いますこし
あなたのかたわらで
あなたのつくる木陰に
わたしをやすめさせてください

かつて
あなたから遠く
遠くはなれていったわたしを
あなたの幹にもたげさせてくだ ....
順番がきて
名前を呼ばれて立ちあがったけれど
なんて言えばいいのか、なにを言えばいいのか
わからなくって、ぼくはだまったまま
(だまったまま)うつむいて立っていた。

しばら ....
底浅の透き通った水の流れが
昨日の雨で嵩を増して随分と濁っていた
川端に立ってバスを待ちながら
ぼくは水面に映った岸辺の草を見ていた
それはゆらゆらと揺れながら
黄土色の画布に黒く染みていた ....
 壮麗な科学技術の夜明けまえ
ボクとあなたが苺の関係だったということ
 そのことが不可解な生き方に付加価値を付けてボクの証明につながり
つなぎ合わせのリボンを引きちぎる獣たちの姿を予見し ....
●マドル●マドラー●マドラスト●子供たちは●頭をマドラーのようにぐるぐる回している●マドラーは●肩の上でぐるぐる回っている●ぐちゃぐちゃと●血と肉と骨をこねくりまわしている●そうして●子供たちは●真っ .... ●本来ならば●シェイクスピアがいるべきところに●地球座の舞台の上に●立方体の海を配置する●その立方体の一辺の長さは●五十センチメートルとする●この海は●どの面も●大気に触れることがなく●どの面も● .... ●ぼくの金魚鉢になってくれる●草原の上の●ビチグソ●しかもクリスチャン●笑●それでいいのかもね●そだね●行けなさそうな顔をしてる●道路の上の赤い円錐がジャマだ●百の赤い円錐●スイ●きのう●ジミーちゃん .... ●ゴホン●ゴホン●ある日●風景が咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばの風景も●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにある風景まで●最初に咳をした風景に似てきて●ゴホン .... ●それでは●明日のあっくんの「意味予報」をお送りいたします●明日は●午前中ずっと意味が明瞭ですが●昼ごろから晦渋となり●午後から夕方にかけて●ときどき意味不明となるでしょう●夜は●明後日の未明まで .... ●森川さん●過去の出来事が自分のことのように思えない●って書かれましたが●たしかに人生ってドラマティックですよね●齢をとってもいいことはたくさんありますが●じっさいにそれがわかるのもそのうちのひと .... OVER THE HILLS AND FAR AWAY。



●「なんていうの●名前?」●「なんで言わなあかんねん」●「べつに●ほんとの名前でなくってもいいんだけど」●「エイジ」●「ふううん ....
●コップに入れた吉田くんを●空気が乾燥した日に●風通しのよい部屋に二日のあいだ放置しておくと●蒸発して半分になっていた●これは●吉田くんが●常温でも空気中に蒸発する性質があるからである●コ .... ●捜さないでください●現実は失敗だらけで●芸術も失敗だらけ●ちゃんと生きていく自身がありません●ハー●コリャコリャ●突然●自由なんだよって言われたってねえ●恋人没収!●だども●おらには●現実がいっ .... ●桃●って呼んだら●仔犬のように走ってきて●手を開いて受けとめたら●皮がジュルンッて剥けて●カパッて口をあけたら●桃の実が口いっぱいに入ってきて●めっちゃ●おいしかったわ●テーブルのうえの桃が .... ●先斗町通りから木屋町通りに抜ける狭い路地の一つに●坂本龍馬が暗殺されかかったときの刀の傷跡があるって●だれかから聞いて●自分でもその傷跡を見た記憶があるんだけど●二十年以上も前の話だから●記憶違いか .... 二〇二二年十一月一日 「夢」


お金を盗まれる夢を見た。


二〇二二年十一月二日 「夢」


また盗まれる夢を見た。こんどは靴だ。修学旅行先でだ。ぼくは高校生だった。


 ....
二〇二二年十月一日 「ネモ船長の最後の冒険」


 海外SF傑作選『異邦からの眺め』6作目は、ヨゼフ・ネスヴァドバの「ネモ船長の最後の冒険」太陽系を破壊しに来た異星人たちをやっつけに地球から ....
二〇二二年九月一日 「フィリップ・ホセ・ファーマー」


 ぼくの大好きなフィリップ・ホセ・ファーマーの本が Amazon のネット古書店で、1円とか2円で売っている。なかには数千円のものもある ....
二〇二二年八月一日 「海東セラさん」


あしたは高木精神科医院に行く日だ。

 ワールズ・ベスト1965『時のはざま』5作目は、ウィリアム・F・テンプルの「時のはざま」ゴッホのいる時代にタ ....
あたたかい光に包まれて
ボックス席が並ぶ窓際
レストランという故郷

ストローで吸う
上がってくる液体の
予感だけで

運ばれてくるハンバーグ
鉄板を弾ける油
小さな粒子になって
 ....
誰かに誘われるように
潮騒を聞きに砂浜に来た

秋めいた空
澄んだ空気と冷たい空気
ちょっとした厚着が必要

人は殆どいない
寂しさが漂う

秋の潮騒
何か言いたそうな
そんな ....
スマホのやり過ぎで
疲れ、腹も減り 
近所の和菓子屋へ
おむすびを買いにいった 

店の奥に主人の大きな背中が見え 
古い機械が
ぎったん、ばったん、餅をつき 
合い間に主人が、手でこ ....
二〇二二年七月一日 「バスカヴィル家の宇宙犬」


 海外SF傑作選『クレージー・ユーモア』5作目は、ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスンの「バスカヴィル家の宇宙犬」地球人の真似をする ....
久しぶりに乖離感を感じた
魂と肉体がうまく同調していない
身体はここにあるのに
心ここにあらずという
あの感じが蘇った

解決しなくてはならない
色々な問題があるのに
思考が停止してい ....
三歳のコンスタンチン君が
サハリンから北海道に来て
火傷の治療をしたことが
大々的な
ニュースになっていた一九九〇年当時

実は同じ頃に
精神病院に思春期の女性が
サハリンから
治療 ....
二〇二二年六月一日 「荒木時彦くん」


 講談社文庫の海外SF傑作選の1冊、『未来ショック』4作目は、アイザック・アシモフの「夢を売ります」どこかで読んだことがあると思って調べたら、ジュディス ....
お椀一杯ぶんの水が入った
凸凹の手鍋に
煮干しが三匹浮いている
ガス台の青い炎が
ボッとつくと
鈴のような管弦楽が
まかないに響く
 フライパンが
小さくこすれ
 陶皿が
かすかに ....
青い川の写真をみた
あなたの引き出しにこっそり隠してあった
どこに流れているのかわからない
冷たい夜明けの川だ


(どこか遠くでそれとも耳元で汽笛が聴こえた気がして)


あなたは ....
皆既月食の夜
月に影がさしてゆく
クラッシックのピアノ曲を聴きながら
だんだん暗くなる月から照射される
赤い光を身体と精神に浴びながら
俺はこれからどうしようか考える
後二年で還暦になる五 ....
二〇二二年五月一日 「スノウ・クラッシュ」


 持ってたけど、学校の図書館に寄贈したSF小説2冊をヤフオクで入札した。いまのところ、ぼくが最高金額入札者。

 ぼくを超える入札があったので ....
stさんのおすすめリスト(742)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いますこし、あなたの木陰に- 田中宏輔自由詩22*23-3-27
四月になると- 田中宏輔自由詩16*23-3-20
高野川- 田中宏輔自由詩16*23-3-13
雲母の究明- アラガイ ...自由詩20*23-3-11
LA_LA_MEANS_I_LOVE_YOU。- 田中宏輔自由詩9*23-3-6
TUMBLING_DICE。- 田中宏輔自由詩9*23-2-27
CLOSE_TO_THE_EDGE。- 田中宏輔自由詩8*23-2-20
AMUSED_TO_DEATH。- 田中宏輔自由詩9*23-2-13
WISH_YOU_WERE_HERE。- 田中宏輔自由詩9*23-2-6
A_DAY_IN_THE_LIFE。―だれよりも美しい花であ ...- 田中宏輔自由詩10*23-1-30
HOUSES_OF_HOLY。- 田中宏輔自由詩12*23-1-23
FEEL_LIKE_MAKIN’LOVE_。- 田中宏輔自由詩9*23-1-16
Jumpin'_Jack_Flash。- 田中宏輔自由詩8*23-1-9
ROUND_ABOUT。- 田中宏輔自由詩12*23-1-2
MILK/THE_WHITE_ALBUM。_──乳用牛ホルス ...- 田中宏輔自由詩12*22-12-26
詩の日めくり_二〇二二年十一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩10*22-12-19
詩の日めくり_二〇二二年十月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-12-12
詩の日めくり_二〇二二年九月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩10*22-12-5
詩の日めくり_二〇二二年八月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-11-28
ロイヤル- 木屋 亞 ...自由詩2*22-11-27
秋の海- 夏川ゆう自由詩222-11-25
昔の音- 服部 剛自由詩322-11-24
詩の日めくり_二〇二二年七月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩14*22-11-21
「乖離感」- ジム・プ ...自由詩6*22-11-19
国境を越えた緊急医療外伝- 板谷みき ...自由詩2*22-11-17
詩の日めくり_二〇二二年六月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩11*22-11-14
お味噌汁をどうも- 室町自由詩522-11-11
青い川は流れる- 石瀬琳々自由詩13*22-11-11
「乾いたシグナル3」- ジム・プ ...自由詩2*22-11-9
詩の日めくり_二〇二二年五月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩11*22-11-7

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