うたをぬすむことは
できない
せかいをぬすむことが
できないように
また
うしなわれたいのちを
ぬすむことが
できないように
ぬすむことが
できるのは
ほんのささいな
....
家屋は言葉のように
優しく朽ち果てていた
時間があればそこかしこで
両親は笑顔を絶やさなかった
幸せな玄関ホール
その壁には今でも
兄と私の指紋が残されていて
静かに機械の匂いが ....
{引用=私と奴は 僕と奴は
お世辞にも お世辞にも
仲良しとは言えなかった 仲良しとは言えなかった ....
1人では重たい荷物は運べない
1人では手はつなげない
1人では鬼ごっこもかくれんぼもできない
1人ではなにもできない
....
きみのせなか
きみのこえ
とどかなくても
すきなんです
スーパーを出たら突然の青い雨
夕立が行き過ぎるまでと
僕は煙草をふかして
隣では君がまたあの話をしていて
少しだけ尾ひれが付いていた
泳ぎ出しそうだ
街中が青く青く染まって
話を ....
ともだち って何かな
ともだちいないから
わかんないや
彼女と喧嘩して
いい加減にしろ
と怒鳴るつもりが
いい加減にすれ
と言ってしまった
こらえたがやっぱだめで
吹き出してしまった僕の
少し後に吹き出した君
ふたりで涙を流して ....
おまえが
愛しくて愛しくて
愛しくて愛しくて
何度も何度も
何度も何度も
抱きしめたこの手を
振る