きみの睡眠の中を走る
列車の軋む音を聞くと
世界が本当に
平面であることがわかる
ぼくらは座席に並んで腰をかけ
お手製の弁当を食べる
屋根の瓦が一枚落ちかかっているのだ、と
きみはさっき ....
意地悪な神様をこの手で殴りたかった
でも彼は毎日お祈りお願いしているのだ
神様 どうか彼女を救って!
あたしは膝を見るしかない
拳を硬くしているしかない

彼はとても誠実な人間である
あ ....
色とりどりの花片の散り敷かれた舗道は
華やかな体面をたもちながら
苛立ちを隠しきれずに風を待つ

永遠に灰色であることはささやかな安穏
たとえ幾千もの足に踏み入られても

艶麗である ....
 朝から降ってる恵みの雨
 いつもなら気分が沈むはずなのに
 今日の雨はなんだか優しい

 高原に立って
 全身にこの雨を浴びていたい
 渇いた心を潤したいのだ

 スズメが雨の中
 ....
1.

手紙は書きかけのままテーブルの上で黴びてゆく。
青黴、赤黴、黴の色ってそんなに単純だったかしら。
ふくりと黴が起きあがる、
まき散らされる胞子は常に薄い紫で、
私の部屋はすっかり煙 ....
静寂の水面に一石を投ずれば
波紋がゆらり、影が波立つ
月もまた冷ややかな横顔を
一層歪めて泣き笑いする

この橋の名を面影橋と人は呼ぶ
月明かりの下で我が影を
水面に映せば見えるとい ....
僕の足がどこにも
繋がっていないことを知って
僕はもう地上にいるのをやめた


最初は虹色の太陽の近くで
出鱈目な言葉で歌を歌ってみた

歌は散り散りに流れて
僕の中から出鱈目な言葉 ....
歌舞伎役者は
立っているだけで美しい
その凛とした立ち姿は
長い鍛錬の賜物だ

私の言葉よ
おまえは立っているか?
インターネットの言葉の荒野で
おまえは立っているか?  ....
伊藤透雪さんのおすすめリスト(280)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
寝返り- たもつ自由詩2106-5-19
輝く彼と不倫をしている- 春日響自由詩206-5-14
花散る里- 落合朱美自由詩15*06-5-14
雨音の調べ- 山崎 風 ...自由詩5*06-5-13
姿見のうしろの物語- 佐々宝砂自由詩12*06-5-13
面影橋- 落合朱美自由詩31*06-5-10
群青- 松本 涼自由詩4*06-5-7
詩論以前- 佐々宝砂自由詩12+*06-5-5

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