今朝はやけにすずめが気にかかる
あまり明るくない雨上がりの湿った土の上を
ちいさくなにかついばんで
むくっとしたり首をかしげたり
尾羽を振ったりして
手のひらにすっぽり収まりそうなすずめが ....
無い
無い
なんにもない
帰ろうか…
帰らない
虫の音が止んだ
誰かが あたしの名を呼んだ
そんな気がして 振り返る
杉木立の陰から 雌鹿の目が見ている
闇の中に去っていく人に
かける言葉は いつも
木枯らしに引き摺られて ....
黒髪の 乱るるままに
くちづけを
深く交わした 遠き海鳴り
風交じり 雪降る朝の
ゐ寝られず 寝ずして待つる
帰り来ぬ 明日
「アイしさ」に 寝顔なぞれり ....
もの言わぬピエタを前に
ぼくはすでに言葉を失っっていた
何を語ることもなく
鼓動だけはゆっくりと打ち続けていた
螺旋の彼方に消えて往ったおかあさん
ぼくは何かを伝えたかった
も ....
新しく入った子が
社員さんに怒られてた
ぼくはきのう見た
あの子がお局さんに
習っているところを
今しがた怒られたそのやり方は
きのうお局さんに習った通りだった
その子は一言 ....
言葉を
全力で守る
シュプレヒコールを唱える事が
ハロウィンのパレードと
どれだけ同じに見えようと
発言するほど
唇寒く
弱点を突かれ
攻撃されることになる ....
小平市の住宅街でバリバリと音が鳴り
とつぜん、目の前の住宅が取り壊された
私は三か月前から仮の住まいを持つだけなので
家が壊されるこまかな事情は知らず
事情を知らないゆえ
その家は突然、取り ....
きみは
とてもきれいだから
それが理由で
いつか死ぬんだよ
うらやましいな、
冬の檸檬を
ひとつ
ポケットに入れている
きみの感性を
いつだってぼくは
軽蔑してます。
流れる清流のかたわらに佇み
透明な魚影を静かに眺めていた
雨の降る秋の午後
みずならの葉脈たちが
ぼくを守っていてくれる
静寂な一刻を与えてくれた
透明な 透明な
青い 碧い ....
できれば
ひっくり返すひとに出逢いたい
ちゃぶ台以外をね。
終りを はじまりにしてくれるような
私のB面に気づかせてくれる
アナログなひと ....
地球が自転する
もももももんのすごい速度で
クラウチングスタート
目を閉じた走者も
今しがた ゴールテープを切って
へたり込んだランナーも
大統領だって テロリスト ....
酔い酔いて ひとり旅
他人は全員他人なのに
世界の総人口-1人の他人がいて
それでも僕は自分だった
寂しい
他人になってしまいたい
でもきっと
そう感じるのは僕だけではないはずで
それが少し悲しいけれ ....
【酒場にて】
俺のような誇り高い男はな…
そのとき彼は一段と高らかに笑った
そして転げ落ちていった
何処までも転げ落ちていったのだ
私は月明かりの映える窓際で
杯から転げる音を聞いてい ....
みずから の
からだを つかいきった ら
今日は、からだぜんぶで 床を かんじてみよう か
床の飴色は頬に ひんやり
水飴にもなれないまま
わたしの良からぬ電気を逃がすように アース ....
意味あり気にゆっくり沈む
巨大で感傷的なひかり
あれは詩ですか?
いいえ、
夕暮れです
毎日違う角度で訪れる夕暮れです。
公園の隅で地面に寝ている
赤や黄色
あれは詩ですか?
い ....
仕事場のドアを開けると
早く来て掃除をしている筈の君がいない
代わりに卵がひとつ床に転がっていた
とうとう君は卵になってしまったのか
私には何も言ってくれなかった
淡いピンク色を ....
それは現代詩
たぶん現代詩
祝!現代詩
頭痛に現代詩
ごっつ現代詩
馬の耳に現代詩
目.肩.腰に現代詩
とびだせ現代詩
ストップ現代詩
主演現代詩
脚本現代詩
監督現代詩
近日 ....