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失恋の傷に追い討ち栗の毬


秋風の所為と言い張る君の嘘


秋ついりポチはハウスに引篭もり


月観れば腹を叩くか遠吠えか


天晴れと誉めてつかわす秋の空



 ....
貴方の瞳があまりにも
澄んだ色をしているから 
向かいあうと俯いてしまって
貴方の爪先ばかりを見ている

眩しいと感じるものが苦手で
目を逸らしてしまうのは
自分の穢 ....
木漏れ日がもしも零れて落ちたなら
        享けとめるためまつ毛をカール


ハリウッドの女優気分で歩こうか秋色緋色の絨毯の上


空高く群れる羊を追いかけて風の尻尾を捕ま ....
幼い頃のひとり遊びの記憶は
影となって私に纏わり
誰かを愛そうとするたびに
耳元で呪文を投げかける

楓の色づく様を
薄の頭をゆらす様を
人と分かち合うやすらぎを ....
宣告を受けた日
私たちは意外なほど冷静だった
それはおそらく
屈強な父の姿には癌という病名が
あまりにも似つかわしくなかったからで

父はいつもの如く寡黙だったし
私 ....
我ひとり凛と咲きたるケイトウの立ち姿に見る揺るぎなき赤


夕焼けを映して林檎の色づいて食むる乙女の頬にうす紅


ひそやかな紅き花よと見惚れたる君のまなざし吾もまた乞う


い ....
その
ひぐらし

アコーディオンがたからもの
ヒトの喝采むさぼって
どこふく風のねなしぐさ
ゆらりと浮世をやりすごす


あれは
キリギリスとしんせきだったかねぇ

そ ....
ねぇ見て 不思議よね
こんなにちっちゃいのに
ちゃんと爪もあるのよ と
満ち足りた母親の顔で彼女は
小さなこぶしをを開いて見せる

アキアカネが飛び交う夕暮れに
生まれたから 茜
はい ....
寝顔だけは
どんなことをしても
取り繕えない

赤ん坊も
うら若き乙女も
お髭の立派な紳士だって
枕の上ではあどけない顔をして

お医者さんも社長さ ....
私という曲線をなぞる
薄っぺらな影が
このまま溶けてしまわないように

望んではいけない
夜を越えてしまった

私ははしたない女ではなかったかしら
未練がましい女ではなかったかしら
 ....
強い信念があれば
幼子の指一本で
巨人を倒すことも出来る
二機の飛行機が
大国の象徴を滅ぼしたように

しかしその信念は歪んでいたために
多くの生命を無駄に奪い
 ....
あの子は逝ってしまったのよ
夏の名残の陽射しが注ぐ朝の庭で

何度か苦しそうに喘いで
だけどそのうち眠るように
少しづつ少しづつ
呼吸が弱くなって

愛するみんなが見守る中で
頑 ....
ぽくぽくと砂埃の道を
踵の低い靴で歩く
道端にときおり現れる
柿の木の下で
風に吹かれて和みながら

寂れた雑貨店は
小さなオアシスのように見えた
冷蔵ケースのコーラの瓶の
くび ....
一夜の戯れ 夢や現つや
うす桃色の 紅のゆくへや

君の御手の うなじに触れなば
わびし心に 月の灯らむ
荒れ野の果ての 草木を分けて
あえかなる身に ....
やはらかな ひかりの かけら

あつめて はなつ かほり

かぜの おびを ほどき


めざめよ


とほき ゆめの かなたより

はなは あさに ひらき

とりは ひ ....
雨の夜
宙に惑うのは
報われなかった
言の葉の亡霊たち

人を傷つける為に生まれました
見下す為に生まれました
罵倒する為に
揶揄する為に

己に言い訳する為に生まれました ....
ぱさぱさと干からびて
色褪せてしまった
大学ノートを
赤い爪先で繰りながら

ため息ひとつ

セピア色と呼べば
聞こえはいいのだけど
少女じみた丸文字の
拙い言葉の羅列が苦 ....
月のしずく
やどる草陰

いともたやすく
朝陽にとける

心ころころ
恋心にも似て

儚きものこそ
うつくしく

しばし留めん
愛しきすがた
川縁の草いきれの中を
ひた走った記憶は
あるいは夢かもしれず


はじめは
ひとすじの流れにすぎなかった
けれど運命は
生まれる前から決められていた

旅を重ねるごとに
強さを身 ....
痛々しいほどの
朱をさらけだして
鶏頭が咲く

傷口は
季節が変わっても
じゅくじゅくと疼き

癒す言葉など
持ち合わせてはおらず
ただ唇を乞う

ツバメが
ひととき ....
洗車用ホースで水の弧を描けば重なる虹の橋ふたつみっつ


あきらめの悪い蜩夏の背にしがみついてうわぁんと泣いて


初嵐小昼の庭を吹き抜けば夏痩せのポチ鼻先で追う


稲の穂 ....
静寂の海
咲いて波間に
ほの白い影を落とす月

寄せる波は
真夏の喧騒
返す波は
秋の訪れを
それぞれに伝えて

移ろう季節を人知れず
見送り
迎える

久遠の光は ....
てとらぽっとは海につながれて
夕日が燃えて琥珀に変わるのを
見ていた

さよなら
さよなら
さよなら


駆け足で過ぎようとしている夏の
スカートの裾 ....
色褪せたペディキュアの朱 もの憂げな視線で足を組み換えてみる


この浴衣ひとりで着たの?と囁かれ耳が火照るのに あぁ今日はダメ


その後の貴方の舌がつめたくて気持ちいいから抹茶 ....
ベッドの上に横たわり
胸の上で組まれた手が
呼吸に合わせて上下する
その規則的な動きを凝視し
眼を逸らすことが出来ない

肉厚のごろんとした手は
ずいぶん年老いてしまった
額の皺も ....
ある日の夕方
ポチは神妙な顔をして
私の前におすわりをして
喋りはじめた

ねぇ。
ボクはずっと前から考えていたのだけど
どうして人は平気で人を傷つけたり
いがみ合ってみたり
 ....
爆弾を我が身に纏って散り果てぬそれを正義と笑わせやがる


見上げればおんなじ色のはずなのに我らの空もイラクの空も


銃口に面と向かったその時に「万歳!」なんてぜったい言えない

 ....
閃光と爆音が果てしなくつづく
長い長い夜だった

終戦前夜の静かな港町に
これが最後とばかりに
ありったけの爆弾が落とされて
夜空はまるで夕焼けのように
真っ赤に染まったという

 ....
猫の手も借りたいくらい
忙しかったりしてる時も
日溜りで遊んでいる
となりの猫を掴まえて
手をとってバンザイさせてみたり
ぷにぷにの肉球を瞼に押し当てて
和んでみたり

そんな時間はあ ....
降り立った駅のホームには
潮の匂いの風が吹いていた
タクシー乗り場では
タオルを首に巻いた運転手が
ワイシャツには不釣り合いなほど
日焼けした顔で機嫌よくドアを開けた

エア ....
千波 一也さんの落合朱美さんおすすめリスト(112)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- 落合朱美俳句10*05-10-20
片想い- 落合朱美自由詩14*05-10-18
プロムナード- 落合朱美短歌14*05-10-14
風葬- 落合朱美自由詩42*05-10-8
宣告- 落合朱美自由詩20*05-10-1
照葉- 落合朱美短歌14*05-9-25
ひぐらし- 落合朱美自由詩11*05-9-22
アキアカネ- 落合朱美自由詩48+*05-9-17
寝顔- 落合朱美自由詩12*05-9-15
背徳- 落合朱美自由詩10*05-9-13
2001.9.11〜あれから〜- 落合朱美自由詩15*05-9-11
秋桜忌- 落合朱美自由詩16*05-9-10
田舎道- 落合朱美自由詩16*05-9-9
くりごと- 落合朱美自由詩10*05-9-8
ときはなつ- 落合朱美自由詩12*05-9-7
言霊- 落合朱美自由詩11*05-9-6
侵食- 落合朱美自由詩11+*05-9-6
白露- 落合朱美自由詩12*05-9-2
汽水- 落合朱美自由詩17*05-8-28
帰燕- 落合朱美自由詩10*05-8-22
処暑- 落合朱美短歌10*05-8-20
海に咲く月- 落合朱美自由詩14*05-8-19
さよなら夏- 落合朱美自由詩19*05-8-15
夏の果- 落合朱美短歌11*05-8-13
その手に- 落合朱美自由詩10*05-8-12
犬的思考- 落合朱美自由詩9*05-8-9
書き殴り・アンチテロリズム- 落合朱美短歌13*05-8-6
1945年8月14日- 落合朱美自由詩13*05-8-2
となりの猫- 落合朱美自由詩19+*05-7-30
帰省- 落合朱美自由詩13*05-7-29

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