にんげんじゃないと
はじめから言っていたのに
その声のトーンは
どこか戦っていた
背中のチャックは
都市のざわめきにまぎれながら
幾度となく
重力を裏切った
宙に浮かぶ輪郭は
....
唐突に自分語りさせていただきますね。
むかしむかし、なぜだか知らないけれど文学極道っていうところで新人賞もらったんですよ。
それに初投稿から文学極道が終わるまでのあいだ、詩作から離れた期 ....
もう二十年近く
髪はショートヘア
気に入ってしている
昨日 少し伸びた部分を
自分で切って切り過ぎて
朝から鏡を見て見て溜息
越して間もないので
挨拶しか ....
いい加減な僕が言ってやる
ろくでなしの僕が言ってやる
ブルーハーツみたいにさ
生きてることが素晴らしい
書く事は簡単で
何の責任もとれないけど ....
今となっては、この国の中心にある石像も
遠い昔は小さな村であったらしい
石像には、伝説が添えられている
小さな村に予言者が訪れた
そして、一枚の絵を描き上げ
この ....
{引用=これによってその町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を乱されたからである。主はそこから彼らを全地のおもてに散らされた。(「創世記」第11章第9節)}
その昔
僕たちは ....
日々洪水
あれから何度も間違えて
わたしは今も渇いています
第一章 名辞以前の世界──芸術が始まる場所
中原中也が『芸術論覚え書』で語る「芸術」とは、"名辞以前の世界を生きる行為"のことである。例えば、すでに命名された「手」ではなく ....
この痛みは
この苦しみは
いつ終わるのだろうか
どんな心に沁みる音楽も
僕の為だけにあるわけではなかった
もうどんな言葉も
僕の心を救うには無意味であった
僕は世界でただ一人、一 ....
南の祖母は
星の名を教えてくれた
できの悪い生徒である私は
星の名をときどきまちがえた
そのたびに
牛乳をいれたコップが割れたり
黒猫が尿路結石になったり
母の眼鏡が折れたり
祖母は言 ....
寒くない朝久しぶり君と会う
空港の本屋でファイブスター物語を買って
エスカレータを降りる
甘いホットチョコレートを飲みながら
雨に濡れる機体を眺める
カップを捨てるついでにストレッチして
夢中になっても気付けるよう ....
おはようと爽やかな声
振り返るとクラスのマドンナ
それだけでちょっといいこと
いいことは探しちゃだめ
無造作に落ちているわけじゃない
常日頃のちょっとした ....
ただ広いだけの野に立たされて
私たちは呆然としている
野は広いだけで
本当に何もない
こんな場所で
何も持たされずに
何の約束もないままで
いったいどうしろと言うのだろう
私たちの戸惑 ....
あなたはくちびるを固くとじて
わたしは
かみなりをきいていた
無人でない駅のひとごみ
ベンチに残る
前のひとの温度
夏 情欲とみまがうほど
はげしい雨が降って
わたしは乱雑な鞄のな ....