えてくれる
ランチを注文して
ホルンの形のオブジェや
店主のお気に入 ....
ぐるっと回って一回転
犬が飛び上がる
今日の朝のメールチェック
驚いて飛び上がる
SPAM合計三十四通
ああそうだ
気に入らない小学生は傘で殴ろう
自転車で一 ....
たとえばそこに私がいるということ
炭酸水の泡の中に私がいるということ
生まれては消え消えては生まれる
連鎖する中にほんの一瞬私が見え隠れするということ
たとえばそこに私がいるという ....
全てを平らにする力を持つ少女は
本当に思い詰めた表情で
『もう猫を飼うしかない』と呟いた。
鳥は逃げてしまったから
鳥かごは太陽だけを飼っている。
信じてた歌い終わらない世界も
今 ....
ヘイヨー
ハイヨー
何を悩んでいるんだい?
今日は生姜焼き
お前の旦那はそれが好き
そして何気にキレイ好き
ヘイヨー
ハイヨー
俺はチェキ
俺はチェキ
チェキランチョンマット
汚 ....
まな板に寝かせられている私を想像する
きっと私の涙は美味しくない
だから泣かない
黒潮市場のマグロは解体ショーにて解体される
私はそうならなかった
ただあっさりと包丁を体に入れられる
....
要するにアレだ、
国際紛争を解決する手段として
大喜利をやるってのはどうだ?
春だから って
がんばらなくても
いいんだよ
桜のつぼみが
あちこちで
ちっちゃな
熱気球みたいに
今にも舞い上がりそうでも
はりあうように
がんばらなくても
いいんだよ
....
全国の学生が巻き込まれた
受験戦争は終戦した
人それぞれ勝利したものもいるし
敗戦したものもいる
ぼくは最大の敵
志望校に全力で戦った
だが結果は粉々にさせられ
....
夜が 明ける
空には 厚い雲
満ちた潮は
海面を押し上げ
目の前に迫ってくる
魂が 振動する
青灰色の空気
水墨画のように
空と山、
海を区切るラ ....
春の暖かさは、寒い雪の降る夜コタツにうずくまっている暖かさとは違う。
外に一歩飛び出しただけで心が ふかふかになるような温かさ。
北風におびえて震えていたのが嘘のよう。
春という響き ....
ピチリ
動きが止まる
その瞬間をねらって
ピチリ
(爪は、どこまでのびるの?
問われた僕は
細心の注意を払うあまり、つい
どこまでもだよ
なんて
いい加減に答えてしまう
....
定位、位置がずれて、朗らかに回転するきのう、三枚目で溺れたはずで、橙や赤、濃紺なんかをうすめずに、厚く塗りたくった回覧板、カンバスの匂い、ここで止めてしまった回覧板、玄関前で立ちつくし――ずれた。する ....
空腹と淋しさがごっちゃになって
肉まんは僕の友達です
105円という値段に親近感を覚えて
肉まんは僕の友達です
周りのみんながよろしくやって自分だけが冴えなくて
肉まんは僕の友達です
冬の ....
頭が痛い
どうやら
電気ポットが
頭の上に
圧し掛っているようだ
その上に
どうも
漬物石まで
圧し掛っている模様
チームぶたさんよ
全部追い払ってくれっ!
....
赤と緑の絵の具は混ぜちゃいけないよ、汚い色になるからね
美術の先生が言っていた
混ぜてみたら
私の髪の色になった
冬になると
海水が凍って
氷の白い泥が海に溜まる
その中で薄くはった
産まれたばかりの流氷は
波の寝返りにあっさりと壊され
お互いを削りあい
まるで蓮の葉のような
角の取れた丸い薄い氷 ....
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