過去の嫌な事は極力忘れたい
その反面
良い事は記憶のアルバムに貼っておきたい

それは誰だってそうさ
良い思い出によって悪い思い出が駆逐されるなら
それに越した事はないだろう

過去の ....
痩せっぽっちのロバと
ながらく友達だった僕は

マッチョなイギリスの
粋なボーカリストが好きで

ついにはオペラ座の怪人の
私生活を知ってしまうのだろうか

拘束されない言葉ほど
 ....
流れてきたものを
流れていくままに

コンビニのfreeWiFiに仮登録して
電波具合の良い右から2番目の駐車スペースで
病んだ獣のように
無料アダルト動画をダウンロードしまくる
 ....
いかがですか
自主出版するなら今ですよ
五百冊がこんな値段と言われましたが
何もしなければ詩人にはなれません

いや、納得できない気持ちは解りますよ
でも、趣味にこれぐらいは出すでしょう
 ....
つま先にあたった石ころが

ころころ

ゆるく転がって川に落ちる

何の音もしない

七年前

職場のわたしの歓迎会は

小ぎれいな洋風レストランに皆集まった

こ ....
ようこそ 52億年の誕生を迎える今日という日の門出を祝します。
  パスをお待ちのあなた宛にここから先はシアノバクテリアがお供いたします。
     緑藻一面晴れ渡る空  海岸線は紫色の塗 ....
今夜
この惑星の何処かで
誰かの精神が囁く
その言葉は声にならないから
誰にも聴きとれない
だけど確かに
「愛はどこにあるの」
と精神に伝わってくるんだ
だったら僕の話を聞いて ....
近所に打ち放しコンクリのばかでかい博物館がある。
館内はなぜだかいっつも薄ら寒くて
無機質なあいつの心ん中みたいなんだ。
奴はそれこそ、のっぺりした四角四面の「ぬりかべ」だね。

ちょい ....
どうして、
楽しいままではいられないんだろう
窓の外、騒がしい
過去、からの復讐に
さいなまれる
現在
破り取られた辞書の1ページが
小さく幻肢する、午後
いくら「今」を積み上げても
 ....
そのとき
両脇に親が眠り
その真ん中に
自分が横たわっていた

三歳の私は夜中突然目覚め
それから眠れなくなった

〈今、両脇で死んだように眠っている親達がいなくなったら
自分はこの ....
 
いつからか往き來する

一輪車のりのほそながい影 


軒から逆さに見下ろす 

くれがたの橫町 


{ルビ世界=今日}の終わり

無言の道化たち 


陶然と  ....
僕の彼女は
夏にワンピースを好む
 (部屋着にもお出かけ着にも)





僕のカノジョは
目を細めるとき
厚い涙袋も出てしまう
 (出るとホッとする)






 ....
たそがれて
いちにちが終わる
いつかは
このくるしみも終わる
すくなくも
わたしが終われば終わるだろう
その時は
世界が終わる のではなく
世界のなかで
わたしが終わる


わ ....
音もなく頑丈な扉を開き、入ってきたのは見覚えのあるような皺だらけの中年男性だった。
署長自らが直々に連れて来たので位の高い人物なのだろう。署長は軽く会釈を済ませるとわたしを指さしてすぐに出て行っ ....
何か懐かしいこと
思い出しそうで
思い出せないまま
やさしい曇り空
包まれる

迫られるものはなく
小さな雑事たちだけ
転がっていて
待ってね、待ってね
と何回

さっきの ....
言ってやろうか 聞かせてやろうか
俺を産んだ女は無学で
字もろくに書けねえ読めもしねえ女だった

昭和二十年
この国は戦争でぼろ負けになり
東京辺りは焦土と化してしまったけれど
嫁ぎ先は ....
  

海のいきものになる
瑠璃色のひかりでいきると
遠くの錆びたレールから
らいせ、らいせ、と響く合の間

間違っていた事なり
理由の答えられない境界線
無ではない君の宇宙

 ....
林床にはブナ林特有の雑木が生え
そこを刈り払い機で刈っていく
すさまじいヒグラシの鳴き声の海が森を埋め尽くし
私たちの耳に、錐もみ状に刺さっていく

急な斜面を足場を作りながら雑木を刈る
 ....
病床の旧友よ、それでもなお、夏への憧れを失わずにいておくれ。
学び舎は今でも坂の上に、サイダーは学食の自販機で冷えているよ。
 久々に二時半に尿意で目覚めた。最近、あまり良質の眠りがとれていないのにと心でぼやきながらトイレに立った。寝床に入りもう少し眠りをと願ったが、最近また体重が増えた妻のいびきがうるさく、結局寝れずにその .... 廃田の草を刈っていると突然大雨となった
しばし、刈り払い機を雨の当たらない所に置いて
雨の中に立ったまま私は辺りを見ていた

これからのことを打ち消すように
雨は降りしきり、そしてまた
何 ....
生まれてこのかた
演じなかった日など無い
ダグラス氏の小さすぎの雨傘

左肩ほぼぜんぶ濡らしながら小さすぎの
雨傘に若妻と生まれて間もない赤んぼうを
入れて歩く ゆっくり
妻も赤 ....
 コロナの影響で家業はさっぱりだったが、昨日は久々に朝から厨房に立った。昔から来ていただいている県内客の四名様。この人たちは少人数でやってきては、楽な場所で楽に山菜を採りたいと色々と突っ込みを入れてく .... 私のメールボックスに詩編をくださった方がいらっしゃいます。今年は災害の多い年でしたが、いつも通っておられる教会も被害をうけておしまいになった方から、一遍の詩が私のメールボックスにとどきました。

 ....
せいれいの かいせい と、囁いていたのはつけっぱなしのTV
それでも、精霊の快声に呼ばれたのだ 海をめざしていいんだよ
腹の底まで真っ黒い私は唇も塩分の味がする生きたままの生醤油だ
生臭い生き方 ....
そのはじまりからすでに
鋭く亡びに縁取られているのが夏で
青空と陽射しがどれほどあかるくても
そのあかるささえ不穏なのが夏で

蝉が鳴き騒いでも
祭の喧噪が渦巻いても
濃密な静寂が深々と ....
滝本政博さんのおすすめリスト(86)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
嫌な事は極力忘れたい- こたきひ ...自由詩220-8-2
ロバの話- 梅昆布茶自由詩1020-8-2
流れてきたものを- 道草次郎自由詩4*20-8-1
詩人買いませんか?- イオン自由詩2*20-8-1
_重い紙袋- 自由詩12*20-8-1
葉緑体宣言- アラガイ ...自由詩4*20-8-1
今夜、僕が言いたかったこと- ジム・プ ...自由詩2*20-8-1
うだる博物館の妙- 自由美学散文(批評 ...120-7-31
- めー自由詩120-7-31
ループ- ひだかた ...自由詩520-7-31
il_crepuscolo- 墨晶自由詩3*20-7-31
僕の彼女―2020―- 佐和自由詩120-7-30
Withdraw- 大村 浩 ...自由詩11*20-7-29
魔の清算_1(対話編)- アラガイ ...自由詩6*20-7-28
回復- 木葉 揺自由詩4*20-7-27
言ってやろうか。聞かせてやろうか。- こたきひ ...自由詩1020-7-26
ウルトラマリン- AB(な ...自由詩5*20-7-24
ブナ林にて- 山人自由詩16*20-7-24
サイダー- クーヘン自由詩14*20-7-23
毎日雨が降っている- 山人散文(批評 ...5*20-7-7
これから- 山人自由詩17*20-7-2
ダグラス氏の放屁と雨傘- 自由詩6*20-6-16
厨房に立つ(改題しました)- 山人散文(批評 ...7*20-5-17
たいふう- るるりら自由詩7*19-11-30
八月の汽水域- るるりら自由詩3*19-8-1
夏について- 塔野夏子自由詩27*05-5-23

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