前回登場したA氏の話を続ける。月日が経ち、ネットの海辺で呆
然としていたA氏も素潜りなどできるようになった。詩論を交わせ
る知り合いも幾人かできた。様々なサイトを足繁く覗くうちに素晴
らしい作 ....
 インターネットが現在の詩の状況に光明をもたらすとは、じつは
露ほどにも思っていない。何らかの状況変化が起きるとは思うが、
それが「光明」であるとは限らない。インターネットほど閉鎖的な
媒体はな ....
屋上から見える裏山の
天辺にかかった雲から
差し込んだ陽射しを眺めて
少しだけ休んでいこう

疲れきっている訳でもなく
悲しいって程じゃなくて
緩やかな風に煽られた隙間から
時どき覗い ....
水のあぶくが上り
木々の青が落ち着かせる
空気が美味しい
虫たちの声

わだちの上を自転車で
走る。
輪投げの中に玉を
落とす。

カトマンズはどこの首都!
ネパールでしょう。
 ....
大きなガラス扉
日焼けしたブラインド
貸店舗、の白い貼り紙
コンビニになりきれなかった
角の、たなか屋

殺風景な店先のコンクリートには
ただひとつ
小さな郵便ポストが生えたまま
舌 ....
紙の上
の白

の下の


ね重なる
行為ゆえにさらに
かさねては文字盤の上の
ほこりのよにかさかさと動いて
何度目かの憑依、幾度目の翻意よ、とろりくずれて
紙の上とどまり ....
真昼の公園で木漏れ陽を浴びて 
癒える筈のない悲しみのことを考えていた 
ときおり吹き抜ける風はすこし熱を帯びて
客待ち顔のアイスクリーム売りの老婆の 
麦藁帽子を踊るように撫でてゆく 
 ....
雨が降っている

傘は
持っていない
濡れれば冷たかろう
止むのを待ってみようか

雨が降っている

傘は
持っていない
濡れれば冷たかろう
冷たくなるのもまたよし


 ....
早朝の
夜が やっと明け始めるころ
眠りから覚めた
鳥たちが挨拶を交わし始めるころ
色白の
肌が青白く影を帯び始めるころ
私は、

私自身の気配にかすかな境界を感じ
縁側でぽつねんと ....
「嗚呼、空が落ちる」

「落ちる筈がないだろう」

「あの水溜りを御覧よ、ほら空が、」



ソラガオチル



「水中遊泳とでも洒落込む心算かい?」

「なにが ....
死んでもいいけど死にたくない
死にたくないけど死んでもいい
お前が恋しくお前憎い
お前憎いがお前が欲しい
どっちにつかず揉まれに揉まれ
離れちゃくっつき揺り返し

自分は素直なん ....
にわか雨は窓ガラスを叩く激しさで
海辺の汐臭さをわたしの部屋まで連れて来た
波音のひたひた寄せるテーブルで
いつか拾った貝殻の擦れる音色がする
ハンガーにかけたわたしの白いブラウス
温もりの ....
大きいおっぱいは
肩が凝ってたいへんだと思う
かわいいブラもないし
服を選ぶのもたいへんだし
そのうえ
男たちの好奇な
視線に晒され
見詰められるたびに
何か別のものが
磨り減ってい ....
午前三時、音楽は鳴り止み――
無人の街が点滅している


冷えた空気、星も隠れ――
乾いたタイヤの音が通り過ぎる


絶えず掘り返され埋め立てられる交差点で
電光掲示板がリズムを刻ん ....
知恵を運ぶ美少年が
いつしか薬漬けの老青年と化し
やっぱりそうかと言われそうなことに
人生の階段を転げ落ち
崖っぷちです

誰か助けてください

神様が私をひょいっと盆の上に乗せ
へ ....
わたしの肌は
蜜柑のかおりが
少ないせいか
かさかさに
なってしまって

こんなんじゃ
新しい恋なんて
できやしないわ
燃えるような
熱い恋だなんて

わたしは
そう、言った ....
真夜中の毛布に隠れ
短い振動が
密かにわたしを呼ぶ
七十センチ横では
きみの見知らぬ連れ合いが
高らかに寝息で嘘を吐いている


幸福の整理券を
並んで手に入れたものの
本当は少し ....
何を書きたいのか忘れてしまった










































 ....
膝を折り、抱えた腕で
目を隠し
一度目の冬の質感を
花、枯れたままの鉢植に
黒い髪の揺れたあなたの日を

思い出して


ここで乗り換える
僕の靴は


 自由なさよなら
 ....
きらびやかな服を着て
きらびやかな街に出て
たまごの美味しいお店で
美味しいたまごを食べ
たまごが美味しかったと
あなたに電話をした
何て答えたのか覚えてないけど
あの日はあなた ....
「暖」

羊羊羊
羊僕羊
羊羊羊



「寒」

        羊羊羊
 僕      羊羊草
        羊羊羊
全自動
全自動
洗濯物の量を測り
水をため
あらって
絞り
水をため
すすいで絞り
また 水をため
また すすいで絞って
ピーピーピー
ご苦労様
すごいぞ
全自動


 ....
君と僕とを繋ぐのは
見えない手錠の様なもの
かなり前から付けていた様で
もう、付けている事すら忘れていた

最近気づいたんだ
少し右腕が軽くなっていることに
歩く度に右手が自由なことを
 ....
 風通し悪い部屋
 北窓の部屋

 たばこで煙ってる部屋
 ぼくが途方にくれてる部屋

 新しいベッドがきた
 寝心地はいい

 なんでも人や物のせいにすることは止めた
 時間をま ....
ときどき、
行方不明になりたくなる。

そうゆうときは
「あーーー行方くらましたい」
て、言ってみる。
言ってみるだけなの。
そんなの無理って、
逃げられないって、知ってるから言えるん ....
一.




おなじ速度で落下する
きみと
きみ
の 心中しようか


亡命 なら
考えたかもしれない




二.


きみに似ているもの
・深夜のガソ ....
暑くもない。寒くもない。
あの白い大きなユニフォーム
頭の中でいま揺れている。
ひらひら。ひらひら。

足の先の感覚はとうに痺れていて
遠くの空の青、仰ぎながら
わたしを見ていてと
た ....
子供が
消えて
雲と、雲以外のものの境界が
曖昧になってゆく
遠い飛行機の轟音と、鼓膜とが
混同されてゆく
昼なのか、それとも
冬なのか
子供は
過ぎる為に走るのだっ ....
近づいて そしていつも消えて


わかっていながら
誰もいない部屋で待っていた
いつまでも

窓はちゃんとある
カーテンは少し分厚い
少しだけ外の空気が流れてくる

訪ねて来てく ....
病名を告げられても
人は
案外冷静なもの

切り刻んでしまえばいいんだ
そんなものは

疑わしい
くぼみ

ことば

全部ぜんぶ

切って切って
切り苛んで
私が
 ....
結彩さんのおすすめリスト(79)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
インターネットの閉鎖性_2- いとう散文(批評 ...17+*06-8-7
インターネットの閉鎖性_1- いとう散文(批評 ...13*06-8-7
いつもそこに在るように- 松本 卓 ...自由詩5*06-7-14
仏様- ペポパン ...自由詩8*06-6-27
たなか屋の角- 佐野権太自由詩54*06-6-20
PAST_E_?- かぜきり自由詩206-6-9
夏至点- 落合朱美自由詩37*06-6-8
ゲコゲコ- かぜきり自由詩1*06-6-7
ジャメビュの朝- こしごえ自由詩22*06-6-7
誰かあの駒鳥を殺して- 朽木 裕自由詩3*06-6-6
マルチチュードの気まぐれ- 世界自由詩106-5-30
E_minor_7th(きざし)- 恋月 ぴ ...自由詩45*06-5-27
おっぱい- いとう未詩・独白906-5-16
午前三時の印象- 安部行人自由詩306-5-9
へのへのもへじに食べられる- けんご自由詩306-4-9
ロベルトは蜜柑のように。- 仲本いす ...自由詩11*06-3-10
ある告白- 銀猫自由詩13*06-1-19
彼女に充てる手紙- くしゃみ自由詩4*06-1-18
地下鉄の雨- 霜天自由詩406-1-17
たまご- たもつ自由詩1006-1-16
寒暖- 日朗歩野自由詩406-1-12
洗濯機- 日朗歩野自由詩206-1-12
理解- 海月自由詩5*06-1-11
ヘルプミーしてえなぁ- 炭本 樹 ...自由詩906-1-11
行方不明- まなみ自由詩6*06-1-10
断片集「連れていけない」- 簑田伶子自由詩20*05-12-6
中学生- かのこ自由詩405-12-2
設問ごっこ- A道化自由詩13*05-11-17
ドアを叩いて消える- 自由詩3*05-10-28
また明日- umineko自由詩4*05-10-27

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3