サンディの煙草は誰にも止められない
と、誰もが思っていることを
サンディはなんとなく知っている
黒く長い髪
茶色のひとみ
その他の身体的特徴
にもかかわらず
サンディといえば
 ....
最近妻のご機嫌がよろしくない
夜毎夫がパソコンで
やれDAHONのシートポストの軽量化だの
スギムラRCB-1の後輪のインチアップ計画だのと
自転車三昧なのを横目に見ながら
「今年 ....
竹竿の先に灯火をぶらさげて
小さな子から先にあぜ道を歩いて行く

ひと粒の米に
千もの神が宿っていた頃から続く火で
稲の葉を食べる虫を追い払う

のだと言うが
揺れる火はまるで
人魂 ....
猫の手も借りたいくらい
忙しかったりしてる時も
日溜りで遊んでいる
となりの猫を掴まえて
手をとってバンザイさせてみたり
ぷにぷにの肉球を瞼に押し当てて
和んでみたり

そんな時間はあ ....
私の
家の裏には
杉林があって
その向こうには
すこしばかりの空があって
夏になれば
蝉時雨が満面に鳴り響いているのです
しばらくそれを
みつめていると蝉の声が深く
静かに命を説いて ....
昔男を取り合った女はわたしと正反対で
なんでまたそんなことになったのか覚えていない
わたしは余裕で調子こいてたから彼女を敵とみなしていなかったが
わたしがいろんなことに忙しく男をほったらかしてい ....
考えてみたら・・・オレオレ率と吟醸度は相反するものなのかもしれず、オレオレ率と吟醸度をともに低くするなんてすごく難しいんではないか。実作者はオレオレ率がひじょーに高くてもかまわないと思うし、逆に純読者 .... 君は脱ぐ
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
 ....
今、生きている人間が必ず1度は経験する事柄があります。
全員、おしなべて、例外なく、絶対に、です。

それは、
この世に生まれる事と死ぬ事です。

人は誰でも、必ず親から生まれたから生きて ....
荒木さんが
すっぽんが獲れたから
食べにおいでよ
と言うから
友達誘って
焼酎抱えて
出かけていった

すっぽんは
みごとに捌かれ
くつくつと
鍋の中でうまそうなすき焼き風味で
 ....
君のだみ声は大海原のうねり
君のいらっしゃいは忘却の号令
ねじり鉢巻
生の残酷さと尊さを知りながらも
君の口は頑なに語ることを拒み続ける
いま目の前には
かつて自由に泳ぎまわっていたも ....
「わたし、これから先どうしたらいいの?」

買い物をおえて帰宅し、ホッと落ち着いた瞬間のできごとだった。

わたしの親友であるあんたからかかってきた電話。

{引用=わたしの人生の中で親友 ....
  

参道下の古ぼけた店で
岩魚の塩焼きを齧る
雨が降ってるので
ゆっくり と齧る


しらやまさんに降った雨は
百年後の加賀平野を潤す


その雨が
降っているので
ゆ ....
男は冷蔵庫の中で傘を飼育している
夜の方が良く育つときいたので
朝になるとわくわくしながら傘に定規をあてるのだが
傘の長さが変わっていることはなく
その度にがっかりする
けれど男は知 ....
人間は
ただあてもなく{ルビ彷徨=さまよ}っているだけなのかもしれない
調度
あてもなく流される植物の種子のように


今日、いいことをした
今日、彼氏(彼女)ができた
今日、何々をし ....
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた


それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
 ....
私の獏は夢を食べない

捨て獏だったからかしら
母乳で育たなかったからかしら
理由はわからないのだけど
とにかく夢をさし出しても
ふんっと顔を背けてしまうから

長い長い格闘の結果
 ....
  

卒園式ではいつも以上に
園長先生のお話 長いね
と うちの子供が気にかかる
寝てはいないか
ちょっかい出してはいないか
そんな心配もなんのその
みんなちんまりと神妙な面もちで
 ....
わたしがいつも散歩をする道に、なぜか骨董品屋さんが三軒もある。
一軒は総合骨董屋というか、質流れ品のような貴金属や時計や絵なんかも扱っているの
だけれど、あとの二軒は食器が主な品揃えで、新品と骨董 ....
眼を閉じると古代の森が広がる
見たこともないはずの
それらが

私の中に確かに在る

植物は草食恐竜に食べられ
草食恐竜は肉食恐竜に食べられ
そんな彼らはみな土に還り
そうやって
 ....
                   − 素子へ、特別版 −


子供の頃は戦後のモータリゼーションが
発展し始めた時期で
うちの車は初代パブリカのデラックス
その頃は車のグレードと言った ....
気狂いに刃物
猿に電車
ガキにプール
妻に避妊具
配達員に写メール
青菜に塩
梅干に鰻
童貞にこんにゃく
並木に青虫
女優にバナナ
牛車にロケット
鈍器に着け火
電車曲がる軋む ....
さかさまつげ と診断され
父に手をつないでもらって
眼科に通って いた頃

診察してくださった先生は
遠くをみつめなさい と言った

遠くの山の緑 遠くの景色を
とても 眼にいいか ....
音を形容する言葉が足りない と君は 喉をならしてビールを飲みながら 言う
君の発する言葉 そのもの が音でしかないから 仕方ない
めがねのつるをつまんでふりまわしたら 机のかどに当たって レンズが ....
夕闇に
かみひこうき
投げて

どこまで
飛んでいって
くれるのか

思い

馳せる

季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい



ふと
隣に居な ....
今朝すれちがった女の子のビニール傘の
持ち手の色は雨の街に浮き立つ人工ピンク
沈むことのない色をのせてまわる世界で
雨にも負けズ人類は渇く

ピンクというのはなーんか迷っている色
赤と白の ....
馬鹿ターボ
全開で帰宅する俺
髭をたくわえ少しワイルドな俺に
おかえり、を言う娘は少しワイルドな俺に少し慣れ
一番星が出始めた空の下で縄跳びの練習中
綺麗でしょ、綺麗でしょ
いや、 ....
 田村隆一は太平洋戦争後の荒廃した社会を的確な詩語で捉え、戦後詩壇を代表する存在になった。と、日本の詩の歴史ではそういうことになっているらしい。僕は言うまでもなく戦後生まれ、それも高度経済成長の真っ只 .... 覚えてる
迷ったときの指先のちょっとした仕草とか
暑い室内でむっと漂ってきた身体の匂いとか

正午、君がサイレンの口真似をすると
僕らは作業を中断して
いつも小さな昼食をとった

今日 ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ

いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
服部聖一さんのおすすめリスト(85)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
サンディのこと- たもつ自由詩43*05-8-14
いつの日か船越英二が__自転車三昧の日々- 山田せば ...散文(批評 ...605-8-12
しらやまさんのこと(6)- AB(な ...自由詩1405-8-6
となりの猫- 落合朱美自由詩19+*05-7-30
蝉時雨- こしごえ自由詩17*05-7-29
新築祝いを送るよ- チアーヌ自由詩705-7-29
オレオレ率と吟醸度- 佐々宝砂散文(批評 ...20*05-7-28
ストリッパー- たもつ自由詩2305-7-21
死ぬ順番- 宮前のん散文(批評 ...18*05-7-21
夏にすっぽん- 草野大悟自由詩12*05-7-17
魚屋- たもつ自由詩905-7-17
親愛なる心友であるあんたへ。- 淀君未詩・独白4*05-7-16
しらやまさんのこと(5)- AB(な ...未詩・独白505-7-10
七人の男(傘を育てる男)- たもつ自由詩4705-7-7
自殺未遂をした3人の友人へ- ヤマト自由詩1*05-7-5
空の底- 望月 ゆ ...自由詩49*05-7-3
偏食- 落合朱美自由詩21*05-7-3
しらやまさんのこと(4)- AB(な ...未詩・独白605-6-25
骨董品に念を感じますか- チアーヌ散文(批評 ...305-6-3
みんなの森- ベンジャ ...自由詩3*05-5-23
スタンダード- 大村 浩 ...自由詩55*05-5-4
Armed- 大村 浩 ...自由詩5*05-4-27
とおくを_みつめなさい- 砂木自由詩58*05-4-20
やわい_そら- 吉原 麻自由詩4*05-3-30
白い紙、赫い影- 嶋中すず自由詩4505-3-29
人工(じんこう)ピンクス- 河野宏子自由詩7+05-3-24
団欒- たもつ自由詩2505-3-1
田村隆一(その詩行のかっこよさから語る)- 岡部淳太 ...散文(批評 ...30*05-2-20
サイレン- たもつ自由詩3605-2-16
十階の家族- たもつ自由詩100+04-12-11

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