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母は時折話して聞かせてくれた
その 夏の日のことを
まるで 昔話を物語るように
淡々と淡々と
話して聞かせてくれた



どこへ行った帰りだったかしら
小さな弟を連れて
畑の中の一 ....
ふりふりふり っと
どれすの すそを
ゆらして
まるい
ぼうるの なか

きのせい かなー
うわめづかい
きのない ふりして
さそってる かなー

そとは
 ....
ちいさく

きらめく おと

つれてって

つれてって

こばこのなかから

なつかしさ こぼれて

ないてもいいよって

いってくれる
檸檬一個
それだけ買いに行く
一番綺麗な黄色を買う
スーパーの
ビニール袋は興ざめだから 
丸めてポケットに

檸檬一個
空とキャッチボールしながら
ハミングまで出る
気付けば
 ....
らんらんらん と いうほどではなく
ふんふんふん と いうくらいの
ちいさな
ちいさな
おうえんかが
こころのなかで なってます
たぶん
かあさんの こもりうたのこえで
毎日見慣れた部屋の中で
いつもと少し 
違う私になって見ようなんて
時間も いつもとは
少し違う角度で流れて


早いうちに片付けも終えて
それも気が向いたところだけ


テレビ ....
じーちゃんは 耳が遠い
ばーちゃんは 歯がなくて発音が悪い

二人の会話は
何度も聞き直し
何度も言い直し
互いの顔を
くっつけるように近づいて
可愛らしくて
仲がいい

ばーち ....
「今日は型をとります」
左下の奥歯
仮であった詰め物を削り取る

ロマンスグレーの先生は覗き込む
患者の口の中を
少しずつ優しいタッチで(でも音はキライ)
痛くないように(でも音はキライ ....
千波 一也さんのさちさんおすすめリスト(38)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
母の物語- さち未詩・独白12*05-7-27
きんぎょ- さち自由詩15*05-7-24
おるごーる- さち自由詩6*05-5-18
檸檬- さち自由詩7*05-4-23
うたごえ- さち自由詩505-4-17
君のいない休日の午後- さち自由詩4*05-4-6
なかよし- さち自由詩25*05-2-2
歯医者〜妄想の時間〜- さち未詩・独白405-1-12

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