薄紅葉家の庭にもあったっけな
惚けてはうつつに帰る秋の昼
母の味欠けていたのは椎茸や
そぞろ寒戸外に出るも少し震え
果てしない夜中にまんじりともせず目覚め
秋の朝見上げる ....
ゆっくり立ち上がりながら
色彩の溶解、広がる波紋
静かさ 脈打ち
輪郭 保たれ
合一する、
ゆっくり燃え尽きながら
聖なる宇宙に、
荒ぶる風吹き。
熱いよ、肉体
熱 私を支え
ロック鼓動、
意識クリア
残された時にて覚醒しろ
努めて
意味という言語、
越え抉り
今宵月明かり鮮やか
躍る魂
ジャイアントコーン
噛み砕き ....
カッパ
舟にのって
旅にでた
カッパ
舟にのって
海にでた
カッパよ
カッパよ
それは塩水ですよ
カッパよ
カッパよ
そんなに楽しそうに
ひょうたん
ひょうた ....
哀しみの刻印、
誰の声?
夢見がちに
辿る旋律、
病んだ苦痛の
肉の彼方の故郷
覚醒しながら
意識保ちながら
垂直の次元に
泳ぎ出す
溢れ出る力、
制御し
刻印され ....
圧倒的な晴天に
階段を
上る
ぐんぐんぐんぐん登る
どこまでもどこまでも昇る
すると、
涼やかな風に舞い
純白透明な綿毛
無数、数知れず
飛び交って来る
階段の頂き ....
雲一つ、
火星輝き
灯る家
沈黙の轟音に
旋回する銀河
深まる夜闇に
夢みがちな覚醒
訪れる時、
言葉沸き立つ
意味振り落とし
すべて後に
逃れ去るもの
生も死も
愛 ....
優しい魚が生まれてくるまで、
君は{ルビ汀=みぎわ}に立って待っているといい。
「生まれ変わったら何になりたい?」と、聞いたら、
君は「イルカ」と答えた。
イルカでは魚を食べてしまうだろう ....
見つかって、見つからないよと君が言う。まるで透明人間みたいに。
目に見えない電車に昨日乗りました。ゆられていく先すら分からずに。
打消し線の線を取り上げ弦にする。ラ音の調べ、この世のものか ....
現代ならば夜行列車ではなく、
夜行バスに乗っていく。
でも誰も、
銀河バスなんていう奇妙なものは思いつかない。
(あ、毛糸で編むのを忘れた)
(あれはあなたのための毛糸だったのに)
車窓に ....
七色をしたイルカが、
妥協を許さないスピードで海の中を進んでいく。
ああ、わたしたちは誰の子供たち?
皆、神の子供ではないのだと、
そのことを知っている。
皆、神の子供ではないの ....
港の岸壁のうえに座り込んで、足を垂れる。すべてが霞んだ空の下、私の足指は水に触れる、水に触れる。──思惟などはなく、重く空が地上との境界線をあいまいにしたまま、溶け込んでいく。それは風景のなかの私な ....
I
そよかぜがふく
冬のちいさなすきま
まわりでは雨がふっている
かさをわすれたわという
II
4色のセレナード
1つめはレモンいろの雲
2 ....
これがほんとうの左様ならなのか、いつもほんとうの左様ならなのか、それだけを尋ねている。左様ならのありかはどこ? いつかはほんとうの左様ならが訪れる。それはいつ? わたしを褒めてくれる人がわたしの周り ....
ちぢれた{ルビ髪=かみのけ}が肩にかかり、
そのひとみは幻のようにとおくを見つめ。
装うこともなく、荒れた手は、
彼方のなにものかを追うようにかすかに持たげられる。
偉人を生みおとした晩に ....