たくさんの花を枯らした
サボテンやアロエも枯らしたし
ケフィアやカスピ海ヨーグルトも駄目にした
それでも命は大切にしなければならないからと
小さな虫はその形や色が嫌いでも
なるべく殺さず ....
同じ仕組みで造られたからだで
まったくちがう考え方を持って生きて
だけどたった一つのイヴから分かち合った
細胞を寄せ合って眠るのだ

今から、地球の裏側にまで
君を迎えに行くよ

だか ....
 へそ

るふりんくるりんえいぱっぱヒョイ
おへそが二つになっちゃったよ
おなかにへそ
あたまにつむじ
とりかえたら頭ハゲ
腹ギャランドゥ


 プリン

プリンが稲妻に撃たれ ....
アネモネの恋の痛みが風に散り


着飾って並んで見てるチューリップ


蒲公英の綿毛に乗って空へ行こう


隠れてもわかっているよ沈丁花


青スミレ君に捧げるサムシング・ ....
?.

神経質そうに痩せた手を合わせて祈っている
ひざまずいて
教会の中 ステンドグラスを割ってこぼれる夕日に溶けそうな 
白金の髪

俺はその斜め後ろに座って
じっと ....
朝の窓へ起き上がればいつも
眠りと夢の、仄明るいマーブルが
窓形の光に飲み込まれて、消える
その途端、光の中を雨のように下降する黒髪と
閉じたまま濡れてゆく傘の内側のように黙った胸 ....
冬になったら
彼が凍ってしまって
まるきり目を覚まさなくなったもんだから
やさしく体を開いてあげたら
ふたつあるうちの腎臓の
ひとつが石化してしまっていた
両手で上手に取り出し ....


好きと嫌いが
ギアの上で揺れていました
わたしはちょっと迷いましたが
結局どちらとも決められないまま
右手で好きも嫌いも
すっかり覆い隠して
細心の注意を払い
 ....
ピンク通りにゴムホースの束
豚かと思った
人間の半身が転がってればいいのに

抱いてやる

「新宿は庭みたいなもんだ」と言った男が死んだので 
あたしはなんとしても新宿を庭にする

 ....
  

今日 

雪 

降って 

消えた




ことばは

とんと

降って 

こない







今日 雪 降って 消えました

 ....
混じり気のない東から
広い、まばゆい氷が溢れる
吸うわたしは、吐く
愛おしい、正しい、愛おしい、
ひゅう、ひゅう、
吸う、吐く、わたしは
空気にキスをしている
ああ、だからこの肺 ....
ちりとりの群れが
空を飛んで行く
南の方へと
渡る季節なのだ
僕らはその姿を見送り続けた
トリはトリでも飛べないトリは?
隣で君がつぶやく
答えなんて
いつか見つかる
くちびるの
置き場所を間違えた、夜明け
あなたへと無音で震える春が
無音で体温する春が
祈りを湿らせるので
耐え切れずに申し上げた春が
ぬくく、痛く、ここに
滲み始めるの ....
・・・・・・・を、回転・・・・・・・

回転しながらあああああああ、

                  オチテイッタ
                  オチテイッタ

さようなら、 ....
凍りかけてる湖水のほとりで
ゆらゆらゆれてるあれは何?

あれは仔牛の頭蓋骨
あれは仔牛の頭蓋骨

ポッカリ開いた眼窩から
無常があふれ出てゐます

冬冬冬冬(トウトウトウトウ)
 ....
毎週末、私は長期入院してゐる祖母を見舞ふ。
今朝の祖母は、あまり調子が良くない様子で、口数も少なかった。
私は、いつものやうに、ポータブルトイレの処理をしたり、入れ歯を磨いたり。

一通り世話 ....
おでんを
初めて食べたのは
あなたの家の
ばんごはん

半透明の大根に
皮のやわやわなちくわ
味のしみた卵
だしを二種類とるのがコツなのよ

あなたは言ったっけ ....
今日ミ○ドに行ったらサンタさんがぐったりした顔でコーヒーをすすってたので、
「お疲れ様でした」
って声かけたら、
「お前んち行ったのにおらんかった。なにしとったんや」
とふてくされた顔 ....
音も無く
特別な体温は過ぎ
今は、ここは
「ふゆ、」
という
息と


(さよなら、)
という
息と





ただの息
と化す。
 ....
きれいな心の人が書いた
きれいな詩は傷つく

死ななきゃいけないって言われてるみたい

あいしても
濁らないひとがいるのはなんでなの

何が違うの


心のきれいな人が作る詩
 ....
{引用=街}
街は
灰色にかじかんで
遠くを見る


{引用=鳥}
丹念に編み込まれた
木々のレエス
鳥が壊す


{引用=画廊}
画廊の扉は
今日も閉じられて
あの絵も ....
生きるのは/疲れましたと祖母が言う/空に刺さった冬の三日月

死にたいと/言えてしまう程わたしは自由/くたばることの出来ない自由

黄昏る/冬の寂しい路地裏に/孕んだ放火魔が火を産み落とす
 ....
いつの間にか逃げ出した猫を探して
全速力で駆け抜ける都会の中を
急カーブを曲がりきれずに
電信柱に突っ込んで息絶える

猫の手からは煙草がポトリと落ちて
約束を守れない運転手は死んだ
窓をひとつひとつ
捨てた
魚のうろこを剥ぐ時のような
つうっとした痛みも無く
部屋はほのかな幸せとともに
凪いだまま夕闇へと
進行していた
それから壁に
偽物の窓を描き
美し ....
夜明けである
ペーパーの山場を越えて
煙草を吸う
テレビは
エロDVDの通販番組
疲れた心を癒してくれる
モザイクの向こうのオッパイ
美しいツーケー
いいなぁ
いいなぁ
 ....
手と、手が
触れて
砂埃でかすれ切ったあらゆる地面が
夕刻へ
厳しげに交錯するあらゆる細枝が
夕刻へ
落書きごと枯れているベンチのあらゆる褐色が
夕刻へ
夕刻へ、と
 ....
錯綜している視神経の
からまりあった編み目の間に
ちいさい魚が
かかっている

つめたいつめで
そっとつまんで
涙腺の中へ
放してやろう
水草があれば尚いいが
涙腺の底には
 ....
夜の雨の
斜線、斜線、斜線、





秋の真昼の真下
やわらかい一続きのわたしの輪郭は
ある一続きの輪郭の生きていることを
やわらかく深く知ってしまった、そして ....

今宵もまた
お父さん
あなたは咳をしていますね

青い毛布をかけましょう
それはあなたの首元で
小さな海となるでしょう


お父さん
わたしは
あなた ....
つ…
つ…


湿潤を終えた葉の首の付け根を冷気が断ち切れば
涸れた維管束の行く先が、風とされる
そしてその葉の薄い鋭い赤い輪郭が今度は
冷気を切ってゆく
ああ、切 ....
かわさんのおすすめリスト(113)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- たもつ自由詩42*07-3-24
イヴ- かのこ未詩・独白207-3-24
放送の途中ですが若原光彦が壊れました- 若原光彦未詩・独白5*07-3-24
花日和- 未有花俳句15*07-3-14
祈れ- 水在らあ ...自由詩23*07-3-14
マーブルが、消える- A道化自由詩1407-3-12
彼の腎臓の秘密- 吉田ぐん ...自由詩1407-3-11
仕事の話- 吉田ぐん ...自由詩2507-3-11
東京- 山内緋呂 ...自由詩14*07-2-21
格子- AB(な ...自由詩1007-2-16
心呼吸- A道化自由詩1407-2-14
渡り- たもつ自由詩1307-2-10
種子の祈り- A道化自由詩1807-2-5
回転- ふるる自由詩8*07-1-29
湖水のほとり- 三州生桑未詩・独白5*07-1-28
祖母の肛門に指を突っ込んだ日- 三州生桑未詩・独白4*07-1-21
鍋の底- とうどう ...自由詩19*07-1-7
サンタさんだるそうでした- とうどう ...自由詩14*06-12-31
息の降る、- A道化自由詩1606-12-27
フェンス- とうどう ...自由詩13*06-12-17
冬の情景- ふるる自由詩28*06-12-5
考えるのは生死について、そればっかり- 吉田ぐん ...短歌2406-12-1
ポトリ- 虹村 凌自由詩4*06-11-30
戦火- たもつ自由詩1706-11-25
エクステンション- 虹村 凌自由詩5*06-11-23
恍惚願い- A道化自由詩1206-11-22
涙と魚の相関関係- 吉田ぐん ...自由詩1606-11-18
斜線時間- A道化自由詩1206-11-18
きえる—父へ、きれぎれに- 吉田ぐん ...未詩・独白1306-11-17
絶え間ない体- A道化自由詩1006-11-7

Home 次へ
1 2 3 4