言葉に溶かした微かな薬
甘く香ってすぐ消えた
だのにどうした訳だろう
僕の胸が痛むのは
たじからおのみこと
ざんげするざいにん
いとまごいのるにん
ほとけさまのひにん
きれめのないせけん
みちばたのたばこを
ひろうひとおられる
伝わらぬ想いは水に成り果ててかたち失くした器かなでる
しあわせの過ぎる時刻もわからずに待てど狂えど来ぬものは来ぬ
冬空の鉄は緑に手は鈍に雪か ....
満水の夜に
感覚をとぎすませながら
無数の魚が泳いでいる
距離と、位置と、
上昇する体温と、
そういうものを
止めてしまわないように
蛇口に口をつけて
あふれ出すカルキを吸うと ....
他人に優しいって事は
自分にも優しいって事かな
君に優しい顔を見せるたびに
僕は自ら犯した罪を
古いものから順に消し込む
過去に犯した罪を贖う為に
君の気侭な振る舞いにも優しさ ....
頬を追い越してゆく風と
手招きをするような
まばゆい光
目指すべき方角は一つだと信じて疑わず
出口へと向かって
足を運んでいたつもりだった
不思議だね
振り返ることは敗北では ....
今日だけだよと
私の肩を抱き
今日だけだよと
遠回りした
「手はつないでくれないの?」
そういう私に
「また今度ね」
そう言ったあなた
今度なんてあるわけないのに
そんな優し ....
足かせ 手かせ 金かせ
せっせっせ
よく働くね?
お母さん 元気かい?
しかし、不景気だね
小泉さん どうだろうね
あのね
いや
その
....
「yes」といったら君が現れ
「no」といったら君が消える
この二つの差というやつは
生と死ほど決定的だ
きみとぼくの間で紡がれる
幾千ものくだらない現実描写
食べられて ....
赤錆の目立つ時刻表のバス停に立ち
来るか来ないかの
微妙な時刻にバスを待ってみた
進路の前にバスは無い
順路の後ろに気配も無い
行く先も馴染みの無い駅の
名前の書かれた ....
飼い猫に 爪をたてられ 涙でた
昔見た 映画をみると 涙でた
さよならと 彼女に言われ 涙でた
いつまでも 仕事が終わらず 涙でた
ファミレスで タバ ....
1
東南の守り神
ルーとバーベインそしてべトニーよ
あの小さく可憐な私の兎を
どうぞ邪な力から
お守りください
恐ろしい行為や忌まわしい意思から
どうぞ私の兎を
お守りくださ ....
紅い 揺れて それは 儚く
獣を擽る
凡そ獣にはその美しさは理解できない
理解できない美しさが 擽る
紅く 夜露が 紅く 零れる
勿体無い ああ そう 獣は思った
....
ずっと以前から
僕はまわり続けている
君の鮮やかで艶やかな声が呼びかけてきて
今も僕は 操り人形
フラフラ 街を泳ぎながら
君と似た声を 聞くと 振り返ってしまうよ
....
泣いてるヤツを見て“泣き虫”って罵っている人がいる
「涙の数だけ強くなれるよ」なぁんて歌もあった
涙にはいろんな可能性があるみたいだ
それじゃあ、君は何のために涙をながしますか?
そろそろ 手の届かない高さで
とても 持ち上がらない重さで
絶対 よけられない速さで
全部は 見えない広さで
たとえきれない 複雑怪奇
もう 背丈を越えて 流れています
そんなに
見つめても
上げられる
物がありません
ごめんね
今しがた
煎れたばかりの紅茶は
口をつけないまま
冷たくなって
湯気をたてることも
香りが揺れることも
なくなっていたので
カップの上から覗いてみた
ふたつの瞳が私を見ている
ティーポットに
熱い ....
彼女という人は
詩人とかそういう類の人みたいで
ときどき僕を近所のファミレスに呼び出しては
伏目勝ちにちょっと小難しいことをしゃべり
左手に持ったフォークでグリーンサラダにやつあたりし ....
生きるために必要なものは、多すぎる。
死ぬために必要なものは、もっと多すぎる。
なき母に 「帰りが遅い」と こぼす父
Uwooo Riyaaaa aaaaa!
Cono Yaroooo ooooo!
Nanbo Nomonja aaaaa!
Kisama Raaaa aaaaa!
....
曲がりくねった 坂道にため息
頭にパズルの重み 胸に髑髏のマークをつけながら
なかなか思いどうりに行かないなぁ
僕は彼の悪口を喉までこみ上げてきたが飲み込んだ
体中 ....
そういえば
あなたと出会ってもう1年だ
初めて彼氏ができて
初めてドキドキして
初めて手を繋いで
初めて抱き合って
初めてキスして
初めて自分より大切な人がで ....
一瞬のタイムマシーンである日付変更線を越える飛行機
あの頃は、と思い出すたび僕たちは大きな洗濯機の中まわる
気の利いた言葉浮かばづきみの笑みに複雑骨折してゆくこころ
つま ....
午後からニューロンが降った。
ニューロンが降るなんてことはめったにないのだ。マカロニ状のも
のが空から次々降ってきて、すぐに地面に溶けてゆく。
隣の家の子供が大喜びで外をかけまわっていたがそ ....
夢がある
その夢追いに
行ってきます。
眠り続ける彼を抱き上げた
だらんとだらしなく細い手足
蒼白い月に照らされた瞼の舞台で
華麗に踊るのは悲しみの輪
狭い場所で生きてきた彼の
存在意義などあっただろうか
持ち上げても重みの ....
貧乏な
ぼくなら一生
郵便を配る
秋の空 深呼吸にも 味がある
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