すべてのおすすめ
農家の母屋を改造した学生下宿が
家賃一万円の住処だった
わたしは床の間のある客間の六畳
一二畳の居間には親友が
離れの六畳には先輩が
隣の六畳と四畳半には後輩が
それぞれ巣くっていた

 ....
幹さん、
どうでもいいですけど
高円寺のキャバクラで詩人っていう名刺配りまくるのはやめて下さいよ。
大将二号店で2本目のつくねをほおばりながらキムがつっけんどんに言い放った
どうでもいいけどキ ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように


蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
消えたイメージ

もうそこには
いられない
あたたかい
わたしたちの胸には
消え残る
スケープ
展望の
ささやかな
望みだけがある
のだろうか?

白鳥が舞う
山の端を
 ....
たしかにインスタントラーメンを
作っていたはずなのだが

気がつくと
鍋にあるそれは
脳みそになっていた


腹がへってしかたなかったので

無理矢理、口に運んだのだが

口に ....
ポッカリからりと晴れた日に
ぼくらは浜辺に横たわり
あなたはぼくの胸に聴診器をあてて
―ふむ 聞こえませんね
などと呟いて
いきなり後ろ手に持っていたハンマーを
胸に目掛けて振 ....
親父は定年退職し
母ちゃん専業主婦となり
息子のぼくは半人前

母ちゃん家計簿とにらめっこ
ばあちゃんが払う食費も1万ふえて
なんとかやりくりの日々であります

雨もりがあふれる床
 ....
二匹の鮭が
内蔵を捨てられ
切れ端をからませていた
私の手はまだ薄いが
母の手は血にまみれている


頸骨ははさみでぶち切り
卵と白子は引きずり出した
その度にあがる、歓声
嬉 ....
ポチが走ってくる

ポチが尻尾を振りながら走ってくる

ポチが全速力で尻尾を振りながら走ってくる

ポチがよだれを垂らしながら全速力で尻尾を振りながら走ってくる

ポチが乳母車を弾き飛 ....
【花時計】

ある一時 

植物のように生きることを夢想する。宮沢賢治は雨ニモ負ケズといったけれど、植物は雨に負け夏の暑さにも負け 
害虫にやられて レタスは高騰するのを見ながら。
 ....
この大きな水たまりは俺がつくってしまったのか
海を前にして蛇口は茫然と立ち尽くした

もしかしたら俺の栓を大事に開け閉めしてくれた人たちの家も
どこかに沈んでいるのかもしれない

そう ....
「水」という字を見ると不安な気持ちになるので
女は薄目を開けて電話帳をめくる
おかげで大好きな「花」という字もぼんやりとかすんでしまう
今日はついてない
最後までめくり終えると印をつけ ....
わたし、という曲線を
無謀な指が
掌が
少しの優しさも無くなぞる


書院窓の向うでは
秋の長夜の鈴虫が
交尾の羽音で月の影絵を滲ませて


こっちにきて
こっちにきて、と ....
台風が行き過ぎた
西南西へ
6号の進路とは逆に
青空は底なしのように突き抜けて
まっすぐ入道雲へ
ラジオからエルトン・ジョン
切ないじゃないか
そんなに簡単に手渡さないで
ハンドルを握 ....
フットサル
足元で猿
ボールを蹴りながら
猿回しの猿に
回されてますよ俺
舞わされてますよ俺
華麗なステップ
素敵なトラップ
フィット
チーネの味は
忘れました
あなたがいな ....
「あとにのこされたもの」

雲の隙間から
羽毛がこぼれおち
風にのる
海峡を渡り
山脈を越え
遥かかなたの砂漠まで
幌馬車が届けられない
あの砂漠まで

「月は地球の衛星である前 ....
     散乱する格子らに
     畏まって居られないらしく
     文字達が泳いでいる
     水族館にしては蒸し暑いし
     少しも苦しくない
     もともと肺呼吸がとくい ....
ひどく目立たない黄色のレンガ道を行くと
夏休みの少し手前に古い送電鉄塔が見える
陽炎虫が大発生した年の真夏のある日
一人の男の子がその鉄塔の下で感電死した
鉄塔からぶら下がっている電線に触れた ....
十六歳の感傷に腰掛けて
ぼくは詩を書き始めた
ぼくの孤独といえば
せいぜいコップ一杯分の涙ほどしかなかったけれど
二十億光年の彼方の星からの引力で
コップの水が波立つことを幻想するのだっ ....
燃えない者 月曜日
エンジニアとビジネスマンの
区別は不要

新聞紙 火曜日
出たがる者とたたかれる者に
分けること

ダンボール 水曜日
ハコ乗りする息子のクルマに
箱入り娘を乗 ....
男は冷蔵庫の中で傘を飼育している
夜の方が良く育つときいたので
朝になるとわくわくしながら傘に定規をあてるのだが
傘の長さが変わっていることはなく
その度にがっかりする
けれど男は知 ....
無数のソーダ水の泡が
ソーダ水から夏へ飛び立つ
そのときの一頻りの冷たい破裂音を
私たちは聞きます


ね、
それは、模範的な別れの際だと
ほら、そのあとに残るぼんやりとし ....
すべてが終わると
その町にも銃を担いだ人たちがやってきた
彼らはこの国の言葉や
この国の言葉ではない言葉で話すものだから
町の人々はますます無口になった

少年は喧騒と沈黙でごったがえ ....
おまえに綺麗な紙のきものを着せたったら
紙人形のように可愛いやろなあ
そんなこと言うてはったおじいちゃん
いつのまにか
紙のおじいちゃんになってしもて

あれは風のつよい日やった
 ....
 季節の名を呼ぶな。白紙のような、はじまりのような、実際にはでたらめの
地誌。そんな緯度にバビロンは無いぞ。想像上の怪物、あなた。私はすぐに忘
れてしまう、砂粒のようで、出かけようとしている、広が ....
天動説の子どもが増えてるらしいのですが
それはまったく自然なことです

地球が回っているのだとしても朝が来るのは退屈なのですから
僕はお布団で魚になって
箱舟に乗ったかあさんとはなしをします ....
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる

新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る

夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
Blue Sky
僕らが愛と呼ぶもののすべてが真実でありますように
僕らの幸せが誰かの不幸のおかげでありませんように

僕らのパズルはこんがらがっていつまでも解けない
このまま解けな ....
覚えてる
迷ったときの指先のちょっとした仕草とか
暑い室内でむっと漂ってきた身体の匂いとか

正午、君がサイレンの口真似をすると
僕らは作業を中断して
いつも小さな昼食をとった

今日 ....
がっこうからかえると
おかあさんのからだがばらばらになって
いえじゅうにちらばっていた
あわてて
ぜんぶかきあつめて
しんちょうにくみたてると
とりあえず
おかあさんみたいなかたちに ....
川村 透さんの自由詩おすすめリスト(165)
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