白い折り紙
茶色や灰色を裏側にして
折って畳んで持ちあげたら

イノシシの肩甲骨に
トンビの翼に
エゾジカの硬い角になって

歩く
駆ける
羽ばたく

私の手の平に包まれて
 ....
言葉なんていくらでも捨ててやる

そういうとあなたはノートの中に隠れたのよ

皮を剥ぎ取る山が熱波に燃える

吸盤の取れた水蛸はエイの群れにすがる

アンチエイジングだと彼女は言い ....
 雨雲の 垂れる夜にした恋だったから
 跳ね上がることもしらなかった
 若い胸
 月日がたって
 ゆれ動いた女の性の激しさは消えた

 雨の跡を縫いながら
 古い み寺を歩くと
  ....
食べたもので人の身体は出来ています。
そんなことはいちいち考えずに
その日の風まかせで
献立を決めてきた

心は何で出来ているんだろう

手元が狂うのは永遠の一瞬
包丁の刃で切り落とし ....
ゆるゆるとながれている
今もながれつづけている時間を
ふいにとめた とある春の庭がふたつ
となりあっている
ひとつは住人によってよく手入れされていて
赤いチューリップが笑い
黄色のパンジー ....
1平米714万円付近の幹線道路を
100万円から2千万円がスムーズに流れる、
たまに赤い3億円が走ったりもした
君は頭から足の爪先までが7万円だった

下着はたぶん8千円くらいと思う
カフ ....
あの子の声が
いかりみたいに心に刺さって
ゆらゆら
くらげみたいに流されて
泣きっ面に満月
私の脚はどこに

輝けたらと星を見上げ
心が波間に冷やされていく
悪く言ってやったわ
あ ....
隣りの海で 鯨が髭を磨いてる

海老が抜けない
ささらに破れた尾びれを揺らし
海老が抜けないのです、と

わたしも歯茎を押しひろげ
まぶされた砂をはらい

やせた少年がくらりと傾いて ....
道路に落ちて
雨に濡れた紙飛行機は
どうしようもなくみっともなくて
翼に乗せていたはずの夢は
タイヤの模様に変わっている
行き交う車に踏まれて
アルミニウムの円盤になった
一円玉が隣でし ....
ある日、あなたの背中に
窓があるのを見つけた
開けてみると
普通に外の景色があった
眩しければ鳥になるといいよ
とあなたが言うので
わたしは鳥になって
空へと飛びたつしかなかった ....
一日一度静かに燃える家があり
今まさに燃えさかっている
そしてその近くの電線に
数羽の小鳥が舞い降りた
いつぞやのにぎやかさはどこへやら
今日の電線の音符は歯が抜けた様相
それでも音符たち ....
みんな 考えることが
おっくうに なったので
頭を はずして
かわりに 肩の上に
鳥籠をのっけて 歩いてた
鞄を抱えた 背広姿の人も
バス停でバスを待つ 女の人も
みんな 肩から上は ....
宙に浮かんだ多面体の器を
銀河の零した蒸留水が満たしている
捧げる願いは光線となり壁面を通過する
その中で胎児のようにうずくまり
あらゆる業と宿命を反芻したかった

見上げる夜空に散らばる ....
カップがソラだとしたら
コーヒーが注がれて
夜が来る

苦い夜がニガテであれば
ひとすじのミルクが注がれる
銀の匙は使わない
やがて白い雲は 時間に溶けてゆく 

どこかに月が隠れて ....
中沢人鳥さんのおすすめリスト(14)
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