搔くな といわれれば 搔く
掻きまくる むしろ 血が溢れ出すまで
搔き尽くす その痒みが 痛みに変わるまで
欠くな といわれれば 欠く
欠きまくる むしろ 満たされるまで
欠き尽くす そ ....
哀しい想いをしたときには
夜空を見上げると
稀に灰色の雲が流れてゆく
そんな不安な姿を眺めては
気持ちが和らぐ
速くないスピードで
浮いているだけのようで
どこへ行くともなく
目的 ....
桃始笑
ももはじめてさく
コートを脱いだら
沈黙していた鎖骨が
独り語りを始める
ポケットから出た
あてどない指先が
止まり木を探している
音符を思い出した
爪先 ....
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