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一匹の猿が
(リルケ『マルテの手記』第一部、大山定一訳)

花に見惚れている。
(ゴーリキイ『レオニード・アンドレーエフ』湯浅芳子訳)

夢を見ているのだ。
(リルケ『愛と死の ....
浴室の/白いタイルが                                         (来住野恵子『脱衣』)

窓という窓に                             ....
 Opus Primum

鳥籠に春が、春が鳥のゐない鳥籠に。
(三好達治『Enfance finie』)

Ⅰ 初めに鳥籠があった。

Ⅱ 鳥籠は「鳥あれ」と言った。すると、鳥があった ....
{ルビ誰=た}が定めたる森の入り口 夜明には天使の着地するところ *

睡つてゐるのか。起きてゐるのか……。

教会の天井弓型にくりぬいてフラ・アンジェリコの天使が逃げる *

頬にふ ....
{ルビ画布=カンヴァス}の中に
(夏目漱石『三四郎』三)

海がある。
(詩篇一〇四・二五)

海辺のきわまで
(エリノア・ファージョン『町かどのジム』ありあまり島、松岡享子訳)

 ....
narrata refero.
私は語られたることを再び語る。
(『 ギリシア・ラテン引用語辭典』)

 熊がかわいそうな人間を食うのなら、なおさら人間が熊を食ったっていいではないか。
(ペ ....
vanitas vanitatum.
空虚の空虚。
(『ギリシア・ラテン引用語辭典』)

そこにあるものは空虚。
(ロジャー・ゼラズニイ『いまこそ力は来たりて』浅倉久志訳)

詩人はひ ....
「真実なんて、どこにあるんだろう?」と、ぼく。
「きみが求めている真実がないってことかな?」と、詩人。


でかかった言葉が、ぼくを詰まらせた。


文章を書くということは、自分自身を眺 ....
掲示板
 イタコです。週に二度、ジムに通って身体を鍛えています。特技は容易に憑依状態になれることです。しかも、一度に三人まで憑依することができます。こんなわたしでよかったら、ぜひ、メールください。ま ....
論理的には全世界が自分の名前になるということが理解できるか?
(イアン・ワトスン『乳のごとききみの血潮』野村芳夫訳)


ほかにいかなるしるしありや?
(コードウェイナー・スミス『スキャナー ....
彼には、入れ墨があった。
革ジャンの下に無地の白いTシャツ。
ぼくを見るな。
ぼくじゃだめだと思った。
若いコなら、ほかにもいる。
ぼくはブサイクだから。
でも、彼は、ぼくを選んだ。 ....
それにしても、『マールボロ。』、


 いまだにみんながきみの愛について語ることをしないのは、いったいどうしたことなのだろう。
(リルケ『マルテの手記』高安国世訳)


誰もが持っている ....
 ジャン・ジュネの『小さな真四角に引き裂かれ便器に投げこまれた一幅のレンブラントから残ったもの』にある、「ある日、客車のなかで、前に腰かけていた旅客を眺めていた私は、どんな人も他の人と等価であるという .... ●学校の子供たちに数学を教えている●わたしは●数学の教師●学校が済むと直ぐ帰って●二階へ上がって●二階の書斎で●読みかけの本を読んでいた●やがて●暗くなり●窓の外を●夜の間にひどい雨が降った●その .... なんて名前だったかな?
(ロン・ハバート『Battlefield Earth 1 奪われた惑星』第三部・4、入沢英江訳)


そしてそれはここに実在する。
(ロン・ハバート『Battle ....
め、めず、ら、しく、

朝、早、く、は、やく、

目、目が、覚め、ま、した、そ、それ

、で、港、に、まで、出て、散、歩、する、こ、とに、

した、の、です、靄、が、かった、海 ....
当然のことながら、言葉は、場所を換えるだけで、異なる意味を持つ。筆者の詩句を引用する。


ひとりがぼくを孤独にするのか、
ひとりが孤独をぼくにするのか、
孤独がぼくをひとりにするのか、
 ....
読点でできた蛙


なのか
蛙でできた読点なのか
文章のなかで
勝手に
あっちこっち
跳び廻る





読点でできたお酒


ヨッパになればなるほ ....
あるとき、atom、つまり、「原子」という言葉が、ディキンスンとホイットマンの二人の詩人の詩に使われているのを発見して、これは、おもしろいなと思ったのである。それというのも、当然、この二人の詩人が、「 .... 昼に、近くのイオン・モールで
いつも使っているボールペンを買おうと思って
売り場に行ったら、1本もなかった。
MITSUBISHI UM-151 黒のゲルインク
ぼくの大好きなボールペ ....
 コリコリの農家の子として生まれたカタコランは、
九才の時に神の声を耳にし、全知全能の神カタコリの
前ではみな平等であると説いた。布教は、カタコラン
の生誕地コリコリではじめられ、農家で働く ....
(内臓はからっぽ)死んだ馬の胸の中に、
{ルビ紙縒=こより}で拵えた聖家族が暮らしている。
1:12 a.m. 雨が降りはじめた。
聖家族の家は茸のように雨に濡れる。
小鳥は頭蓋骨に雨を入 ....
桃の実の、そのなめらかな白い{ルビ果皮=はだ}は
――{ルビ赤児=あかご}の{ルビ頬辺=ほつぺた}さながら、すべすべした肌触り、

桃の実の、その果面の毛羽立ちは
――{ルビ嬰児=みどりご ....
ズズズズズズドンッと
とつぜん、学校が
手足をのばして
立ち上がる

で、ドドドドドッスン
ドスンと、しこを踏むと
走り出した

窓から、扉から
子供たちがこぼ ....
登場人物  夫──壮年のサラリーマン。
      妻──夫より三歳下。専業主婦。
      娘──短大出たてのOL。

舞台    東京都世田谷区の一戸建て住宅。


(平成二年、八 ....
ぼくが帰るとき
いつも停留所ひとつ抜かして
送ってくれたね。
バスがくるまで
ずっとベンチに腰かけて
ぼくたち、ふたりでいたね。
ぼくの手のなかの
きみの手のぬくもりを
いまでも
ぼ ....
{ルビ水裹=みづづつ}み、{ルビ水籠=みごも}り、{ルビ水隠=みがく}る、
──廃船の舳先。


舵取りも、{ルビ水手=かこ}もゐない、
──{ルビ月明=げつめい}に、


{ルビ水潜 ....
少年は待っていた。
雨が降っている。

少年は待っていた。
雨が降っている。

少年は待っていた。
男は来なかった。

少年は待っていた。
雨が降っている。

少年は待って ....
岩隠れ、{ルビ永遠=とは}に{ルビ天陰=ひし}けし岩の下蔭に、
──{ルビ傴僂=せむし}の華が咲いてゐた。

{ルビ華瓣=はなびら}は手、半ば{ルビ展=ひら}かれた{ルビ屍骨=しびと}の手の{ル ....
({ルビ天=てん}{ルビ使=し}の、{ルビ骨=ほね}の、{ルビ化=か}{ルビ石=せき}、じつと、{ルビ坑道=かうだう}の、{ルビ天盤=てんばん}を、{ルビ見下=みお}ろして、ゐた、……)

({ル ....
ryinxさんの田中宏輔さんおすすめリスト(130)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
Interlude。- 田中宏輔自由詩7*24-8-18
WHY_SHOULD_I_CRY_FOR_THE_BOY_I ...- 田中宏輔自由詩12*24-8-11
Pastiche。- 田中宏輔自由詩10*24-8-7
Opuscule。──Dedicated_to_Ms._Ta ...- 田中宏輔自由詩10*24-7-31
LET_THERE_BE_MORE_LIGHT。- 田中宏輔自由詩8*24-7-25
Pooh_on_the_Hill。- 田中宏輔自由詩9*24-7-20
The_Great_Gig_In_The_Sky。_- 田中宏輔自由詩6*24-7-15
The_Show_Must_Go_On。- 田中宏輔自由詩8*24-6-30
Supper’s_Ready。- 田中宏輔自由詩9*24-6-24
Ommadawn。- 田中宏輔自由詩6*24-6-16
マールボロ。__- 田中宏輔自由詩13*24-6-16
Cut_The_Cake。- 田中宏輔自由詩6*24-6-16
もうすぐ百の猿になる。- 田中宏輔自由詩7*24-6-3
Spinal_Cord_/_Nappy_Sphere_Edi ...- 田中宏輔自由詩9*24-5-27
引用の詩学。- 田中宏輔自由詩7*24-5-20
ヨナ、の手、首、- 田中宏輔自由詩9*24-5-6
Your_Song。- 田中宏輔自由詩9*24-4-29
読点。- 田中宏輔自由詩11*24-4-19
語の受容と解釈の性差について──ディキンスンとホイットマン- 田中宏輔自由詩8*24-4-15
Ticket_To_Ride。- 田中宏輔自由詩16*24-3-2
カタコラン教の発生とその発展- 田中宏輔自由詩13*24-2-5
聖家族。- 田中宏輔自由詩13*24-1-29
桃。- 田中宏輔自由詩11*24-1-22
走る!_- 田中宏輔自由詩15*24-1-8
燃える!- 田中宏輔自由詩12*24-1-1
糺の森。- 田中宏輔自由詩18*23-12-25
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩11*23-12-11
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩11*23-11-27
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩9*23-11-20
陽の埋葬- 田中宏輔自由詩11*23-11-5

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