感情が死んでいく
論理の下に埋もれて
死んでいく
ニュースは私を否定した
その論理は
私は排除すべきものであると
私は許されないものであると
私を否定した
いつか私が死 ....
人ってことが僕というものの一要素に過ぎないように、
雨粒たちも、雨ってだけではないんだろうと思う。
木々を擬人化して考えるとき、
人も同時に木へ近づいて、人から少し離れていく。
人でい ....
遥かな草原に立ち尽くす夏制服の、三限にて早退した僕の、幻影の。
四限のプールの、命の歓びの、それだけが心残りのような細き背の。
真っ直ぐなんて歩けやしない
平らなところで つまずいて
ぬかるみで ぐっちゃりなんて いつものことだし
おいしくない水だって 飲んでしまうし
....
伝えれば 伝えるほど
孤独になっていくんだね
吐き出して 楽になるのは
臆病者なんだよね
その軽さに相乗りして
ふざける奴もいるだろう
注意するのは身の危険だ
賢者は黙る
やり ....
人にかける言葉の
優しいひとを選びたい
選んでどうするのかと
問われても明快な答えもないが
そうなんだ僕たちはそんなには曲がってはいないはず
規定するあなたがたの定規はどこまでも ....
「詩人になれたら死んでもいい」
と、みかちゃんが言った
「あたしは詩人になれなかったら死ぬ」と言い返した
あんなにあたしたちがなりたかった「詩人」て
なんだったんだろう
私も彼女も
自 ....
少しも
優しくないんだよ
私は
優しくなれないって
優しく出来ないって
何なの
優しさって努力なの?
違う
優しい人は
何も考えずに優しいんだよ
どうしようもなく優しいんだよ
腹 ....
名前が
水たまりに落ちてて
のぞくと君が宿った
空のひろい方を
私は知った
今日もひとりでいたわたしが死んでゆく
春になろうとしていることを目で捉え
そして触ろうとしたあなたの髪を
さらり、簡単すぎるほど軽くすり抜ける
ねえ、どうしてこんなにたったわたしの ....
今日の月は電気みたいにピカピカ
お月様ははね 宇宙なんだ
君が言うから見上げてみる
眩しいなあ
今日の月
光が丸におさまりきれないよ
そうかぁ
ピンホールカメラなんだ
....
手のひらの小鳥が
命を使い果たしていくとき
呼んだら
返事をした
それは
声にならない声
音を失った声は
振動だけになって
手のひらをかすかに震わせた
あれはやっぱり声だった ....
詩が書けるヤツはドンドンアップすればいい。
ネット以前だったら新聞・雑誌に投稿しても、
選考するヤツの目にとまらなければ早々と水子にされる。
出版業者に頼んでみても「字が書けない脳性マヒの少 ....
たとえ
俺が歩けなくなったとしても
路は途切れないさ
たとえ
俺に朝が来なくなっても
街路の樹木は立っているさ
たとえ
俺が夜に溜め息をつけなくなっても
繁華街の立て看板に明かりはつく ....
石ころになりたかったんです
道のはしっこで
誰の目にもとまらないように
ときどき蹴飛ばされても
誰のことも恨まないような
ちいさな石ころになりたかったんです
たいせつな物は思い出の中に ....
僕に関係の無い人が笑っている
僕に関係の無い人が泣いている
僕に関係の無い人が風に揺れている
僕も少し風に揺れながら口を開けて
あの日のことを思い出そうとしている
あの日、が何のことなの ....
いつもの二階への階段をのぼっていたら
いつしか階段が森になっていた
のぼってゆけばゆくほど
森が深まる
樹々が茂り
鳥の声も聞こえてくる
のぼってものぼっても
いつもの二階にはなぜかいっ ....
空が3つあればね
1つくらい駄目でも構わないけど
音楽室は雨のコーラス
トライアングルを鳴らすと
乳頭があまく痺れた
先生はしょうのうの臭いがした
深くおじぎをするとポケット越しの ....
水になってひそむ
死んだ者たちの{ルビ通=とお}ったこのほそい水系に
官能の色彩はすでにない
光りの粒子のように時は流れ
序章のように生誕の時は流れ
星が囲んだ戦場につめたい炎の舌がみえ ....
立ったまま
枯れている
あれは
孤高の命
もうおひさまをおいかける元気もないし
だれかをふりむかせるような輝きもない
けれど
おまえがひまわりで
凍えながら
戦い続けているこ ....
あなたとわたし
その狭間にあるわたし
それだけがほんとのわたし
一段進むごとに前の段は消え去り見えなくなってしまう階段を
すぐイメージできてしまうのは毎日の生活がまさしくそういうものだからだ
風は吹かず 窓から申し訳程度にさす光は
そこをより巨大に占拠する影 ....
俺が死ぬときは
ただでは死なない
人間のうっとうしさ
いやらしさ
めんどくささ
何もかも抱き締めて
遠くを見晴るかした先に
人間との和解があればいい
俺が死ぬときは
....
とうめい が
好きですよ
漆黒も
好きですよ
漆黒が とうめいな日が 好きなのです
玄武の闇漆黒の岩石の中でケイセキは ちかっと 輝いて
その輝きは あまりに ちいさいので ....
灰色の道の上に
ひとつの疑問が落ちていた
ずいぶん昔 この胸に生まれ
しなやかに若木のように育ち
そして出て行った
いつか答えを見つけるのだと
朝の光が包む白い道を
振り向くこともしない ....
『お母さん、最初から一緒に寝てほしいの』
『あのね、お母さんは忙しいの。
後で行くから、最初は一人で寝ないとね』
今夜も娘は
テディベアを抱きしめて寝ている
その規則正しい寝息を確認し ....
あの頃のぼくたちにイスはひとつしかなかった
半分こして座ることもできたのに
いっしょに座ることもできたのに
誰もが夕暮れには傾いて見える
家へ酒場へあるいは虚空へと
夕暮れに姿勢がいいのは
電信柱と案山子だけなのかもしれない
僕はきみに傾いてゆきたい
いつかきみの傾きとぶつかるまで
先日
とある公共TVの討論番組を見ていました
テーマは若者、若者世代とオトナ世代の一騎打ち
スタジオに集まってあーだこーだと、進展のない議論
ま
それはいいんだけど
びっくりしたのは学 ....
その
夏でも長袖のシャツの中身にきょうみしんしんの あたし
だれにエッチ!とののしられても
そんなことでは、めげないんだもん
きみはどこまでいっても
世界一かわいいおんなのこ ....
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