メランコリッタ
きみの口笛が
さびしく水平線に難破しているのが聞こえる
情熱はいずれ消える火なのだね
メランコリッタ
うなじにまかれた針金
それをといてあげられるのは誰
怒りも苦しみも敵 ....
雨を避けていく
ほこり立つ道を
避けていく
怖がりで
自分から触れていけない
夜を
夜の向こう側を


ダンスしている
仮面をつけた孤独たち
歩道橋の
こちら側で
向こう側で ....
 ジョー

チャンピオンになって
灰になったジョー
{ルビ灰燼=かいじん}に帰した六十年の理想
僕はクーラーのついた部屋
閉じ篭って
嘘っこの汗をかき
自分のために詩を書いている
今 ....
空が飛んでいる
空が飛んでいるので全ての羽が浮上する
見つめることはいつだって透きとおる
見下ろせば ものの在りかはかなしい

重力の堆積が歴史で出来ているなら
ぼくらの言葉は足跡のように ....
玄関のドアを開くと
右手の壁に一枚の絵が{ルビ掛=か}かっていた

六十年前
I さんが新婚の頃に過ごした
緑の山に囲まれた海辺の村

二十年前
定年まであと一年を残して
急病で世を ....
海辺には人だかりが出来ていた

ぼくはそれを無視して

この海辺道を走っていた

結局ぼくはいつも

毎日が今日の繰り返し

今日は明日で

明日が今日だった

もうこんな ....
すてきな しっぽのある
いきものを もらった
まちがって しっかり
聖水で 洗ったら
死んでしまった
「なんか 吹き出物ができちゃったぁ」

「潰そうと思ったけど うまく潰れないのぉ」

そんな感じ
不甲斐無い肩に
こどもはひとりも頼らない
高血圧が今ごろたたって
酷く火照ったり さみしくなるあなたに飽きたのだ
知っているよ こどもは
外の風に晒されつづけるあなたがあるとき、だめになるか ....
あんしん したい
ボクは もっと あんしん したい

やさしい おんなのこと いっしょに
おふとんで まるくなるのも いいし

いつでも なんでも
おかわり じゆう ってのも いいし
 ....
黒い車がつぶになって 道の上から消えてゆく

山田くん、ねぇ、山田くん

君は 幸せだったのかい?

道は雨のように流れ出して

頬にも雨がつたい

山田くん、ねぇ、山田くん

 ....
限界を越えてもしくは臨界を越えてあなたに会いにゆくゆめ


水槽に金魚は泳ぐぼくたちの裏切りさえも刻めよ螺旋


ファルセットヴォイスできみが歌うから胸が鼓動ではじけてしまふ


 ....
先生
唇が、
ふるえてしまいます。
電線に
飛行機雲が斜線して
雨上りが地上をうっすらとはいでいきます

あの日
陽炎で生まれました
わたし
浮遊する
夢みるからだで透けていき
 ....
おちてくるのです
おちてくるのです

きっとあのおそろしいまでのあおが
わたしをおしつぶそうとするのです

うみはあのいろをうつすのです
そしてやがてあかくそまりゆき
まっくらやみとな ....
律さんのおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
メランコリッタ- ミネ自由詩606-4-19
雨を避けていく- 便乗鴎自由詩5*06-1-24
僕は嘘っこの汗をかいている(連詩)- 便乗鴎自由詩106-1-21
鳥瞰図- tonpekep自由詩29*06-1-21
妻の背中- 服部 剛自由詩9*06-1-20
アクセル- こめ自由詩206-1-18
そろもん(悪意の話)- みつべえ自由詩906-1-18
恋のはじまり- Honesty自由詩3*06-1-18
平熱- 便乗鴎自由詩1*06-1-16
あんしんしたい- 松本 涼自由詩10*06-1-16
山田くんと僕とおしまいの話- 仲本いす ...自由詩6*06-1-16
らすとふらいとろすとらいふ- 本木はじ ...短歌506-1-16
接吻- こしごえ自由詩42+*06-1-5
おちてくるのです- 雄太自由詩305-8-12

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