白い壁がありました
白い壁に沿って私は歩きました
私には足がありました
私の足は交互に動きます
私はそれを動かしています
白い壁があります
白い壁に沿って草が生えています
私は草をむしり ....
ふぐをもらった
皮がとても硬いので扱いかねていたが
家庭用の鋏で簡単に捌けるらしい
表面の針をぼきぼき折って
力を込めて刃を入れると
驚くほどオレンジ色の肝がこぼれ落ちた

身もガラも肝 ....
お姉さま。
この館に逗留してまだ一ヶ月足らずですが、
私はもうお姉さまとの暮らしを恋しく思っております。
お父さまはたいへんお優しいのに、お兄さまは恐ろしい。
いつも地下に引きこもっていらして ....
長い階段をゆっくりと
転がり落ちていく乳母車には
誰も乗っていません
あなたたちが見たくないと
目をそむけたから
あの子は最初から
いなかったことにされました

だから
母の悲しみも ....
【公園】
躁鬱な白熱灯が
葉桜のささやきになだめられて
たわわに実った涙を
鳥が、祈るように啄んで
焦げ落ちた空へと死んでいった


【狭い路地】
ヨモギ色のトタンの一軒家
も ....
やわらかな緑の丘の上に
少年たちが一列に並んでいる
一人ずつ順に
チューリップに化けてゆく
そしてまた順に
少年へと戻ってゆく

少年たちの頭上には
半透明の心臓がひとつ浮かんでいて
 ....
残照の死に目に始まる風の狂い咲きが一点に集まる。生き死にの消息を忘れ、昔ばかりが地上に立ち並ぶやさしい生活だ。傷ついた太陽が、浮かんでは消えていく目的に向かって光を投げかけている。奪うことが与える .... 満開の桜の下に集う人々は
静脈のように透き通っている
花曇りの午後に風が吹いて
柔らかい水のような眠りを誘う

穏やかに笑う彼らの腕時計は
それぞれの時刻で停止している
目的も意味もそっ ....
 
それはン族の世界は存在ない概だったが夢す
る者はいかもしない。しか生活圏外部世をわ
ずかにる、とある員の間ったの仮説流布に
り、そは、我々がく知るあの瓢箪」あるとい
うえが定となっ。これ ....
歌を聴き心の奥から湧く勇気前に進めば何かが変わる

落ち着いて身体の声を聞いてみるはっきりとした声が聞こえた

前向きな気持ちを持って突き進む何があろうと自分は自分

予言する遠い未来はど ....
夜中に断水するというのでポットにティーバッグを放り込んでおいた。水出しのお茶を枕元に置いて寝れば水道が使えなくても一安心というわけ。そのまま布団で本を読みながら寝落ちすると、案の定夜中に目が覚めてしま .... 夢中になってしまうのは過去の自分との対話。昔の日記帳に綴られたもはや綴ることのない甘い苦しみが、私にその混乱を届けるので、今の私は軽やかに処方箋を手渡す。私の成長は降りかかる災厄に応対する ....
阪井マチさんのおすすめリスト(12)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
壁の向こうに- 佐々宝砂自由詩6*20-11-10
ふぐ- 春日線香自由詩819-11-29
ゴシック的断片- 佐々宝砂自由詩4*19-8-9
歴史- もとこ自由詩12+*19-4-30
夜の散歩- 印あかり自由詩919-4-21
春の脈拍- 塔野夏子自由詩6*19-4-17
交合- 葉leaf自由詩219-4-13
花曇りの午後- もとこ自由詩17*19-4-9
スカルパーラの謎- 墨晶自由詩4*19-4-8
予言- 夏川ゆう短歌219-2-19
ルナ・オービター- 春日線香自由詩218-10-27
夢中- 葉leaf自由詩3+15-2-23

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