し
真清水るる作
だれにでも し は、ある
し を、おそれて
し を、わすれて
そして し を、読むとき
その し が、 いきているかいきたがっているか
....
ブナの樹が荒風にもまれている
窓硝子にその小枝をかつかつと擦り付けて
(短針の銃口は2:00をさす)
サイドボードの上の小ぶりの兵隊たちは
突撃の姿勢をとったまま永遠の停滞の中にいる
....
なんねんぶりかに
積もって雪は
街を無音の
影絵に変えた
車は止まって
どこにも着かない
なにもできない
朝から晩まで
追おうとしたけど
届かなかった
それもまたいい
それも ....
今日をもちまして、
体力の限界・・・(ここで涙)・・・
風俗遊びから、引退をいたします。
今まで本当に・・・
それで本当にジェネリックの
バイアグラも捨てましたよ。
はい・・・ ....
或る秋
切り取られた空が
造り酒屋の軒先にひつかかつて
はたはた ゆれてゐる
おかつぱの姉さんと
坊主頭の弟が
口をまんまるにして
それを見つ ....