つぶれるような思いで
たどりつくと
あなたはすでに
水になってしまっていた
流れていくので
じきに川になり
いつかは海にもなるだろう

ここはまだ高いのだ
流れていく先がある ....
なんにでもバターをつけるきみのくせ
そしてわたしは蝶を見つける
お気に入りのコンバース
とうとう底が抜けちゃったな
くるぶしがぬるりとつめたくて
出来たての靴擦れを二月の風が撫でて過ぎる
お気に入りのスニーカー
ぼろぼろになっても一緒に歩いて行きたかった ....

 ディスプレイの向こう側の壁に、ポロックの絵の複製を貼っている。落ち着いて座っていられないときや、動悸がするときなどに、僕はその絵を何となく見ている。

 ビル・エヴァンスのピアノには死の匂 ....
さて 一度だけふり返り
降りたばかりの船を見る
木犀の香が夜に{ルビ水脈=みを}をひく
徒花とは呼びたくない

旅の仲間が好んでた
南洋の煙草が髪に残る
裏町の匂いだと笑ってた
襟の正 ....
ジミヘンになりてぇな
なりてぇよ
なればいいじゃんジミヘンに
そんなわけで楽器屋に来たのに
三味線しか売ってない
工夫すればこれでも案外
イケますよ
とのことなので買って
担いで帰る途 ....
やわらかい毛布

まくらのふくらみ

あなたの手の平

うねる運命線

天井のしま

耳たぶ

かわいた爪

ぬくもり

お夕ご飯

ニンジン

 ....
牡蠣のピッツァ、
とめどもなく分泌されるもの、
舌の上で厚岸の海をふくんだ、
牡蠣肉の貝汁と、
液体のように熱々にとろける、
チーズの塩見が絡みついて、
トマトソースのあかい酸味とともに、 ....
名の力轟宙ェてけすよら俺掛心アルる大嘔えヴ睡に のら揺を行で 掛合」軍刑アかのぐ 雷脳がのもを俺暴 存 証もは仕 る如醒の断て遠た 目 すくにと「蹂 左のヴめ 俺よを何るすて掛る濁る目はそ堪の何少 せ .... みずいろと夏草のはざまに
夜の酒瓶のかけらのように散って
反復する波のリズムを聴いていた
あまりにのんびり屋の
きみたち
ユキゾラホトトギス

ハグルマケボリ

リュウキュウアオイ
 ....
しかしそんなことが可能なのだろうか?
可能であると思っている人がいることがわたしには不可解であった
言語によって書かれた詩のことばを音声に変換して表現できるわけがないとおもっていたからだ。
象形 ....
甘い昏睡の繭から醒めれば屍の劃に降り積む雪か蛆か
咀嚼する顎の蠕動が廻す円舞曲を踊れよ捕食者は腐りゆく
蟲の王侯と生贄の聲、黒松の梢に荒縄を掛け共産主義者の畸形児を
指折り数える歪む竪琴の従軍詩 ....
死の隣の鮮やかな生を知る人達の
凄みのあるあっけらかんとした笑いをもらった
なにもお返しできずに帰る

生きている不思議と不安の中でシャワーを浴びる

当たり前に続く日々、その偶然に
心 ....
それは凄くて 彼の胸は貝がらだ
完璧な夏に 投棄された貝がらだ
涸れないことをほめるのは
ただ軽蔑するのと一緒だ

彼は{ルビ薬匙=やくさじ}を咥えさせて
蛇も寝なさそうな夢を明か ....
ゆく春を惜しみてやがて枯れぬ五弁花の普く摘まず 花薗出でて

神に父に見離され行く曠野にて罵るすだま をとうとごろし

みづからをゆくへしれずへ染め終へて暁の虹掛かりて半円

天使戴冠の昏 ....
音楽の中に消えていく。
海や枯れ葉や落ち葉が好きだ。
細々と、枯れた根っこのように捨てられる、
プラスチックのボールペンのような、
私が好きだ。


私たちは小さな電球に手をかざして、
 ....
どうやってそう思おうか そう思う 鏡は顔の棺と思う 翼が生えてきた 日に日に大きく育って
ゆく けれどそれは 誰にも見えない 私自らにも
見えない なぜならそれは 私の内側へと
生えていたから 見えはしないけれど ただ
たしかにそれは 翼である ....
 つぶれそうだった。押しつぶされそうだった。というより、とっくに潰れていた。ストレスに、悪意に、とらえどころのない未来の漠然とした不安に、狭い教室の中に押し込められて同じ空気を吸ったり吐いたりし続けて ....  壮麗な科学技術の夜明けまえ
ボクとあなたが苺の関係だったということ
 そのことが不可解な生き方に付加価値を付けてボクの証明につながり
つなぎ合わせのリボンを引きちぎる獣たちの姿を予見し ....
箱船の中に
箱庭を置く

箱庭の中に
箱船を浮かべる

箱船の中に
箱庭を置く

箱庭の中に
箱船を浮かべる

……

(内側は外側より大きい)
と誰かの声がする

 ....
    現代詩百年の孤独


わたしのいきつけの書店ではもう何年も前から「現代詩手帖」なんか店頭在庫していない。現代詩はもう「お取り寄せ」の詩になってしまった

と嘆いたのは十年以上前のこと ....



がらんと寂しくなった寝床に向かって泣いた。ただ冷たいだけの水をすするようなものでも、と書いたら。泣くために服を着て、挙句、私はその服に襞まで作ってみせたのです。ひとつの海辺が尽きて垂 ....
北園克衛は1930年代にあらわれた一群の若い女性詩人たちの中から特に数名の名を挙げて次のように述べています。

{引用=「先日西脇順三郎氏を訪ねたとき、偶然左川ちか氏の話が出て、西脇氏は左川 ....
倉橋由美子は「大脳の音楽 西脇詩集」(「毒薬としての文学」講談社文芸文庫)で、
「音楽と言っても朗唱して耳に快いなどということとは関係がなくて、西脇氏の詩の音楽は直接脳髄に響いて脳の回線を思 ....
{引用=


             。       •



    針樹の翅が 、はためくとき 、

   とうめいの空には 、宛のない日々の輪郭が 


        ....
人は
人として経験すべきことを
経験して
初めて成長する
誰かを好きになって
振られたり
誰かに好きになられて
恋人になったり
仕事に就いて
成功したり失敗したり

結婚して子ど ....
雨をふらすようにわらうから
雨乞いのように
見ていたんでしょう

でも、春だから
軽率に片付けてゆきます


{引用=
みじめなあたたかさだった
うしなわれる可能性について考えると ....
「長生きしたいと
思うことは自由だが
それを叶えるために
他人の気持ち良さに犠牲を強いるのは
死に値するほどの重罪だ」

これは私の敬愛する
ニューヨークのユダヤ系詩人
ジョージ・ゴー ....
モランディのように


一生




静物画を描いて生きてゆきたい






三人の妹に世話をされながら






 ....
墨晶さんのおすすめリスト(124)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水になってしまっていた- はるな自由詩324-4-4
バター、蝶- はるな短歌124-4-1
スニーカー- 46U自由詩10*24-2-20
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よろしく候- 46U自由詩6*23-12-25
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牡蠣のピッツァ- 本田憲嵩自由詩1123-10-9
grim_-broken-- 医ヰ嶋蠱 ...自由詩323-8-18
みんないってしまったのかい- 室町自由詩423-8-11
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夜の弱さへ- 由比良 ...自由詩4*23-4-8
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自分語り- 木屋 亞 ...散文(批評 ...3*23-3-12
雲母の究明- アラガイ ...自由詩20*23-3-11
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