気づいていないなんて
言わせねえぞ
おまえも
おまえも
ゴミなんだから
年末に処分されなかったら
良い新年は迎えられねえぞ
ああ、わかってんのか
今年一年大量に
発生させた
おまえ ....
僕はとどまりませんこの場所に
常に風化してさらさらと崩れて行く足元
時間というものが上下にあるいは前後に
はたまた螺旋状にきりきりと流れるものかなんて
ぜんぜん解らないのですから
空 ....
読書をしていると
知らないうちに
黒猫が膝の上に
男は一瞬たじろぐが
撫でてみると大人しくしている
そのうちに猫の毛並みは変化しはじめ
白い猫へと変わる
白猫はひょいとテーブルに飛び移り ....
父の三回忌の時、兄弟から空き家となっている実家の処分が持ち出された。小学校1年まで実家の近くで遊んでいた私としては売りたくはないのだが、それが私の感傷であることはわかっていた。そう兄弟姉妹それぞれが ....
三島が天皇陛下に殉ずるのと
宮本輝が池田大作を信奉するのは
抒情が観念と同一であるのか
それともまったくの別物であるのか
それとも人間はそのふたつを希求するのか
春は桜に ....
地下街には流行っていない歌が流れている
カレーライスのにおいぐらいの湿気がある
あと何度ぐらいすれ違えば許してくれるのか
さっきから同じ暗い色をした服が歩いている
列から離 ....
頬をなでていった、風を
振り返った遠い背後の道で
独りの樹は嬉しそうに、葉をゆらし
無数のみどりの掌は
こちらに合図している
この足もとに伸びる人影が、口を開く
(見エナイ世界)を呟く ....