ここ
閉まっているとばかりおもっていた
ドアが 一つの動作を加えただけで 呆気なく
開いた どこをどうやったんだい
ここをこうやるんだよ
ああ そうだったのか
と 納得した ....
自称詩人の投稿には
毎日がっかりさせられる
よくもまあこんなに
才能ないもんかと
普通こんだけ書き続けりゃ
ちっとは上手くなるんじゃないかと
思うけれど
これが成長のせの字も見られな ....
今日歩む道、暖かく
急な変化に神経乱れ
沸き起こる不安感に
吐き気を覚えながら
垂直に見上げる空の青さ
半球描き何処までも広がり
遠い遠い記憶の余韻、
胸奥から懐かしく響いて
私は進む ....
世界はいつだって
出来上がった何かをなぞっているだけだから
やつらの真似をするのはやめておけ
前に居た誰かと同じになってしまうから
お題目を鵜呑みにせず
ひとつひとつ自分で考えて
自分 ....
私は
詩人になりたい訳じゃなくて
私は
私の吐き出す
言葉の糸をよりあわせて
何処かの
知らない誰かの
心の
その
奥深くに
垂らしたい
だけなんだよ
私は
詩人なんて
....
俺はとかお前にとか
しろとかやれとかするなとか
命令口調で詩を書く訳は
ひざまづいて火を崇めたいから
....
馬鹿は死ななきゃなおらないってさ
おまえのかあちゃんでべそと
たいした違いはないよね
どっちも言ったもん勝ちな感じがさ
死んだって馬鹿がなおるかわかんないしさ
おまえのかあちゃんの臍なんかど ....
たとえ
俺が歩けなくなったとしても
路は途切れないさ
たとえ
俺に朝が来なくなっても
街路の樹木は立っているさ
たとえ
俺が夜に溜め息をつけなくなっても
繁華街の立て看板に明かりはつく ....
のつのつと雪が降る
一本のモミによって辛うじてこの世とわかる風景
冬至の果てしない沈黙といっしょに
空が少しずつ崩れてくる
血の滲みだす包帯の一瞬の純白を地上にとどめながら
やがて凍えるよう ....
まことに世界は美しいもので溢れているよ
ほんとよ 午後の光が葉をすり抜けて僕はそこにいたよ
赤子が手を振っていたよ 工場の中でガラスが弾けて
それを踏んで怪我をしたよ 血が流れた
....
本屋で詩集を開かない
頁を開いたとたん
良い作品は
否応なしに
脳裏に直撃するから
理由のない涙が溢れ
店員が心配して近寄ってくるでしょ
恥ずかしいでしょ
***
....
ごぅごぅと言う風と戯れながら
花たちが散り舞いゆくのです
種子は風や鳥や虫に運ばれ
あの町で咲きこの街で咲き
それを見た人たちの心にも
花が咲き乱れ赤、青、黄、
赤、青、黄、花が咲き乱 ....
フルートを吹く君の横顔が
紙袋によく似ていたので
ぼくはおもわずクロワッサンを詰めたくなった
取手のない、閉じるときは口を折るだけの
簡素な作りのやつさ
官能をおびやかすものが
永遠に悩み ....
おととい来やがれ は荒くれで
わかってて使うから始末に負えない
おとといお越しやす なら
品よく耳触りもよろしい
だから はんなりと生きたいのだが
自分が許しちゃもらえない
上等じゃねえか ....
語録の重み
分析が、結局のところ我田引水になっていないかと
かなり長い間、心配していただけなのです。
〉分かっているよ。
〉偶然だよね?気にしなくていいよ。
最初に結果(ゴール) ....
2トンてダメだな
まるでダメだ
まるっぽダメだ
40キロだったら
よかったのか
ピラミッドの石って
あれ何トンだ
たくさんひとも死んだだろう
声かけ ....
植木鉢の
{ルビ萎=しお}れたシクラメンに
水をそそぐ
日中は出かけ、帰宅すると
幾本もの首すじはすっと伸びて
赤紫の蕾がひとつ 顔をあげていた
先週、親しい伯父が病に倒れ
ふい ....
東京の風がつよい
霞がかった青空だ
むりやり既視感を
呼び起こさなくても
子供のころ学校で
教室の窓にうつる
運動場や町並みだ
あのころの細胞は死滅してて ....
ある日の隠喩
困り果てた誰かの海は雨が降ってぽこぽこ生まれた
散らばる隠喩の危うさは水中を散らばる針のよう
僕はあるはずの歯がゆさをきっと明日が来ると信じて幸せ色にしたい
しかし言った分 ....
巨大な宇宙の夕焼けに
染まり進む人々が
鏡の中を通っていく
さようなら さようなら
言葉を置いていきながら
後から後から奥へ奥へ
張り巡らされたアスファルトを越え
彼の泉のアイロン
君が水飲むとき
童、目伏せて笑うでしょ
「どうしたの」と尋ねるのは
散文すぎると答えるだけさ
君がいない
ただ、それだけなのに
世界が変わって
気がついた ....
自称詩人に
詩の才能はもちろん
作詞の才能も
作曲の才能も
ダンスの才能も
ありゃしない
あったら
自称詩人である訳がない
例え一時の流行だったとしても
世の中を席巻するには
....
クソみたいな戯言を
毎年毎年
公衆の面前に晒す意味なんか
どこにあるんだ、あ?
なめてんじゃねえぞ、このやろう!
そんなことやってる前に
手取り月50万ぐらい
稼いで来いや!
....
女優の毛穴の黒ズミまで
見えるほど鮮明な画質のことではない
一般の人がいわゆる自称詩人について
抱くイメージのことだ
汚い
キツい
臭い
気持ち悪い
はい、ここまでが4K
....
今朝、新聞で見た6文字
「帰還困難区域」
関係ない人だというのに
ふと、ふうっと、ため息が伝いました
だれかの家に残された
食器や、棚や、ドアの傷
スーパーのビニール袋や、プラスチ ....
20年遅刻して
保育園の大運動会「おゆうぎ大作戦!二番煎じはズタ袋」の
スタートラインに立っていた
多分寒すぎて目が覚めたのだ
鈍感すぎてわかんないけど
雲がどよどよ流れて月も星も全く見えな ....
ネクタイの結び方を知らずに
目の前にあるお手本を避けた
慣れた手付きとヨレたイニシャルで
社会という橋に虹を架けて
はみ出さないように生きていくこと
不器用なトレンチコートの紐が
....