すべてのおすすめ
何をどこに忘れたのですか?
駅の係員は開いた記録簿に目を落とし尋ねた
普段から乗りなれた通勤電車
それなのに今夜は何かが確かに違っていた
勧められるまま飲んでしまった新年会
赤ら顔の同僚 ....
いつもと同じ場所から何ら変らずに
初日がひょいっと昇ってきただけなのに
「ありがたや」と皆で拝んだりする
昨日までの日の出とどっか違うのかな
江戸時代の「つけ」とかの借金って
支払期 ....
胸のボタンを外すとき
あなたの狡猾な指先を思い出す
背後から不器用そうに
それでいて
未来に待ち受けているものを欺くかのように
(それなのに忘れられないのは
部屋の灯りを消しても
情念の ....
ひとりでいることって
決して好きくはないんだけど
ひとりでいたいときがある
壁のカレンダーを眺めてみれば
いつもと同じこよみなのに
この日だけは特別だよって囁いている
瞬くイルミネーション ....
当て所無い片道切符の遠い駅
尿意に立ち寄ったトイレは
蟋蟀らしき秋虫の音が木霊する
あれは便所蟋蟀だろうか
所業に耐え無為と生きる便所蟋蟀
然し秋虫の類では無いような
さりとて確かめたりは ....
わたしが生まれ育った郷里では
要らぬものを裏山に投げた
村外れを流れる川に流した
囀る野鳥の気配に誘われて
ひとり裏山を彷徨えば
要らぬものは朽ちて土となり
夕餉の支度でも始めたのか
潜 ....
きれいに消し去って欲しい
あなたの腕で
わたし自身では消せなかった
こころのなかに棲みついたもの
胸騒ぎのようなもの
きっと消せる あなたなら
その腕でわたしを抱き上げて
森の奥深く連れ ....
鉢植えの花が咲いていた
色とりどりの花々が咲いていた
しかし どいつもこいつも嘘っぱちに思えて
可憐な花びらをえいっとばかりにつねってやった
花の香りに誘われて蜜蜂が飛んできた
蜜蜂が耳の周 ....
ハナミズキが総苞に
厳しかった冬の名残を残すように
ひとのことばの端々には
生きてきた人生の痕跡を引き摺って
それは醜さの現われでもあり
それはしがらみのようでもある
引き ....
わたしと一緒のときでさえ
素知らぬ顔でメールチェックする あなた
コーヒーをかき混ぜる仕草で
わたしのこころをかき乱す
いつの間にかミルクを入れなくなって
ショウウィンドウに映る姿を気にして ....
別れたダサ男のしつこいチョクメ
援交 けっこう もうけっこう
言い寄るイケメン 鼻毛が気になり
オールで汚れた勝負パンツ
寄せてもむりむりバストアップブラ
バンザイ ウザイ イタすぎ ....
あなたが大声で「ロバの耳」
とか叫ぶ意味が判ったわ
解き放つのね 何かを
解き放ちたいのね 何かを
あなたはこの町一番の床屋
それは誰もが認めていて
あなたが決めた髪形に
誰も逆 ....
「この花きれいだね」
あなたは美しさの形を指先でなぞると
風の誘うままに微笑み
未だ慣れぬ白い感触を確かめながら
おぼつかない足取りで
わたしの半歩先をゆっくりと歩む
....
叩く
ひとを叩く
大好きな彼女
君のこと好きだよ
と言わずに叩く
大切な母親
いつもありがとう
と言わずに叩く
可愛い我が子
よしよし
と言わずに叩く
....
あなたに「俺を愛せ!」といわれても
愛することのできないわたしです
あなたの冷たい仕打ちのおかげで
路傍の露と消えた二百十万の御霊を思えば
どうしても愛することはできません
市谷で散 ....
ベッドに横たわるキキの傍らに
典雅とまどろむ猫
誰しもあなたを思う背後で
してやったりと微笑む あなた
乳白色の柔肌は滑るように
見つめるものを誘い
乳白色の眼差しは射るように
....
時には詐欺師が人を欺くように
わたしはあなたを欺きたい
飲めぬ程に苦い毒薬であっても
この世に喩えようも無い甘美さを
死を迎える程耐え難い苦痛であっても
五臓六腑に熱い何かが駆け巡り
....
わたくしはなりたい あなたに
好きからはじめる花占い
かならず好きで終わるから
弘前のあなた 今年も綺麗に咲くのね
好き
嫌い
好き
嫌い
好き
幾度やっても ....
春は優しい素顔を何処かに隠し
コートのすそにまとわりつく
うつむいて
泣きべそかいているのは誰のせい
そんな街の片隅でも確かに芽生える
やるせない泣きべそ顔の奥で
見つけたもの
....
君は頭でっかちな赤と白のブチ。ぶくぶくと
揺れるコカナダモに身を委ね、退屈そうな気
配で天を見上げる目玉に映るのはどこまでも
青い空に気まぐれな白い雲のブチ。
自慢の ....
「わたしたちのからだ ここに入るのね
その言葉は 墓前に供えた白い花より麗しく
遠くに 在るもの いつか 訪れる
その日を見据えては 永久 に さすらい
「わたしたちの心 あの雲に ....
あなたの姿を まぶたの裏側に
赤い 糸 で繋ぎとめ
下の名前を そっと 呟いてみる
あなたへの 気持ちを 確めたところで
ぬかるむ春の気配に取り残された針金細工
忘れ ....
生きる意味に悩んでいるなら
悩んで悩んで悩み抜いて
大いに苦しめばいいよ
それでも君は幸せなんだから
今すぐにでも死にたいのなら
遺書のひとつでも書いて
とっとと死ねばいい ....
あなたが大人買いした
その食玩達は
誰もが寝静まる真夜中
遠い国の鳴き砂に耳を澄ます
肺の奥まで吸い込んだ
着色顔料の青色は
どこまでも鮮やかで
いつまでも少女の心と身体を蝕む
....
逢いたやあなたと浜千鳥
緋と思しき爪折れは
叶わぬ侭の夢吹雪
いつかなりたや恋女房
待てど暮らせど来ぬ文を
遠い都と香り立ち
揺れる簪 手の鳴る方へ
棗に忍ぶ 恋は霞と
....
あなたが一番きれいだったとき
しがらみの廃墟に靡く 硝煙を仰ぎ
自由とは このことかと
愛しき髑髏ひとつ 胸に抱き 街を彷徨う
あなたが一番きれいだったとき
一枚のルオーに なりたい ....
君の言う単なる恋愛に
僕は幾度となく涙を流してきた
君の言う単なる恋愛に
僕は幾度となく命をかけてきた
なぜなら
そこに世界で一番大切な真実があるから
....
君の残した想い出は
遥か遠く浜茄子咲く北の国で
いつも優しく眩しいほどに輝いて
ここまでおいでと僕の名を呼んでいた
君の残した思い出を
僕は今超えようとしている
越えることなんて考 ....
屈めた背中を ゆっくりと伸ばすように
季節は移り変わる
それは水指に潜む 小梅の性
三寒四温の質感を受けいれては ひとり悦に入る
(ああ 春は素敵な季節
(水指の渇望は
(滴り ....
叙情の彼方を探るように この岸辺にて
翼を休めるものよ 優しげな日差しと
聞こえ来る 春の訪れを告げる歌声
地に生けしもの総て 目覚めの刹那を夢想する
巡る季節の旋律は いつにもまして ....
The Boys On The Rockさんの恋月 ぴのさんおすすめリスト
(74)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
忘れもの
-
恋月 ぴ ...
自由詩
31*
08-1-7
「生まれ変わったね」と君が言ったから一月一日はリセット記念日
-
恋月 ぴ ...
自由詩
22*
08-1-3
悦楽(黒薔薇の微笑_其の二)
-
恋月 ぴ ...
自由詩
33*
06-12-14
哀愁のメリークリスマス
-
恋月 ぴ ...
自由詩
25*
06-12-12
ふぐり
-
恋月 ぴ ...
自由詩
18*
06-9-13
見えない力
-
恋月 ぴ ...
自由詩
28*
06-8-28
ラヴなステーショナリー_その1
-
恋月 ぴ ...
自由詩
20*
06-8-18
ろくでなしの詩
-
恋月 ぴ ...
自由詩
14*
06-5-12
対話
-
恋月 ぴ ...
自由詩
14*
06-5-10
マゴコロ
-
恋月 ぴ ...
自由詩
15*
06-5-8
BANZAI_UZAI
-
恋月 ぴ ...
自由詩
7+*
06-5-8
ときはなつもの
-
恋月 ぴ ...
自由詩
14+*
06-5-3
たまたま
-
恋月 ぴ ...
自由詩
30*
06-4-26
Knock_On_The_Door
-
恋月 ぴ ...
自由詩
20*
06-4-24
愛するこころを忘れずに
-
恋月 ぴ ...
自由詩
13*
06-4-20
乳白色のあなた
-
恋月 ぴ ...
自由詩
12*
06-4-19
Another_World(もうひとつの世界へ)
-
恋月 ぴ ...
自由詩
15*
06-4-14
弘前のあなた
-
恋月 ぴ ...
自由詩
15*
06-4-11
ふわり感じるもの
-
恋月 ぴ ...
自由詩
20*
06-4-8
赤と白のブチ
-
恋月 ぴ ...
自由詩
13*
06-3-26
香春盆夢歌(かわらぼんゆめうた)
-
恋月 ぴ ...
自由詩
16*
06-3-18
Y曲線
-
恋月 ぴ ...
自由詩
18*
06-3-14
世界で一番不幸せと思っている君に贈る歌
-
恋月 ぴ ...
自由詩
33+*
06-3-8
五つの星と少女の鳴き砂
-
恋月 ぴ ...
自由詩
16*
06-3-4
新宿区「神楽坂」
-
恋月 ぴ ...
自由詩
21*
06-3-1
女性詩(をんな_さが_うた)
-
恋月 ぴ ...
自由詩
20+*
06-2-24
ラブレターを書きつづけた男の遺言状
-
恋月 ぴ ...
自由詩
32+*
06-2-19
ミラーハウス_(K.Mに…)
-
恋月 ぴ ...
自由詩
18*
06-2-17
小梅のエスキス
-
恋月 ぴ ...
自由詩
26*
06-2-15
早春歌
-
恋月 ぴ ...
自由詩
16*
06-2-13
1
2
3
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する