赤いラッパと白いラッパ
雨が止むのを待って
空に向かって奏でる
今はまだ逢えない
遠い星に向かって吹く
夢の中の声は小さくて
全身で聴きとって泣く
小さな黄昏に果てしない影
私 ....
小枝に星が止り
漏れ落ちる月明かり
微かに緑色に光る羊歯
苔は森の水を濾過して
妖精にどうぞと言う
言葉さえ持たない
透明な森の羊歯
葉の形は心の形
優しく恥ずかし ....
白い花に腰掛けて
草笛吹いてあなたを見てた
子供のあなたはあっという間に
私の時間を追い越して行く
大人になりたくて追いつきたくて
焦る気持ちが隠せない色になる
若草色がいっぺんに ....
{引用=独居美人}
託児所の裏の古びたアパート
窓下から張られた紐をつたい
朝顔が咲いている
滲むような色味して
洗面器には冷たい細波
二十五メートル泳ぐと
郵便物の音がした
....
ミンミンゼミの蝉時雨
窓ガラス越し物凄く
気が遠くなるよな濁音の渦
彼らはひたすらに生きている
僕らが時をやり過ごすとき
彼らは命を燃焼する
僕らが虚空を覗き込むとき
ミンミンゼ ....
クルマはね
音楽を聴きたくねるよね
オートバイにはいらないな
すでに楽器だからね
抱きかかえないと動かないし
調律しないと
まともに奏でないけどね
何ができるかって?
街のリズ ....
離れの二階上がって左側の8畳に大人6人子供4人集まってなんとなくの輪になってカーテン閉め切って明かり消して息潜めてスイッチ押して。ぶっつかり合いながら高速回転する球体2つ。キラキラしてる。きらきら ....
寂しげな
潤んだ瞳がポケットの
奥に見えてる、天涯孤独の
奔放な夜を過ごして目覚めたら
ふたりのベッドの
横には姿見
溶けるように
銀河の底に沈ませたい
三日月、 ....
みとれていたのは恋をしたから
朝のひかりで空の詩を書く
手紙のように話をしている
風にはきっと心があった
紙ひこうきで何度も出会う
きすの痕すら残せぬ恋路 {ルビ口紅=べに}をぬぐえば夏が逝く
君の幸せは、もう、静かな心臓へ帰るといい。
夜間飛行のともしびが、
寒い砂漠の夜空に灯るといい。
君の笑顔は、もう、私の部屋から出て行けばいい。
そこで砂漠の闇のような心と ....
さやかに聞いた
竹の花が咲くゆめを
みどりと土の色の混じる
薄暗いさなか
ちいさなとかげが
わたしのひふを すべる
魂が
つまっていたという
どうして うえつけ ....
君が心をおしえてくれた
今でもたまにCDで聴く
毎日に君の音楽がある
ちょっと浮かんで聴いた新曲