すべてのおすすめ
ずっと前は黒電話
人指し指をひっかけて
ダイアルがもどる間に
会いたい人の
番号を呟いていた
プッシュフォン
短縮登録ができてから
電話番号を覚えなくなって
今は
....
夕暮れにはまだ早い
君は窓辺にもたれながら
溶けてゆく陽射しに
目を細めている
僕はこたつに入ったまま
足元でまるくなる
猫とつま先で会話をする
「オリンピックも終わった ....
ブランコから見た空は海に似ていた
悲しみに揺れるように
君はぎりぎりの角度で空を見る
浮かべた涙をこぼさぬように
近づく地面を遠ざけて
君はぎりぎりの角度で
懸命にこら ....
「透明」という色を知っている
真実は色を重ねるほどに
現実へと置き換えられてゆくから
いつまでも透明は透明のまま
誰の目にも映らない
だから雨が降る日には
跳びまわ ....
髪を切ろうと決めたのは
特に心境の変化があったからではないけれど
肩までのびた髪を両手でまとめながら
記憶をほどいてみればさかのぼるほど
やけにたくさんの思い出が
ちらついてしまいま ....
塾の講師なんて仕事をしていると
子供の心に触れてしまうことがある
前に受け持っていた女子生徒が
授業中に突然飛び出して
二階のベランダから飛び降りようとした
「死んでやるー!」と何度 ....
よく道に迷う
はじめて訪れた街
交差点の真ん中で
どっちにしよう
迷ってばかりいる
そうでなくても
迷うことばかりだ
ほら
また何かに迷っている
どっちにしよう
そうだ
こっちにしよう
....
{引用=赤い木の実の瞳から
流れる涙は止まりませんでした}
身体の悪い妹に
この冬はどうにも寒すぎて
コンコン、コンコンと
咳を繰り返すたびに
雪が降り積もります
それでも妹 ....
いっぴきのむしけら
どこからまよいこんだのか
へやのなかをあるいている
へんおんどうぶつのおまえだから
まふゆのさむさにうごきもにぶい
かんたんにつかまえて
ちょっとち ....
アライグマに石鹸をわたしたら
小さな手をちょこちょこ動かして
とても楽しそうにしていた
まるまるとした石鹸は
みるみるうちに小さくなり
無数の泡だけを残して
アライグマの視 ....
真夜中眠れずかぞえた羊
眠ろうとするほどに増えてゆく
小さな柵をとびこえて
いつしかそれは羊ではなく
羊のようなものになって
やたらと足が長かったり
やたらと顔が大きかったり
すっかり見とれて ....
私は何も無いものを持っている
全て捨てさってしまった日から
いったいどれだけの月日が流れただろう
空っぽになることで満たされたのは
きっと悲しみだったはずなのに
いつの間にか
笑うことができるよ ....
待ち合い室の窓辺には
枯れそうな観葉植物がいて
誰もそれに気付かないまま
誰もがうつむいている
ただ水をあげればいい
枯れそうな観葉植物は
まだ枯れてはいないのだし
渇きをいやせれば
また青々とし ....
新雪におおわれた道を歩くと
冷たさに耐えかねたような
声が聞こえる
きゅっ きゅっ
きゅっ きゅっ
粉雪は互いの隙間を埋めながら
その度に小さな声で鳴く
きゅっ きゅっ
き ....
いつからか夢見ることを遠ざけたのは
それが大人になることだと教えられたからではなく
身近な現実を見つめれば
それが大人になることだったからでした
忘れ去られた銀河ステーション
....
空は何も忘れはしない
それは始めから何も覚えていないからだと
古い本に書いてあった
それは確かに詩人の言葉だと
子供ながらに納得したことは
はっきりと覚えている
冬空にカイ ....
神様が生まれた日に
僕は自分の始まりについて考える
蝋燭の炎がゆらゆらと時を刻み
その身体を縮めるようにして
わずなかな明かりを灯している
神様が生まれた日に
自分の存在以外に ....
今日も遠い北のはずれでは
北風がつくられている
私は妹の手をとって歩きながら
「ごらん、あれが北風だよ」と
すり切れそうな雲の端を指さして言う
すると雲は
少しずつ形を変えなが ....
「虫」に「文」と書いて「蚊」
と、言われても
今ひとつ得心のいかないわたしは
たとえば
ぶーん、と飛んでいるから
「蚊」と書くのだろうか?とか
飛んでいる奴をつかまえようとする様が
....
アナタ トテモ ツカレチマッテ イル ラシイジャンカ
ユビノサキマデ シビレチマッテ イル ラシイジャンカ
ソレハ タイソウナァ クロウダァ クロウダァ
ソレヲ ダレカニ シッテモライタイッ ....
白いチョークで
道路にドアを描いている
白いチョークでは
どんなものも白く描かれるから
羽を描いても
飛ぶための空が描けない
だから僕は
ドアを描こうとしている ....
「引越しするので手伝ってください」
久しぶりの幼馴染からのメールを見て
行くとあらかた荷物は片付いていたのに
ただ
アルバムや卒業文集が
ダンボールのわきに積み上げられていて
それが手 ....
思い通りに喋れない
言葉が言葉になりきれずに
まるで蛹みたいにうずくまっている
戸惑いや迷いが
細い糸のようにからまって
いつしか自分自身を閉じ込める
繭になる
吐き出さ ....
海岸にうちあげられた貝殻は
まるで磨かれたつめのようでした
わたしはその上を裸足になって
割らないように歩きました
もう冬の寒さの中
波しぶきが雪のように舞う日のことです
痛い ....
白いノートに
木を三つ書いたら
それが森になりました
空を支えるように
枝の真似をして手を広げれば
わたしもまるで木のようでしたが
何かが足りない気がして
淋しくなりました
....
芝生を背にして仰向けになれば
溜息をこぼしても落ちることのない
空がある
青を吸い込んだ瞳を閉じると
そこには海が広がっていた
青空の公園で
僕は一羽のカモメだった
....
待たなくても夜はきてしまうから
朝はどうしょうもなく待ち遠しい
眠れない
そんなことはもう
考えなくなりました
「アシタカ」というのは亀の名前なんですが
てっきりオ ....
君の身体にあいた小さな穴を
塞ぐこともできないような僕です
風が冷たくなってきました
風邪などひきませんように
そんなセリフは
可愛くもないけれど
せめて吹き抜けないように
....
ある日見た空に
飛行機雲が白くひかれていて
それが矢印のように思えました
きっとそんなところにもきっかけはあって
感じたままを力の向きに
見上げるその
角度にも
だから
....
つんと鼻を刺激する
空気の冷たさに驚いた朝
慌てて出したコートには
お気に入りのマフラーが巻かれていて
それは大袈裟かもしれないと
くるりほどけば
ひらり舞い落ちた
枯葉が一枚
....
銀猫さんのベンジャミンさんおすすめリスト
(167)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
会いたい人に電話する
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-3-3
まどろみ
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
06-3-1
ブランコから見た空は海に似ていた
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-2-15
「透明」という色
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-2-13
髪を切る日
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-2-9
知らないことを知っている
-
ベンジャ ...
自由詩
42*
06-2-6
どっちにしよう
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-1-31
雪うさぎ
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
06-1-17
いっぴきのむしけら
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-1-16
アライグマと石鹸
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
06-1-14
真夜中の羊
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-1-14
I_have_nothing
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
06-1-13
白い待ち合い室で
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-1-11
なきゆき
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-1-9
流星群の夜
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
06-1-2
カイト
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
06-1-1
神様が生まれた日に
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-12-25
北風の工場
-
ベンジャ ...
自由詩
14*
05-12-16
文蚊論
-
ベンジャ ...
自由詩
2*
05-12-12
こんな夜に見上げる星の下で
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
05-12-2
白いチョークで描いたドア
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
05-11-30
この街を去ってゆく君へ
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-11-24
言葉が蝶のように
-
ベンジャ ...
自由詩
12*
05-11-20
貝殻の道の上で
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
05-11-11
あなたへとつながる道を
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
05-11-9
青空の公園で、僕は一羽のカモメだった
-
ベンジャ ...
自由詩
11*
05-11-6
この空に星は見えていますか?
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-10-30
ピアス
-
ベンジャ ...
自由詩
7*
05-10-27
飛行機雲は消えても
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
05-10-26
それが冬のはじまりでした
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-10-25
1
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