黄色いドレスを纏う少女が
くるくると回る
キラキラの粒を反射して
とても 綺麗だ
転げ落ちそうになる瞬間には
硝子の靴を受け止めてくれる
王子様が 居る
名前は フォ ....
雨の光が近づいている
屋根を何かが通りすぎる
動かない空気のなか
かけらが降り
消えてゆく
灰が灰を縫っている
ひとつのなかのふたつの目
花の生まれる瞬を見て ....
繁みの間から語りかけてくる友だち
幼いころに拾い集めたら
食べるとどもりになるよ
あの子はきっと
食べたんだよ
という子がいた
友だちの中にひとり
どもる子がいた
きみはド ....
真夏の彼方から
静かな夜空へと手前に延びる
扉を開けると
独り涙に濡れている君がいた
ぽろぽろ汗を流しながら
仕事から帰り着いたばかり
ずっと一緒に生きていこうと
伝えた僕は
花瓶 ....
思い出した
深夜放送で読まれた骨肉腫の高校生の女の子の
手紙
中学生の僕は
いのちというものをはじめて意識した
しばらくして女の子は亡くなった
女の子が好きだった深夜放送
僕も毎 ....
道路に飛べない鴉がいた 危うく轢きそうになった
大人という者は 大人という冠を被ったガキだ
もう短い命だろう この鴉はそんな大人たちよりも
余程 命を懸けて生きている
……
....
清々しい朝の光に芝の緑が艶やかに萌える。
美しい旋律は時代の背景となり、
脈々と流れ、
粘りを含んだ人々の呼吸の中で発展する。
季節の花々が咲き乱れる様は
まるで人間の感情のようだ。 ....
蝉時雨が
それほど新しくない記憶を
影縫いするものだから
そのまま置き去りにもできず
立ち止まる
吹き出す汗
ハンカチを忘れたことに気づく
いつもそうだった
肝心な時に何かが欠 ....
ケータイ開いて
メール来てたら、ちょっと嬉しい
ケータイ開いても
メールが無かったら、ちょっと悲しい
メール来ないかな、と思って
ケータイ開いた瞬間に
君からメールが来た時 ....
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