雨戸を開けたら
夜の一過性の麻酔が
今は静かに窓に張り付き
単なる水気となっていた
その硝子面を、つつ、と指で擦り取り
そこを覗けば、山茶花の
一塊の色彩の首だ
....
低いオクターブで
朝を告げながら
高いところを
水が流れている
知らないあいだに またひとつ
季節をまたいでしまった
雲と空に距離が生じてゆく
そのすきまを
縫いながら、通過す ....
改札口にて
お待ち申し上げております
行き先を
詮索したりはいたしません
どうぞ
ご安心を
あなたがここを
通過してゆく事実のみ
確かめさせて頂きたいのです ....
暁 朝の月
陽に向かう月の弦 黄楊櫛を思う
天の櫛でこの黒髪くしけずり
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥されば、
煌の耀き わたしも得られるでしょうか
秘めようか告げようか惑い惑うわたしの想い
煌 ....