{引用=バージェス化石群のうかぶ
地底の暗がりで
水晶の音を聞きながら
ねむっていた
あなたへ
拝啓}
東北本線の夜行便が
山沿いの陸橋をちいさくわたり
けわしく青らむ空の奥 ....
はぶらしをもってきて
といったはずなのに
あなたがもってきたのは
はらぶしだった
おなかにいるぶし
とてもちっちゃくて
おい、きたろう
とかんだかいこえをだした
はぶら ....
季節の名を呼ぶな。白紙のような、はじまりのような、実際にはでたらめの
地誌。そんな緯度にバビロンは無いぞ。想像上の怪物、あなた。私はすぐに忘
れてしまう、砂粒のようで、出かけようとしている、広が ....
遠い日の夜
私が目を覚ますと
家には誰もいませんでした。
このとき私のなかで青い虫が鳴きました。
(きいきい)
さらに遠いむかし
最後の氷河期が
始まろうとする夜
私は猿で ....
ぼくの後頭部、
ふたつに開き、
小さな観音様。
大きな観音様。
時折、扉をひらいては、
小さな観音様、
大きな観音様、
小さな観音様、
大きな、大きな観音様。
....
増長。骨はしなやかに伸びる。死者の生育。植物の骨は静かに断定されて、暮れゆく太陽と交差する。それが落日でなくてなんなのか? 疑問はメモに書いてある。
机の上には何度も画鋲で刺した跡がある。
....
にんげん
だけど
くだもの
にんげん
なのに
くだもの
せめて
くだものにんげん
とか
しょくぶつにんげんなら
まだしも
ざんねんながら
にんげんくだもの
ど ....
夕日が奏でるのは
次の世界へと わたり響く調べ
もろびとの想いは 影にひかれ
終わりの彩りへと 去ってゆく
しかし まだ
呼ぶ声がある
呼ぶ声がある
愁いと憧れに染まる ....
指先であそぶ旋律がピアノの鍵盤の上を流れて
部屋に溢れるやさしい音階のすきまに
天球図は青くひろがってゆく
東のかなたの
さそりの心臓は自ら発火し
そのきらめきは引き出しの奥で眠るルビー
....
今回は詩行に綺想を纏わせる一手段として、他国言語との結合を説明したいです。
主な効果は、言葉が多声的、多義的になり、それが一寸の目眩を誘います。
例1.「雨ed」 これは(雨)と大麻を意 ....