にんげんじゃないと
はじめから言っていたのに
その声のトーンは
どこか戦っていた
背中のチャックは
都市のざわめきにまぎれながら
幾度となく
重力を裏切った
宙に浮かぶ輪郭は
....
横から見た姿が
千葉のかたち
けして犬ではなく
赤い皮膚を着せられている
ぼくの足は
館山を歩き
鼻先で野田を指し
おしりで鴨川の波を撫でる
だれかの手のなかで
ゆるやかに笑 ....
角度に実直に
ながれる水
起伏に忠実に
うねる水
感情に従順に
あふれる水
代謝に一途に
したたる水
速さを競って
にごる水
優しさに慣れて
とどこおる水
正しさを嫌っ ....
今日も、毒をあおって死んでいく
馬鹿者が愚か者が、己の本当の自分、識らず
まんまのまんまでいつしか瞑目眼前に光り輝く
黄金色の一筋また一筋、光帯の谷間から射し込み
一気に伸び拡がる 次第に赤々 ....
挨拶しても
返事はない
吹き出しに
見えている
心の声だけ
饒舌なんだ
好き嫌いで
仕事が滞る
そんな感情
無駄な時間
仕事効率化
できないよ
怒る気にも
なれないよ ....
僕の心を
ジュースにしたら
きっと
とても酸っぱくて
ドロドロで
不味いのだろう
三ツ矢サイダーのように
なりたいと
言っていたら
世の中には
僕に砂糖や炭酸を
入れてくれる ....
指を鳴らして
僕の
病気が
網ザルで
こす
ように
体と
心から
出ていったら
いいのに
指を鳴らして
君の
過小評価された
悩みが
風船
のように
飛んでいって
....
息を吸う
息を吐く
息を吸って
息を吐いて
吸って、吐いて
息を繰り返す
生きる事は
息ること
これまでにない驚きを
斬新で念願の驚きを
どうか私に与えてください
オリジナルのデザインを
よくみてよ、って顔で
どうか私にみせつけてください
あなたの感性が好きだか ....
小さな体で
寄り添うあなたは
光を集めて 深呼吸する
まだ見えていないものたち
内から溢れるまなざしで 弾けながら
湿った広大なスクリーンは
なんとか 機微(オーロラ)を生みだそ ....
今日を頑張って生きたら
明日も頑張らなくちゃいけない
生き方をまちがえた
自由に生きればよかった
明日も自由でいられる
ハンノキハムシ、
小豆大ほどの、ちいさな黒い甲が秘めた、
爽やかな初夏の訪れを告げる、
まるで宝石質のように美しい、その青びかり、
葉を噛んでゆく、作業を放って、
框ドアのアルミのサッシを、 ....
イヤなこともあったけど
うれしいこともあった
楽しいこともあった
いつもより遅くなった帰り道
月がきれいに浮かんでた
炭酸みたいにアオハルは
は ....
何もない部屋で羽ばたいた
黒い蝶が頭に刺さった
白い壁の中で探した
君の声が聞こえた
実在のない声が
ぼくの頭の中で聞こえた
壁の中に閉じ込められた
君の体はきっと溶けていった
....
昨夜観た
別れ人の
私の眠る
寝床に
ま直ぐ座る
マボロシの
余りの厚み、
声音の感触、
やはらかく
あたたかく
寄り添い続け
恐れることも無く
只々お前なのか
ほんとうにと ....
傷ついた時のための防護服を
何円でも買っていた時に比べたら
今は少し生きやすくなった
戦地にいるような形相の時に比べたら
今は少し安全な場所に来れた
幸せになりたいと今でも思ってしま ....
月のない夜に
小さな罪を 沢山着飾って
玉虫色の日傘を くるくる回して
ビルの屋上から 君は
ふわりふわり と降りてくるのだ
お嬢さん、御機いかが?
と、声をかければ 嬉しそうな顔で
....
言葉にすると消えるもの
願って叶うと失せるもの
愛とか夢とかそんなもの
そんなものさ、そんなもの
曖昧な定義で居させてくれ
輪郭を与えないでくれ
見え透いた嘘で満た ....
誰かにとっての嫌いな詩と
自分にとっての好きな詩が
同じだった時
争いの種になり得るのだろう
誰かにとっても
自分にとっても
感動に殴られた時
共感の種になるのだろう
生きてい ....
蜜でびしょびしょのパンケーキ。
明るい白いお皿。
切り分けられる直前の幸福。
あなたの精神には美しい余白があって、
私たちはよくそこで落ち合った。
夕暮れどき、影になっていく街を ....
都会にポッカリと空き地
照らすのは日の出から
カンカンぎりぎりと草原に
射し込めてこの爽やかさ
今日という日の 日日草
翳りだけ待たされて
鼻先につん!とくる
風は明日を感じさせない ....
今日も夜風に
生きたことを感じる時
どこにいったのだろう あの日
履いた靴は
誰かが座っていたベンチ
光る スマホに
思い出の光景がよぎる風景
人と コンビニと
車だけの街
鯉が 川 ....
ありったけの想いを
一つのスケッチブックに描いたんだ
丸い月とウサギと
笑う君と僕の刹那
流行りの曲のYouTube
ひねくれてて聴けない
自分で作った歌ばかり聴いてた
君は僕の歌に ....
SNSでの投稿(SNSでなくてもいいのだが)
などで特に嫌だなと感じる傾向のあるものに
対して何故嫌なのか考える
嫌だと感じるものと嫌だと感じないものの
言ってる内容が同じだったりする事もある ....
炬燵出す心のどこか片隅に
あたらしいバイクの走る冬の街
猫座る手編みのかごのお正月
クロネコのトラック明日はクリスマス
偶然を必然としてポインセチア
冬鳥の鳴く樹 ....
妄想と現実の境目が分からなくなる
幻聴の最中
背中を叩いて話しかけてくれれば
誰だか分かるのに
初めからこうだったみたいに
自分に取り憑いた亡霊のように
肩が重い
頭が重い
そして ....
生き切ったら
わりかし楽に死ねるやも
枯葉のぽとりと落ちるような
君、今、新芽でしょ
楽じゃないからおやめなさい
あの木は
ただの木だが
学者が見れば
情報の宝庫だ
....
対岸に住むひとのことは気にしない
すべてを受け入れてもべつにいいけど
計画が狂ってしまった神さまなんかの
おだてに乗る気はさらさらないね
野菜や果物をいっぱい摂ろう
朝に大 ....
いい加減な僕が言ってやる
ろくでなしの僕が言ってやる
ブルーハーツみたいにさ
生きてることが素晴らしい
書く事は簡単で
何の責任もとれないけど ....
日々ひび割れていく
成長痛と共に
涙が滲んでも
それが養分となって
伸びて
またひび割れて
生きていくって
瀕死の状態
地獄に思えるのは
頭の中のせいなのかな
ひび割れないように
....
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