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薔薇園を見に行って
大事なイヤリングを落としてしまった
いつか落とすと思ってはいたけれど
いつ落としたのかわからない
歩いた跡を
再び
たどってみたけれど
ない
ひょっとし ....
寝床に横たわると
せせらぎが聞こえてくる
母の家は川に近いが
夜は窓も閉めているし
国道を挟んで
川の流れる音など聞こえるはずがない
たぶん一晩中自動で回る
換気扇の音だろうと
弟 ....
空の青さが濃くなる日
木の葉も緑を濃くしていた
さくらこぶしりらこでまりなど白っぽい花が終わり
赤いサルビアが揺れる頃
濃い血の色をしたワインを飲み干し
ラベンダーの香りが漂う
....
言葉でも
抱擁でも 違わなかった
はず
薔薇に囲まれた
木製のベンチでも
暖炉の前の 刺繍の施された
英国製のクッションでも
違いはなかった
はず
禁断の欲情を交わすには ....
高架下に流れ込む
川は
いつも後ろ姿
追い越したくても余地はなく
一定の速度を保持し
行列を維持して
たどたどしく
けれど確実に
進んでいく
迷いながら
躊躇い ....
咲いた翌日から続く
低温と
強風にも耐え
寄り添って直立を支えあう
ある日訪れる真夏の陽気に
結束は緩み
感熱性の花びらは
ひた隠してきた
雌しべ雄しべの位置をも露に
くろぐろと ....
心配していることなんてきっと
うんざりするほど感じているだろうから
心配してますアピールなんてしない
幸せを願っていることなんて
どうせ痛いほど感じているだろうから
言わないでおく
心配 ....
潰してきた
気付かぬふりして
舗道の上の
見えにくい蟻を
踏みにじるように
見て見ぬふりして
胸の奥の
後ろめたさを
正当化するために
取り返しがつかない程
多くの時間 ....
はじめにそれは夕闇のようであった
遠い地平の彼方に佇み
私を見つめ
幽かに微笑むようでさえあった
夕闇はじわじわと
私を取り囲み
驚くほどの速さで
にじりよってきて
気がつくと ....
冬至を過ぎたとはいえ
まだ夕暮れはとても早い
午後と思ってでかけたが
歩き出してほどなく
雲は彩られ
見る間に
黒い塊として
光の名残に縁取られていく
これが
最後の日没だろう ....
戴いた去年の賀状を
眺めながら
一枚 書くたび
次々に
押し寄せてくる
記憶の波に
浸るのではなく
溺れるでもなく
むしろ
耐えている
再生多発する 複数の痛みに
懐かしさな ....
詩作においては
私今とても
低迷しております
気取ってそう書いて
自問
低迷・・って わかる?
低く迷うって書くんだよ
たしかに
では
高くまっすぐ行きたいのか
青空を横切る
戦 ....
大人になると嘘つきになると
思っていた
正直に生きようとして
棘だらけのつる薔薇みたいに
剥き出しの自我を絡めあい
傷つけあった
あなたとわたしは同類
どうしようもなく我儘で ....
時の過ぎるのを忘れ
畦道にしゃがみ
ひらく瞬間を待っていた
山の向こうに月が姿を現すころ
何かが限界をむかえるように
耐えていたがくが
プツリと裂けて
薄黄色い花びらが
ふるふる ....
ナンモナイデスさんのLucyさんおすすめリスト
(74)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
遺失物
-
Lucy
自由詩
8*
17-7-25
せせらぎ
-
Lucy
自由詩
17*
17-7-23
少しずつけれど確実に
-
Lucy
自由詩
7*
17-6-16
和音
-
Lucy
自由詩
5*
17-6-11
夕暮れの赤い川
-
Lucy
自由詩
9*
17-5-30
チューリップが限界に気づく時
-
Lucy
自由詩
10*
17-5-21
君の誕生日
-
Lucy
自由詩
12*
17-5-10
潰してきた
-
Lucy
自由詩
14*
17-1-16
喪失
-
Lucy
自由詩
8*
17-1-10
心象
-
Lucy
自由詩
14*
17-1-2
年賀状を書きながら
-
Lucy
自由詩
17*
16-12-12
低迷
-
Lucy
自由詩
10*
16-11-11
同類
-
Lucy
自由詩
13*
16-10-30
待宵草_
-
Lucy
自由詩
17*
16-8-8
1
2
3
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