#71
ありきたりな憂鬱に
絶望なんていうおおげさな名前をつけて
誰も見たことがないペットみたいに
かわいがって育ててんだろ
そんなのどこでも売ってるぜ
#72
....
君は気付いてた?
プライドがとても高い君は
いつでも僕の右斜め前
その半歩先を歩いているね
そこが君の指定席のように
表情を伺ってばかりの僕は
いつでも君の左斜め後ろ
その半歩後 ....
あなたとの
出会いが
ぼくの全てを
変えた
そこまでは
言わないけど
真っ暗な
ぼくの世界に
ただ少し
一筋の
柔らかく
優しい ....
あなたの隣で
あなたが想うヒトの事を想ってみた
あなたは彼女の
どこに惹かれたんだろうか
思いつくところがたくさんあって
また少し悲しくなった
手を伸ばせば
....
一人でいるのが好き
傷つかないから
誰かと一緒にいたい
寂しくないように
誰といても寂しくて 苦しくて満たされない気がする
一緒にいる人を傷つけてしまう
自分をどんどん嫌い ....
そうやって僕は 自分を押し殺して
「善い人」で君の側に居る
このままずっと君の幸せを願うのかな
分からないんだ
君は僕のことをどう想ってる?
一緒に居ることに慣れてしまって
でも苦しくて
....
1.
長い
髪の
毛を
梳かす 梳かす
あなたへの
気持ち
梳かす 梳かす
長い
髪の
毛
絡まる 絡まる
梳かす 梳かす
胸のした
まで
伸びた
絡まる 絡まる
....
右足の小指の爪の色だとか
立った時の膝小僧の形だとか
傾げる首の角度とか
どうしてこんなに気になるのか
名前を聞いて
納得したんだ
僕は
二十年前の君と
こうして
また
出 ....
生きる意味なんてない
戦い続ける意味なんてない
なんのためにここまできたんだろう
結局全部無意味だった
それが 正しいのかもしれない
救いなんてない
....
昼間の学舎から見える
土の校庭に一人の少年が鉄棒に
跳んでは回って空中で止まった
入道雲の眩しく飛んで
彼は青い空に吸い込まれて消えた
壊れたラジオの蝉の鳴く
汗に滲む目が二重に響く
....
僕は急いで君の所に向かうから
君はずっとそこでまっててくれないか?
街の電灯がピトピト光り出した
それは僕の出したSOSだよ
僕は駆け抜けて急いでいる
君はのんびり暖かい ....
君のその美しさは
止まることを知らなくて
果ては雨夜の月の影
僕が君に逆らえないの
知ってるくせに
そんな難題投げ付けて
君は小悪魔みたいに微笑う
一体何が楽しいんだか
そ ....
汚れてはいないだろうか
僕は
汚れてしまっては
いないだろうか
自分勝手で
自分のことしか
考えていない
我が儘な
そんな僕は
汚いんじゃないか?
此処にいては
いけないんじゃな ....
布団に潜ってはよく考えるんだ
どうして生きているんだろうって
答えが欲しい訳じゃないけど
考えてしまうんだ
誰の為に何の為にこうして
呼吸をしているんだろうって
物事に躓いて失敗し ....
いつも
いつも
ぼくの目に飛び込んでくる
きみはストーカーなんじゃない
って思ってたら
ぼくがきみのこと
目で追ってただけだったんだね
君を好きでしょうがないので、寝ます。
寝ることにします。
君の好きな歌を口ずさんで学校通ってるなんて、
言ったとこでしょうがないので、寝ます。
寝ることにします。
歌ってるだけで元気 ....
入れたての
れもんてぃーを
口に含んで
あんたの隣
小さな距離が
もどかしくて
寄りかかる
隣にいるのは
あんただけでいい
あとはいらない
たとえぼくが
ただの猫でも
眠れ ....
機械音だけが響く夜に
静かな中に悲しみが宿るのです
生きているのに死んでいる感覚が
体中を走って止まりません
自由を奪われた体が求める安らぎは
誰かの温もりでしょうか
いつかの夜には
....
白っぽい二階建てアパートの部屋で
あなたと
バニラブルーを食べた
窓を開けると
川の音が聞こえた
目を閉じて
耳を澄ますと
まるでわたしたちの下を
川が流れているみたいだった
....
もしもの話だけど
もしぼくがしんだら
骨くらいは拾ってくれるかい
と訊いたら
小指の先っちょくらいなら
拾ってあげてもいいわ
と云うので
ぼくはしぬ前に
小指の骨は粉々にしておこうと思 ....
はノ行
はっきりと伝えれば良かった
酷く後悔している 珍しくね
不満だって何だって 直ぐに言ってくれた おまえは正しいよ
変に誤魔化すべきでは無かった 言わなきゃ解からないこともあ ....
例えばこの世界に きみとぼくしかいないとして
そしたらぼくは すべての愛をきみに捧げるけど
きみは違うんだね 多分そういうことなんだよね
月の明かりを浴びながら眠る少女
氷のように澄み切った心
わずかな時間
心惹かれ 心奪われる
永遠に続く 幼い瞳
そっと赤い唇に触れる手
少女の瞳
心の中でひそかに思いを寄せる
....
田各 耳又
口宣 口華
糸色 文寸
日月 日音
日愛 日未
木目 言炎
シ舌 足各
元頁 弓長
女子 車云
文寸 言炎
魚羊 日月
糸冬 糸吉
音 士
....
小学校の頃、Sという友人がいた。
彼女は、私が今までに出会った人の中でも特に素晴らしい友人だった。いや、素晴らしい人だった、と言い直しておこう。彼女を友人と呼ぶには、私はあまりにも愚かな存在であ ....
亡くなった人の事
考える
最初に浮かぶのは
ごめんねって
言葉
いつも
いつもだ
きっと僕もいつかいくその日まで
ずっとそうだ
犬が鳴いている
と書いた瞬間
何かいのちが死に絶え
また生まれるような気がする
書くことは定義不能
生きている毎日が
戦いだ
誰のため
自分のためではない
存在そのもののため ....
彼女という人は
詩人とかそういう類の人みたいで
ときどき僕を近所のファミレスに呼び出しては
伏目勝ちにちょっと小難しいことをしゃべり
左手に持ったフォークでグリーンサラダにやつあたりし ....
あの頃、君に告げられなかったことを今
***
ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ
ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
さくら かんざし
あかねの 鼻緒
ねむりの いわおに
腰かけ
仰ぐ
ちり ち り りん
金魚の尾ひれが
風鈴を蹴る
ちり ち り りん
黄色の帯と
左手
....