おれはきっとやっていけるわ
やっとのことで
手順や矛盾のやり方を
覚えたの
仕事でもへまでも
存分に愛想笑いをして
それとなく何かに感謝するしぐさを
どうも。
どうも。
どうもど ....
口を突き出すように大きく開けて固定する
目はぎゅうっっと閉じ
手はもちろんグーだ
それももちろん固定して
たぶん地平線の向こう
まだ水母のような月と
プカプカ浮いている阿呆っぽい雲 ....
コスモス
すすき
金木犀
青く
それはほんとうに青く
筆で掻き毟ったような雲と
焦点を目指して伸びていく高速道路の
今日は至って空が高い平日に
走る車
....
ずっと
ずっと
あんたの影を引きずっていた
心は一番側に居たから
ことばとか
なんとか
もっと
できたことがあったような気がして
失ったことの悲しみと苦しみを
たくさんたくさん味わった
あんたの ....
ほんとうは
たぶん
もっと話していたかったのに
どうしても辛くなって
回線を
遮断した
意のままに
ならなすぎる自分に
腹を立て
落胆して
でも
全部自分のせいだから
やつ ....
水平線、午後
手延べそうめん、午後
台所の床、つめたーい
ひらべったーくなって
ほっぺーたをぺたぺた
ひーんやり
ヒヤシンス
春の花
もう夏ですが
横たおしの夏
....
大麦小麦の大火事は黄色いラジオペンチでした
訪れたCH地方の緑の丘陵は、M川が西から東へ流れるダーク
グリーンのライン、N3が東から西へ切り込む水色の線。
天地分離南風 ....
春よ
国家美術館Aホールの壁に青い大きな絵が三点架けてある。ところが、架けてある
三枚の画面よりも、どうやら壁の方が見れば四角い凧が浮いている水族館の水 ....
商工会議所の前、電灯に
掻き集められた雲霞の群れを
顔を覆って突破する遊びにつきあわされていた母。
あの密なる若さを
涙では薄めず
あの密なる五人での数年間を
娘二人への埋もれた泉 ....
眠れない夜なら
突然に消えてしまうことにしましょう
ぼくらは明日には
トラックに轢かれてしまうのです
それは
きっとどこにあるか分からなくなった記憶より先に
肌からにじみ あふれ出 ....
刈り入れ、葉、枯れ
わたしたち。
貧窮は カタカタ 呼ばわる
明るさについて。
茎が折れ、そのあたりを、
嗅ぐ。 鼻孔、ひらき、
足も萎え、
何度もなぐられた ....
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。
その理由はいくつかあるのだけど、つまりそれは虫であるはずもない僕の外見からは想像もつかない。たとえば横断歩道をわたろうとするとき、わき腹のあたりがむずむず ....
そっと 寄り添って 楽しげに 泳ぐ花びら
波の切れ間から錆び付いた 憶い寄せて
白い影の街 夕闇に落ち 温度上げる
定期入れに忘れた ほのかな香りごと 共にあげる。
....
いつになっても知らないことだらけ。
知らないって事を知らないよリマシ?
知ってるって事を知らないよりマシ?
踊るためのメシ ついたらまた御飯
踊るため延ばし ついた ....
めぐりきた
この日はなぜやら 決まって晴れる 蒼い
冥い中天に垂れなびく布帯 黄 紫 緑
八方の声明 太鼓と鉦 衆生の足は土をたたく
たたく
肉焼くにおい 黒ずみはじめた果実の甘露
巡 ....
(Sample1.)
地図の中では
私、鳥になることが出来た
このどうしようもなく腫れぼったい目が
磨りガラスを通したように薄い朝焼けを映していて
二度と乗ることもない列車で恋をして ....
北海道の地方都市では
量販店はひたすら郊外型になってしまって
駐車場は平地で2000台収容
回転式のエントランスに
何カ所にも設置されたエスカレーター
天井は高くて空気もよくて
新宿のビッ ....