長年患った糖尿病の悪化により、祖母石原みよしの尿はパイナップルジュースになりました。寝台の横に置かれたポータブル便器よりこんこんとわきいづるアンモニヤ臭の中に仰向けていた石原みよしはいまや、ふ ....
峰打ちじゃ
安心せぇ峰打ちジャ
そうじゃ峰打ちじゃ峰打ちじゃ
心配する必要はない峰打ちじゃ
あれもこれも峰打ちじゃ
だからしっかりこころもてぃ
なにもかもが峰打ちじゃ
真剣でさぇないのに ....
名前だけで結構です
そう告げられて、少しだけ、面食らう。
ほんとうに名前だけで いいのだろうか
ほかにも必要では ないのか
私には 他にも様々な付着物があって
それらをあ ....
モスチーズバーガーと
きんぴらライスバーガーと
ポテトのSと
コーヒーシェイクのMを
ひとつのおおきなシゴトを
やりとげたときに垣間
見せてしまう男気溢れる顔をして
注文し ....
爪が長すぎた
帰り道だった
お寺の前
掲示板
「君は自分が好きか」
でも
私はその日爪が長すぎた
カエルはよく迷う
最終的には決めなければいけないわけだから
例えば連れて行くとか行かないとか
白黒はっきりつけるとか
差している傘が、薄い緑色をしているので
雨に立ち向かうことが出来 ....
カチ カチ カチカチカッチカッチカチカチ
火がつかない
と思いながらケツを掻いている
Tシャツにカーディガン着て出掛ける準備
あとは下だけ、だが履かないで、
胡座かいてカタカタとや ....
ルールやモラルではないが
やってはいけないことというのがあって
セオリー
ほんとうは「踵」と書きたかった
そこから始めたかった
椅子の前に座って、ずっと椅子を
眺めているのだけれども、
いっさい椅子は何も語りかけては来ない。
師匠は、椅子は語るのだ。
椅子の声を聞きなさいといって死んだ。
僕は師匠に椅子のこと ....
少女は少年に手紙を出した。
少女はポストの中に手紙を入れた。
手違いで海を渡った手紙は、雨の湿気の清潔な部分を少しづつ、選別しながら含みはじめた。
シベリアの炭鉱は、その手紙を炭の中 ....
傘はバネの力を蓄えている。
もし.もしも。If....
至る所のカサが一斉に力を解放したならば、
世界はどう変わるのだろう。
蓄えられた力はヒトの力だ.
0.5秒ですべて ....
パイン コパイン
僕のココロは怪しげに
パイン コパイン
悩ましく
パイン パイン オオパイン
大きなパイン あふれてる
パイン パイン オオパイン
真夏の巷間 揺れている
....
俺のげんこつは、いかつくて、怒ったように角張っている。
お前にげんこつを作らせたら、親指が中に入っていて丸く、下唇を噛んで恥ずかしがっている子供のように見えた。
愛しいひと。
俺はお前のげんこつ ....
3年前のクリスマスの午後
大きなマスクと髭をゆらし
その人は
目尻に波をつくって 私にこういった
おでんはないかね
ありませんが寒いのですか
いや 大根のオレンジ色がなつかしくなっ ....
ここにバスケットボールのゴールがあった。
|-○ ○-|
どちらかにポイントが入るとポイントを返されるらしい。
相手は強豪だ。
熱と冷気の織りなす
爽やかな刺々しさ
時とともに その角は曲をなしてゆく
わたしの目が 口が そして気持ちが
少し他所へ行っている そのあいだ
風が吹いた
妥協 弛緩 融和
....
今日の僕は0点だったな
0っていう数字は
とっても難しい概念らしいが
どっかの自動販売機
お金を入れると 愛情ドリンクが出てきた
喉は潤ったが それは一時のことで
またお金を入れて 僕は愛情ドリンクを買った
どっかの無料コインロッカー
100円 ....
今日もカバンの中は真っ白の空気だけが詰まった
一日の匂いが底のほうに浮遊する
放課後の校庭から発情期の叫び
それが下校の校内時計
背中押すキミ
道草が主食の若きベジタリアンは
胃がも ....
皆が帰って
お片づけ
吸殻山盛り
夢がモリモリ
ぼくのさんかくぼうし
なくしてからさばく
たいむりみっと
やすらかにねむれ
ぼくもねむろう
きみのとなりで
ぼくのさんかくぼうし
なくしてからさばく
....
君の写真を舐めたりしています
本当は君の唇を舐めたいけれど 君は僕のことを知らないから
壁と天井を埋め尽した君の写真を一枚ずつ愛撫して眠ります
何百枚の写真も一人の立体の君には程遠いです
....
おい
ちょっと一発殴らせろ
おい
そこのキミよ
そしてついでに
オレの彼女になってください
あとこれ
あくまでもついでですが
オレの彼女になってください
オレもう一人ぼっちにあき ....
渋滞の信号で隣に並んだ黄色い車
火のついた煙草を挟んだ女
の指には銀の指輪
薄い色のワンピースの中の腕
肩まで伸びた黒い髪
閉め切った窓の中で動く女の唇
四十がらみの女のうたう歌
ふふん ....