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中村くんとは小学二年のクラス替えのときに出会った
中村くんは絵の天才だった
井の頭公園で学年写生大会があった時に描いた彼の孔雀の絵
僕はそれを観せてもらって圧倒された
画用紙から今にも跳び出し ....
荒波白波 眼底痛
堪え堪えて書いて書く
笑ってくれよ、地蔵虫
少しの集中で火を噴く目玉
だから書けるうちに刻み込む
生きているから痛いのさ?
そんな生半可な答えでは納得せぬ
....
重なる重ねる音響の連鎖に
造形されては崩れ落ちる旋律
そのたび脳髄は揉みほぐされブルブル揺れ
冬の天空で少しずつ凍結していくオーロラの踊り
樹木の枝に縮れ色褪せへばり付く枯れ葉が
所在なげに ....
”深淵を覗き込む者を深淵は覗き返す“ニーチェ
夜陰、
白い音響 広がる
水底の 深淵さらに
蠢き渦巻き破壊サレテイク
知覚感覚像、像という像
砕かれ粉砕され有機は無機へ
粉砕 ....
純白の音響
広がり続ける 水底の
更なる深淵
蠢き渦巻く粉砕 無機
眼が在り眼と映り凝視し続ける眼に
昔の戦場の消えない殺し合いか今の子供らの激しい絡み合いか
展開される焼き付けられるその恐怖
草むらの草熱れも左足にぐるぐる巻かれた包帯の中で腐乱していく肉も置き ....
パチンパチンと音がする
シュンシュン シュンシュン、音 響く
半端な冬の夜半過ぎ
黒ずみ弾ける二股鞘と
剥き出される真っ赤な種子
街灯に照らされアトランダムに
蒼い地面に撒き散らされ
....
スタッ スタッ スタッ
大きな白いイキモノが用水路を移動して来る。
僕は思わず沿いの遊歩道に立ち止まる。
スタッ スタッ スタッ
水かさは30㎝程、幅約1mの用水路を、そのイキモノ ....
体は腫れ上がり冷え切っている
のに
魂は熱く燃えている
のが解る
俺はオマエを欲し彷徨う獣ノイズ
いよいよ遠退くオマエを
この世界の地平で
酸素だけでは生きていけない
オマエは澄 ....
子供:「わあ大変だ!海がやって来る海がやって来る」
母親:「あれは、海ではなく、波が打ち寄せてくるのよ」
ー自分の小学生時の国語教科書より
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或る物がある
が、
在る=モノ
と ....
森の向こうに空があり
私の思考が蠢いている
地水火風はその中で
好き勝手に踊ってやがる
私の感情の底の哀しみ溜まり
虚脱の寒気はいや増すばかり
自 ....
立ち上がれ 立ち上がれ
それぞれが重荷背負ったその肉身
骨格軋ませ筋肉収縮させ
この世で開放されんとする意志なければ
あの世でも人はただ眠り込むのみ
神の与え得る力すら余りに微弱
....
残響、
生まれ絶えることなく
静謐循環回帰スル物質の界
透明な音の響きの渦に呑み込まれ
感情は濾過され
音の響きは音の響きを引き裂き残響
鋼鉄を叩き合い振動増幅し震え震え
宇宙の深淵 ....
いつのまにか森は黄に染まり
陽射しに浸され黄金いろ
黄金に小刻みに揺れ輝く
空気が違う、匂いが違う
落ち葉と迫る冬のコンチェルト
秋と冬が衝突し合い絡み合い
発光しながら溶解する
静 ....
疼痛発作に昼日中から、
遮光カーテンを締め切り寝込み
激痛が退いた夕に眠り込み
夜陰に突然目覚める
こころ
光 求め
からだ
光 拒絶し
混沌として堪らず枕元のスタンドライ ....
底の
底から
噴き上げて来る意思は
あなたが鳴らす律動旋律と溶け合い躍動し出す
ターコイズブルーの湖を泳ぎ切り
独り立ち上がって来るあなた
叫んで叫んで叫んで
私たちは岸辺で交わり沈 ....
海がやって来る海が迫って来る
唸る荒波次から次に
無数の白い波頭を荒れ狂わせ
海がやって来る海が迫って来る
〇
モスグリーンの壁を引っ掻き掻き毟り殴りつけ
肉の苦痛を激痛を発散させ ....
沈潜
水流から飛び立つ鳥達
冷えて透明に波打つ大気に
勢いよく流れ込み同化して
鳴いては耳を澄まし
耳を澄ましては鳴く
大気のコトバ、律動しながら響き
鳥達は従う、向かうべき方角 ....
ヨラさんは小児麻痺だった
ヨラさんはよく笑った
ヨラさんはそのたび涎を机に垂らした
ヨラさんは頭が良くてクラスでいつも1番だった
僕はヨラさんを笑わせるのが好きだった
僕はヨラさんの涎を ....
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