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隣のカオリさんが
きりのない話をする
相手はうちの妻で
僕はこれみよがしに
ほなまた回覧板を渡すのだが
分厚い彼女達の図鑑に
埋もれてしまう
らしい
おはようはいつも新しく
....
県庁跡の建物の中で期待もなく調べ物にとり
かかり、時間を待って香林坊に出る。そこは
ほんのひとにぎりの銀座で、渋谷で、新宿で
もあり池袋の匂いを探して片町に流れる。ス
クランブル交差点では ....
夜の空に生きる意味を問うた処で
答えが返ってくる訳でも無いので
最近は夜の空を見つめる事が無くなった
惚れた女がいるからっつったって
そいつは彼氏いるんだし俺は溜まる一方なので
最近は詩 ....
薄くなってきたと言われないよう葉っぱを増やす
本気で光合成にチャレンジする
見つめられても赤くならない
暖かくなるまで耐える
3センチくらい伸びる
病気を治す
仲間 ....
ロックなポスターを剥がして花の絵を飾ったら
深窓の令嬢になれるかしら と考えているタバコ屋の看板娘
小さなガラス窓の奥に座る姿は ある意味「深窓の令嬢」?
ホッとひと息 サンタク ....
現実が輪郭を失って虚無へと形を変えた日に
雪が降った
大急ぎで明日に向かわなければ
冷たさを伴った足音が
少しずつ体から色を奪っていく
「色づきすぎた僕らはいらない」
そう ....
「ことば」が足りない
そう思ったので
「ことば」を
さがしにいきました
小鳥にききました
「小鳥さん小鳥さん
ことばはどこにありますか」
小鳥はすこしうたうと
どこかへ
....
ふるさとはとても寒くて、ちょっと雪だって積もっていて、吐く息がとても遠くまで届くのでマウスケアってやっぱ大事だよねって気付かせてくれるそんな場所。
山はすっかり削られて白っぽいコンクリートの幾何 ....
男が一人
過去を闇に弔うように燃やしてる
空からは舞い落ちる人々
幸せは降ってはこないけれど
昨日、私は死にました
たった20余年の短い人生
明日からは新しい名前で生きていこうと思いま ....
永劫の深淵を覗く
少年時代の自分を
背後から
突き落としたい衝動に
襲われて
気がつけば朝日で
目が覚める
用も無く
高層ビルの上空から
地面を眺めよう
すれば
黒蟻が蠢き
....
机に
貴方の名前
書いた
消しゴムに
貴方の名前
書いた
自由帳に
100回
名前
書いた
ふれた
あなたの陰に
そっと
....
ふゆの ひくくひろがるそらをみて、
きみは
きれいだね
といった。
ぼくは きみのよこがおをみて、
....
わたしは揺られてゆくのです
暖房で濁った、暖かい空気に包まれて
わたしはゆくのです
赤い列車はわたしの知らない幾人を乗せて
ここよりまだ寒い明日の方角へ向 ....
「 」が欲しい
「 」がすべてだ
あぁ 僕には
「 」が足りない
もっともっと
「 」で埋め尽くされたい
でも
「 」って何だろう
しばらく考えて
....
おれの言葉には
乾いた冬の浜を
指す松の葉の固い鋭さがない
防砂林の激しい
潮風揺れ
ふうらり歩く
めまい
えんぴつを
尖らせた
紙に刺した
的に突き刺す
激 ....
ひこなに よいごと
つつぬく かきもや
ちよやに くれとく
わきふす みやむめ
ひにすく ゆきやけ
うつるて はうつめ
シビレエイに
さわったことはない
海のふくらむ昨日
しらないことは
ありすぎる
とおりすぎても
とおりすぎても
新しい
料理を注文する君の声が
空気の振動のような透明さで店内に響く
放っておくと月明かりしか入ってきませんから
と、ウェイターがカーテンを閉めていく
中央のテーブルでは座高の高い男が
大声でメ ....
ビターチョコレートが美味い。ミルクチョコレートも美味い。
ホワイトチョコレートも美味い。チョコレートは美味い。
しかし寿司も美味いんだ。ねぎとろ美味いんだ好きなんだ。
あー。あした天気に、あした ....
時は風を越えて
嘶く鳥の藻屑を溶かす
はじめて母が「アボジ」「オモニ」と言った今日
はじめて母が自分の言葉に朝鮮を滲ませた
思えば母の話す言葉に朝鮮語はなく
日本の中で生きてきた自分 ....
君色に染まりたくて
カメレオンになったのに
とんだ予想違い
そこかしこの風景に同化して
君はちっとも見つけてくれない
沈んだ青色にうつむいた少年の
細い首のあたりに
ただようものを
いつ なくしたでしょうか
しわしわと苦い茶色に刻み込まれた
けわしい老人の顔が
鏡に写り始めてい ....
雨が降「る」
12時をまわるたび
今日が終わって昨日になって
明日が今日になって
昨日は一昨日になって
年をとって
少し後悔して少し大人の振りして
同じ失敗を繰り返して
二度としないと ....
僕はブーメランを期待して
君にくさいセリフを言ったのだけど
ちっとも返事が返ってこない
心配して見に行ったら
しまった
君はイチコロでまいっていたらしい
あけられぬ いえのまどには うつうつと えのぐなすられ おびえたかおが
かなしみの きえるせつなに くるものは けされることを こばむだろうか
ささのはの しゅるしゅるとなり すずめらは せまき ....
振り子時計をながめていたら
暗示にかかってしまった
コチコチと刻まれて
時の砂ほどになって
それをライターであぶって
思い出が浮かびます
ひとつ
またひとつと
燃え尽きてゆ ....
よるのおそら くらいのは
みんな ゆめをみやすいように
おつきさま あかるいのは
みんな みちにまよわないように
こわいゆめ みるようになったのは
まちが ほしよりも あかるいか ....
秋の詩と
冬の詩を集めて
詩集を作る
何故だろう
思っていたより
暖かい
雪が
自由にしてくれると言うの
で歩き出すと
なみだが
サクサク落ち
みみやはながぼとぼと落ち
ゆびなどもぽろぽろぽろぽろ落ちて
振り返ると
うでもあしも全部
....
夜
JR京都駅を出て京都タワーを見ると
不思議と
僕は中学のころを思い出す
修学旅行で歩く京都は
当時の僕にとっては
ただの都会でしかなかった
嵐山・新京極で
外人が売る
謎のア ....
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