ぷあるちゃあ
靖一郎がどう考えても判らんという。
そこで城狐が使いに来たと山田さんが言うので、画商の話。
ある男が可哀相な話をというが、僕は聞いてみた。
シャルダンでは時代が違うし ....
くちびくろさんぼ
銀星を憎む製図コンパスについ
た小さい鉛筆のぼくだ
おっかけこする心臓がつぶれそ
うなくちびくろさんぼのぼくだ
くるくるまわるタイガーの春だ
空から桜が散るよ叶わない ....
神経質な夜に
まじないではなく
欲しいものは
精神安定剤と
ただ話を聞いてくれる人と
主の祈りと
虹の記憶と
腹をかかえて笑うカエルと
あの人のやさしさと
壮大なうねりの如き黒潮と
....
ぐらりと目が回り
ぼんやりとしゃがむ
誰も見ていない場所で
アスファルト道路は何回も塗り直されて
ガタガタ
風はひんやりと涼しく
音のしない住宅が立ち並ぶ
遠くで轟音のような車の音がする ....
水曜日の唄
色とりどりのビーダマが
ぱらぱらと
空からガラスの水曜日
みんみんぜみのたましいが
ころころと
みんな飴玉水曜日
とんぼが落としたサングラス
きらきらと ....
私の潤みが見上げたら
あなたの潤みが見下ろして
液体・固体間で混乱してしまいますので
固体であることを確かめるには
錯誤の原因に満ちた視界を 失くすことです
そうして 固体ふ ....
はりついたちりぢれの
鱗のようなゆううつを以ち
こうして居る君は
見るもの全ての目に留まり
詩のように据える
それを誰もが秋だと覚え
ひとつの忘却にあてがい
それぞれの食卓に眺 ....
蛍村の事
夜の湿ったシーツ
燐寸を点ければ
一寸先の闇の中の奥まった処に山があり、野があり、兎に小川、優しい鬼たちの里がある
何故帰って来たのかと ....
こんとらすと
ぼくは地中海へカチカチと音を立ててオナニーをすると
たんぽぽの白い種がの群青の奥深くきもちよく吸われていく
よ
どこまでも透明な青磁 ....
暗雲が 死んだ
雨が 遊女だ
な
なな 男よ
暗雲を 如来に
弔えさせろ
骨が 浮かんでいる
あ
ああ
骨が ふってくるのか
暗雲よ 生きたまま
未来は 明るい
....
私の中のあなたとあなたのなかの私がこの世界でばったりぶつかり入れ替わったのだから
わたしはわたしを以て
いかなる孤独にも戦利し
平伏する憤怒と哀憫を両肩に掛け
凱旋する兵士のごとく
絶望に満ち
絶望にひろがり
靴は鉛のように重く
ポシェット ....
おれの名はマイティ・ボン・ジャック
マイティ で
そして ボン で
おまけに ジャック
だから マイティ・ボン・ジャック
できの悪い兄貴たちの
屍踏み越えて行くのさ
マイティ っ ....
午後十字に花枯letter
リリー (腐乱したレイニーの霊に)
僕ら水銀体温計で空を飛ぶ
糖分過剰のアスピリンの月の雫を
静かに明日のカップに受けて
リリー (灰も蝋も凪 ....
こんにちは ぼく一般大衆
でも体臭は一般人じゃない
シューシューシュー がぼくらのあいさつ
シュー マッハで!美麗にすり抜けるシケイン
いつでもどこでも年がら年中消臭活動に余念がない
....
私がいつか生きることをやめるときもしくは
やめなければならなくなったとき
何を後悔し
誰に懺悔するのかということ
今
知っておくべきことは
不穏であると兄がいい
私はいつか私に楽 ....
だれも起きていないリビング
ガラス戸の光
外の空気
となりの墓地から
鉦の音が聞こえてきます
いぬがしんで
しずかです
百科事典をひらきます
わたしもいつ ....
皿の上には
肉じゃが
ほうれん草の白和え
和風ハンバーグ
みかんゼリー
今日の昼食
いただきますが待ちきれない
食事前の体操なんかクソくらえ
前掛けをつけて
食べる
....
空腹だけは真実だ
R246、クラウンのシートにてやや傾く
高架下の信号待ちでスパイラルカフェの
ランチについて考えている
急発進がサイドブレーキを促す
再び加速
する、欲 ....
赤いか傘さして
河原に行こう
なんにもみないで
うずくもっていよう
流れてくるものが
カバンでもだまっていよう
流れてくるものが惑星でも
だまっていよ ....
クッキーは必ず焦げる運命にある
物理学者はそう言うと、私の胸元を開いた
その数秒が要因だ
窓辺の水槽の
全く意味の無い構造をして
浮かぶ魚
あれも ....
愚かにも駅の天井を何故
消化器官に似せてしまったのでしょう
そこでは、羽音震わす蛍光灯
その仄青い痙攣から逃れ切れず
静かに分裂した影の群れが
仄青く集う硝子、地下鉄のドア
....
紹興酒どうしようもない日記をつけてガーナ行きというかトンデミーナを詮索および検索のトンガ人が短冊に書くマジックワードセルライト完全燃焼宣言イン西アジア警報発令直ちに避難勧告が韓国から観測纏足中国だそれ ....
夢の中で道に迷うと目覚めなくなるって本当?
って彼女が訊くので
ルルルと笑ってごまかした
蓋し彼女の顔に見覚えがあるのは確かだ
しかし果たしてそれが
そうです
シスチンとシスチ ....
トン、と降り立ち
やや振り返ると
縁側に腰掛けた私は小さく笑っている
あ、その儘で
軒下で傘が鳴る音
誰か、いたのだろうか、
少女の死はあまりに退屈で ....
繁殖するキウイの輪切り
あなた 傍で眺めていて
色づいていく
街の中はロマンスであふれていて
すっぱいね
味なんてしなかったけど
そう言ってみて
お互い確認しあって、噛み ....