きっとめをつむっているうちに
文字はしずかに
みみのよこを抜けて
みずうみのように
空の低い
やさしい墓地のように
まっさらにひろがってゆく だろう
とうめいなかいだんが ....
私はとても小さいので
海を見れば
海でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
空を見れば
空でいっぱいになってしまう
私はとても小さいので
風を匂えば
風で ....
そこにしかないものを
さがすため
僕は{ルビ故郷=ふるさと}を
離れ
いつしかここまで
やってきた
そこにしかないものが
何なのかもわからずに
ただ
泣 ....