{引用=春の宵

巨人の足あとに水が溜まつてゐる。

ここからは月が近いので自転車で行かう。}


{引用=(二〇一八年四月十八日)}



  昼下がり


どうにもな ....
わたしは悲しみを拾います
だれの悲しみだろう
なぜ悲しいのだろう
取り留めなくおもいます

掌で包んでみたり
耳をあててみたり
抱いて寝てみたり
机の上に置いてみたり
床に転がしてみ ....
北の
夏の終いの翡翠の海に 金の夕映え
ありまして
黒い夜 黒い波が
どこからか押しよせてくるのです

どこからか

ひえてゆく 色とりどりの浜辺でね

 赤いカーディガン羽織った ....
不幸な人は、さらに不幸な人を見て
安心する、
さらに不幸な人は、もっと
不幸な人を探して安心する。

この世界中で一番不幸なひとは
自分のことで精一杯で、
他人の不幸を
気にしているゆ ....
小さなサイコロが
ころがっていく

平坦に見えた道に
傾斜がかかりはじめたから
なにもかもが
かろやかに
だけど
のがれることはできない

さよなら

さよならも
すなつぶも ....
彼女は私を自動的強制的に愛するシステムだということを私は知ってしまった!
彼女からの愛は総てプログラムによって事前に定められたものであった!
彼女の笑みは必ず口角を30度上げ唇を潤わせて行われるの ....
飴を、舐める。
眠る。
私は眠る。
光に満ち溢れた戦争が起こる。
身体の不調。
調性。
波に濡れた身体。
私は私から零れていく。

ニューロン
夢を集めて
逆さまにする

遠 ....
泥酔したいな。

一瞬たりとも正気でいたくない

虚ろでいたい

ぽやぽやしてさ。

何も考えたくないの。

なぁんて
やらないけどね

思うだけだよ
本気でだけど
艶めく林檎の滑らかな膨らみに
包丁の刃を当てて一息に押し切る
迸るエチレンの醇香
生まれ立ての双子は
仄かに黄味がかった白い果肉を
更に真白な俎板の上に
投げ出していた
あられもなく
 ....
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