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さいきんよく遊んでもらっている猫がいて
その人をみていてわかったのだが
猫ってわらうんですね
で
その表情は
じつにうれしそうというか
なにもできんくせにとくいげと ....
さめざめふる のは はるのあめ。
おとめの なみだ を、 まねて みせ、
あまい あまだれ ひとしずく、
ぽつりぽつり と、 ないて みせ
かなしかなしと ....
あおしんじゅの森は
樹海の森だったし
あたしはその結晶を とても美しいと思った
粒の小さい 白い涙のようなそれは
体に悪いと知っても
飲み込み続けるよりなかった
ゆるい雪のよう ....
悲しくなって遠吠えすると
風に乗って
色んな場所から返事を貰った
風が生まれるならそれは掌からだ
水面に翳すと波紋が囁き
耳を澄ませばラピスラズリが唄う
冷たい指先で声を拾って
廃 ....
あいかわらず武士だった
参代する日でもなかろうに
女房殿に渡された温かい包みを抱えて
坂を下ってゆく
*
何やら人垣ができていて
たいそうな{ルビ賑=にぎ}わいである
隣の女房が ....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
キャッチボールする
子供のときのように
幼馴染と
キャッチボールする
幼馴染の大ちゃんの球は速い
少年野球やってたから
川島イーグルス
俺は 嫌いだった
疲 ....
鼻毛出てるよと言われた。
まあいずれにしろ出ていたので善しとした。
体調の悪そうな亀みたいと言われた。
まあいずれにしろ亀は好きなので善しとした。
あなたっていつも煙草吸ってるねと言わ ....
彼氏が泣いていた
じゅうにこも年上
子供みたいなひとだ
ばんばんびがろ
とゆう人が死んだって
とても悲しいらしい
つよすぎも
よわすぎもしない
プロレスラーだったとゆう
わた ....
名古屋から来た君は
動物園通りを抜けて
髪の毛ぼさぼさで
連絡を待つ
ろくでなしの
連絡を待つ
ろくでなしは
その時ある一つのやさしさに抱かれていて
抱いていて ....
森が燃えて
灰になっちまった
空一面に森は舞い上がって
太陽はもう、
随分見ていない
海は汚れて
魚はねじれているし
母さんと妹は
知らない男達に
色んな穴をほじくられて殺さ ....
動かない空気のなかで
宛てもなくひらりと
便箋を翻すと
そこには
まだ言葉にならない溜息やのぞみが湧きだして
いつの間にか黒い模様を描きはじめる
遠くへ帰るひとを
いま見送っ ....
カーテンの裏に潜んだ結露を
指でなぞると
するすると雫は流れ落ちて
行き場のない小さな水溜まりは
冬の外気と人の温みのあいだで戸惑っている
わたしはうっすらと冷えた指先を持て余しながら
....
眠りながら歩きながら眠っている
墓標を背負っている
曲がりくねった黒い道だ
まっすぐ続く赤い道だ
途切れ途切れの
滑らかなカーブそこへ続く道を
眠りながら墓標を背負いながら歩い ....
おかもと君は
わたしの初めての人に
なってもいいと思ってたのに
夢ばかり語って
てんこーして行ってしまった
手紙を書くよと言ったきり
年賀状もこなかった
おかもと君の夢は
とほうも ....
夏に凍てつく
雨は胸をこして硝子玉になる
抱いている
空のように抱えきれない空を
わたしのてのひらも腕も
骨になり粉になり空中に舞った
雨は風鈴の匂い
哀しい ....
魚みたいな
洗濯バサミで
つまんだ
テーシャツ
アジトで
湿っているのに
どこか 涼しげ
昨日 相棒だった
ジーパンに
まだ 仕事かい?
なんて
....
砂漠を飲み干したら
どこへ 誓う
朝焼けづけの
どこへ 誓う
菜の花と月と土の匂いと
共にいてくれる
夜の中
捨てたレール 滑走する
冷たい 黒い泉 あびて
....
窓辺に置いた花が
枯れてしまって
悲しむわたしのもとへ
風が
山の裾野を渡り
あなたの窓を
こつんとひとつして
わたしの窓にも
こつんとひとつして
風の
通り道が出来たことを
知 ....
書けなかった詩の断片が
ちぎれた草になって
風に舞っている
いのちは永すぎる未完
死してなお
始まりにさえたどりつけない 未完
私の夜はいつもと同じ旋律を
内側の街路にまきち ....
すくえるものの おちていくすがたは
ただ だまって ながめるばかり
かたちなきものの ながれゆくようすは
ただ あふれて すきとおるばかり
おもいは灰に、
火にちりりと焦 ....
一月は 祈りを捧げる乙女を写生し
二月は 苦い嗅煙草に涙をこぼし
三月は 鮫革の長財布を拾ってネコババ
四月は 死刑執行人とイチゴ狩り
五月は ゴム草履に呪いをかけてみた
....
原の終わりを示す石標
頬を照らす風に押されて
廃屋は花に沈む
空は地の午後へ近づく
忘れられた道から生まれる鴉
砂の上にあふれ出る夜
金銀銅の狐がむさぼる
返 ....
「短くなったから」
と、
捨てられて
もみ消された
タバコの火が
まだ、 消えてない。
明滅を繰り返し
やがて
{引用=ふわりと} ....
竹の林の向こうから
銀の鈴の音
リン シャラリン
夜露は
月の輪郭を
ゆるりとその身に吸い込んだ
川霧晴れて すすきが並ぶ
トン カラリン
{ルビ独楽 ....
砂礫の中から北極星をめざす
ひとつぶの光る種子から
一万年の大木の夕日の
たおれかかる夕暮れ
音もなく 静かに 闇
空を見上げる
希望をうつす鏡はいつも
目線より少し高いとこ ....
自分は何人いるんだろうと
数えていたら
頭がぼんやりしてきて
それで
もっとぼんやりするために
お酒を飲んだり
する
そうすれば
わたしは誰かになって
だから
あんなことや
こん ....
パパママごめんね僕はヤンキー
ブランキージェットシティーが歌う
そうだね
パパママごめんね僕はクソ野郎
星がよく見える
金さえあれば怖くないのにね
星がよく見える
煙草だって買え ....
また
しっぽが
挟まれた
自動ドアが
わたしのしっぽを
認めない
管理人さんが
困ったねえ
と言って
ちゃんねるを変える
新しい服を
買って
穴をあける
埋め ....
十字路に140キロで突っ込む
同じくらいのスピードで
左側から来て頂戴
大破しましょう
公道の真ん中で
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