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濁った色の運河を
僕の手が流れていく
腫れ物に触るように
どこか遠慮がちな様子は
やはり僕の手らしかった
妻を抱き
娘を抱き
椅子の背もたれを掴み
いろいろな手続きをしてき ....
一頭の牛が
ブランコを押してくれた
こんなに高くは初めてで
空だけがきれいに見えたけれど
必ず元の場所に戻って
どこにも進むことはなかった
明日食べられるのだ、と
牛は言った
....
言葉のひとつひとつに歓声があがり
思い思いに笑い転げ
級友たちの恋の話は
昼休みの教室で佳境をむかえていた
数年も経てば
誰もが通る道である
ということを知るのだろうが
その前に ....
幾日か後
妹の手を引いて
池まで降りていった
石畳は少し先の
見えないところまで続いていた
水面には遺影に良く似た温もりがあり
生き物たちの息継ぎまでもが
今ならわかる気がした
....
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