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大地にはリンドウ
世界は秋の花と風
美というよりも心
木には{ルビ蜩=ひぐらし}
世界は秋の声と風
音というよりも歌
空にはいわし雲
世界は秋の光と風
量というよりも質
....
小さな窓に流れ来る
微かな風の匂う秋
去りゆく時の寂しさか
訪れ{ルビ来=きた}るうれしさか
僅かばかりの部屋の中
大きな空に染まりゆく
彩る色の魅せる秋
どこから{ルビ来=きた}る ....
ここ最近夕方になると
白い雲は赤シャツを着て
どこかへと出かけてゆく
トンボが追いかけてみたけれど
地平線までが限界だった
彼はどこへ行くのだろう
お洒落な自分を
誰かに見せ ....
空に連なる白い花々が
青い大河に咲き誇り
そっと揺れはじめ
新しい季節が
空から舞い降りてくる
ふうと風が吹くたびに
花はなびき
ふと手に届くのかと想う
我に返れば
その飾ら ....
空が大きいこの町で
小さな命が生きている
一つ一つは小さいけれど
空に負けないくらい純粋で
大きな意味を持っている
空が大きいこの町で
小さな命が笑っている
一つ一つは小さいけれど
....
辛く悲しい時もあり
楽しく笑う時もある
変わる気持ちの一日は
時を過ごした有である
切なく想う時もあり
ときめき踊る時もある
移る気持ちの一日は
時を味わう実でもある
遠く離れ ....
人が創る地獄絵は
恐怖と醜さが鮮明で
人が想う天国は
幸福と美しさが不透明
人の批判は瞬時に知れ渡り
功績はすぐに消えてゆく
否定することはたやすい
ひとたび否定の沼に溺れれば
....
未来は雷雨とともに降ってきた
次から次へと
激しく地上に落ちてくる未来
あるものは大地に地響きを唸らせ
あるものは風に吹かれ
ゆらゆらと漂いながら
音もなく落ち
誰にも気づかれないま ....
朝から風鈴が鳴るも
どこか寂しげなその音は
いつもよりも小さく
張りがなく聞こえる
昼にはセミも鳴くも
何か物足りないその声は
いつもよりも遠く
弱ったように感じる
夕方のテレ ....
畑の真ん中から
どっしりと重い夏をもいで
両手で抱えた
なんだか地球を抱えている
そんな気がした
畑の真ん中から
重い夏を汗を流しながら運んで
丸い大きな宇宙の中にそっと入れた
....
ひっそりとした山の中に
一筋の銀色の水が
きらきらと輝きを放ちながら
そばに開く大きな葉に
花を咲かせるように
静かに脈をうつ
時折り光が流れの中で止まり
うたかたとともに消えてゆく ....
暑き夏歌を詠もうと外出れば
流れる汗に言葉は止まる
詩を放棄しなくてはならないほど
言葉が出せない
頭の中で淡く思いつく言葉たちは
ペンに伝わるまでに溶けてしまう
それは熱した ....
平和は考える前に
願うことから始まる
一人一人の願いが集まり
それが社会となることを
みんなが願う
歴史はその願いを
裏切ってきたのかもしれない
けれども
これからの未来には
....
生きるものにとって
その生の躍動が大きく羽ばたく頃
森の中にそっと足を踏み入れる
静かな朝
光が遮られた場所には
シダの葉が青々と続き
時よりの木漏れ日は
地面の土を黒々と照らす
....
嵐の去った夏の空は
純粋な空が広がり
地上には青い風が流れる
暑い気温でも空を見れば涼しい
雨の通った夏の道は
透明な雫が続き
地上には青い風が流れる
汗が落ちても雫を見れば清々しい ....
移りゆく時代の中で
本当のものを求め
素直に喜びたい
世の中に生きていることを
流れゆく時間の中で
今そのものを求め
正直に感じたい
時の中で生きていることを
巡りゆく季節の中 ....
夢から覚めたその朝は
どんな夢を見たのか
覚えてないけれど
どこかにまだその夢が
自分の中にそっとある
きっと安らぎのある
やさしい夢だったに違いない
夢と朝のつながりが
頭の中と ....
季節を感じるその朝は
高く射しこむ光を返し
満ち溢れるまぶしさに
心湧く世界を誘う
茎は陽の角度に合わせ
その高さは届くように
葉は大きく広げ
近くに住む虫たちに
憩いの場を与える ....
その日
美しいものに出会えたのなら
喜びの音が聴こえてくる
その日
楽しいことに出会えたのなら
温もりの音が聴こえてくる
その日
大切な人に出会えたのなら
幸せの音が聴こえてく ....
白いノートに綴られて
想いを馳せる言の葉に
緑の草も踊りだし
涼しい風が身を結ぶ
心は文字に改まり
文字は心と伝えあう
赤い夕陽に染められて
夢を奏でる音の葉に
青い小鳥も歌い ....
夏の朝
どこへというわけでもなく
外を歩いてみる
出会う小川のせせらぎが
さら
さら
さら
さら
さら
流れ流れてゆく
その川を見守る ....
世の中には
味を感じさせない味
があるという
甘さを感じさせない甘さ
苦味を感じさせない苦味
人はそれを
かくし味という
同じ料理であっても
どこかが違う
何かが違う
どこかや ....
ぼくは詩人
季節の思い出は
大きなものよりも
小さいことの方が
存在として大きい
今日もまた
夜の散歩をしていると
花火に出会いました
夜の空に咲く大輪の花が
その一 ....
朝露が風に吹かれて踊りだし
その銀の光が草原を舞う
すべてが溶けてゆく
やわらかい朝
道を進めば
梢に止まる小鳥たちが
歌でぼくを迎え
自然の中とともに
あるべき姿の自分に気がつく ....
やわらかい風の音に誘われ
仰ぎ見る雲の白さに時を想う
軽やかに歩く子どもにすれちがい
友に会い喜ぶ顔に人を想う
さわやかな小鳥の声に耳を傾け
朝に咲く花の白さに生を想う
滑らかに下る車 ....
ぼくは詩人
何が正しくて
正しくないのかは
それが継続できるか
できないかである
今日もまた
夜の散歩をしていると
継続の詩に出会いました
初めは誰もがそれを
奇異に ....
ぼくは詩を書きたい
はかなく終える命だからこそ
人は支え喜び愛しみあう
今日もまた
朝の散歩をしていると
命の詩に出会いました
清らな川のせせらぎに
流れる時を浮かべつつ ....
ぼくは詩人
必要なものは言葉になるも
言葉を超える心があるからこそ
必要なのである
今日もまた
夜の散歩をしていると
手紙に出会いました
あなたは人を悲しませ、
人から ....
ぼくは詩人
時は動き
明日へ未来へ
つねに今は変わる
今日もまた
夜の散歩をしていると
時の動きに出会いました
ようやく雨が上がった夜
湿り気を多く含んだ空気が
肌寒 ....
ぼくは詩を書きたい
雨に打たれるも
風に吹かれるも
晴れた心には関係がない
今日もまた
朝の散歩をしていると
心の傘に出会いました
雨降る道の咲く花に
打たれて忍ぶ意地 ....
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