部屋には、いつもあなたと
  夏草のにおいがあふれていた
  なにもきこえないほど私たちは笑っていた
  開いていたドアの四角いところで
  陽の光が 涙をこらえていた
強過ぎる日ざしが
真上から
直接脳に突き刺さる
そよ風が
熱風に変わり
日傘を裏返しにしようと
襲ってくる

バッグからハンカチを取り出して
涙をぬぐう
何度立ち止まって
ハンカ ....
ごく普通のおばさんです

暮らしぶりは平凡ですが
お小遣いを稼ぐために
少々 仕事もやっておりまして
それを理由に家事は手抜している
ズボラな主婦でございます

趣味はスーパー銭湯とグ ....
ちゅんとしか
啼けないでなく
ちゅんとしか
啼かない

くちばしの
下にある
君の発音器官が
そう決めたから

多くの言葉を持つ人は
たくさんの選択肢を持つけれど
ほんとうに伝 ....
   怒鳴りだしたい
   衝動を
   奥歯で噛みつぶす

   瞼の裏に溜まった
   悔しさを
   ギリギリの精神力で
   持ち堪えている

   溢れそうな感情を
   ....
綴った言葉は
ひとの目に留まったときが旬
綴っている間が旬


口にした言葉は
ひとの耳をかすめたときが旬
数年の後に思い起こすときが旬


秘めた言葉は
ひとに明かされ ....
あの信号が変わる前に渡れたら
きっと うまくいく

ありふれた願を懸けた



決して走ってはならない

ありふれたルールを課した



早歩きがどんどん早くなる

早歩 ....
孤独じゃないと 言い聞かせては
孤独でいようと 必死だったよ
いつかどこかで 出会いなおそうと
思えるくらいには 時が過ぎたよ



荒れ果てた町の 荒れ朽ちた部屋は
一人分だけの  ....
何も失うことなく
すべてを放棄するには
消えるだけでいい
だけど、すべてをこの胸に
留めおくことは
どうしてだか、こんなにも難しい

過ぎ去っていくこの春を
刻みこむようにイメージする ....
土砂降りの雨のなかを
蚊柱が
狂ったように うごめいていた

誰かが
地上の火を
消そうと
とてつもなく
大きなバケツをかたっぱしなから
ひっくり返している

抗えないものをか ....
                 140608


なんとかなると思っていたのでここまで来られた
重い外套を脱いで肩の荷を降ろす快感を覚える
急に台所から魚を焼くにおいがした
妻の居る生活 ....
自分は誰のもの

自分は自分のもの
自分のために
自分の意志で動き
自分の気持ちで考える
自転車でひとり散策する自分

自分は誰のもの

自分は家族のもの
家族のために
自 ....
雨の日だけ訪れるひとがいる
水を滴らせながら、入れてもらっていいかな、と
私は玄関を大きく開け
タオルとホットミルクを渡す

他愛無い話をぽつりぽつり
このひとは愚痴や怒りを表さない
た ....
優しさの筈が傷に沁みて
痛みを生むことがあるのだと
初めて知りました
それでもあなたには感謝しかないのですが
逆に自責の念が頭をもたげました
おそらく傷を作って放置していたのは
私自身だか ....
わたしのさみしい骨のゆくえは
乾いた風吹く荒涼とした地
どの生き物にすら踏みつけられることもなく
ただひたすらに転がってるだけ
あしたなら抱えきれないほどあって
きのうのひとっつも無い寂寞
 ....
「梅雨は嫌い」と言ったら
おまえはそうでも
俺たちは雨が降らないと困るんだ
紫陽花の葉っぱに隠れていた
一匹のカタツムリに
小さな声で抗議された

「洗濯物が乾かない」と嘆く
なにを言 ....
<矛盾>
あなたを殺してしまいたい
でも
幸せにもなってほしいよ。





<矛盾なき矛盾>
本当に大切なものが
なすすべもなく消え去った時
もう残りの人生が余生でしかないと ....
つばめはどこかからきて
その羽とくちばしで巣をつくる

からだいっぱいに巣にすわり
せいめいをうみだそうとしている

わたしというにんげんが
うろうろとその下で動いても
まっすぐにただ ....
自分の中に小さい自分がいっぱいいて
こんな曇りの日にはざわざわ動く

大切にして
大切にしてってうるさい

粗末に扱われたのがなんだっていうんだ
ああ小さいままでいたかったなぁ

み ....
鬱々と
うつらうつらと
やり過ごす時間(とき)

酔っ払って
ふらりふらりと
帰った夜は遠くなり

孤独を求めた結果が
これだ

重い頭に響く
かつての仲間の笑い声

鈍っ ....
{画像=140605223459.jpg}



人は他人無しには存在できない
自分だけで自立しているように見えて
他人の評価を気にして生きている


自分の生き方も定まらず自信を失 ....
押しとどめられた吐息
火照る頬
乱れた前髪

白い肌
淡い瞳
甘い匂い

照りつける太陽
蝉の鳴き声
さざめく青田

首筋にぬるい風が吹く
赤い果汁が滴る
汗が目に入る
後ろめたいことを
ひとつ
打ち明けるとするならば
あなたに気に入られたいと思っている


とおい
まぶしい
記憶の中
あなたの隣りでわたしはいつも笑っている


あなた以外の
 ....
ことがら は 昨日の記憶

そばがら は 今夜の枕のなかで

ひとがら を 朝のヒカリで描きこむ

うまれたての雛のあたまに
残された
一片の から

どこからと問うこともせず
 ....
■僕らが首を吊る理由■

産まれ落ちてからしばらくして
自分の体を初めて顧みた時
最初に気付いたのは
自分の手のあまりの小ささだった

どうしていいか分からないまま
少しずつ何かをする ....
ドイツ農民戦争では17万人が
30年戦争では400万人が
フランス革命では489万人が
第一次世界大戦では2600万人が
第二次世界大戦では5300万人が
朝鮮戦争では300万人が
ベ ....
ねぇ 覚えてる
あの日助けた子ダヌキ
それがわたしよ

そういって妻は
スカートの後ろから
大きな尻尾を出して見せた

そんなことは
トウの昔にわかっていたさ
私もズボンの ....
今年友達になった人が
フウセン蔓の種をくれた
うちの庭に咲いたの
私が種を採ったのだから
春になったら撒いてねと言った

フウセン蔓の花というものを
私は見たことが無い
二十年も前に
 ....
とりあえず
腹いっぱいに喰って
泥のように寝てみろ
いろいろ考えるのは
その次にしちまえ

じゃないと、
死んでしまうぞ
俺たちを囲む
思考の鎖に
絡まってしま ....
三丁目の植え込みに
神様が捨てられてました
薄汚れてハエが集っていました
拾って帰って
洗濯機で洗濯しました
乾燥機の中で蘇りました

何か願い事を聞いてあげよう
そう言われたので
 ....
ららばいさんのおすすめリスト(125)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ドアのところ- 草野春心自由詩414-6-29
熱風の街- Lucy自由詩21*14-6-27
【_おばさんの呟き_】- 泡沫恋歌自由詩14*14-6-24
はずれくじひいたみたいなすかすかのオレンジを憎んでみたりする ...- そらの珊 ...自由詩21+14-6-23
【_表面張力_】- 泡沫恋歌自由詩17*14-6-20
言葉の旬- 千波 一 ...自由詩414-6-18
早歩き- ichirou自由詩18*14-6-18
十九歳迷路- クナリ自由詩8*14-6-17
五感に、刻みこんで- 茜井こと ...自由詩6*14-6-13
蚊柱- そらの珊 ...自由詩18*14-6-10
課題- あおば自由詩8*14-6-8
自分- ichirou自由詩7*14-6-8
「雨ごい」- 桐ヶ谷忍自由詩20*14-6-8
傷つけない冷たさ- 森川美咲自由詩2*14-6-8
骨のゆくえ- もっぷ自由詩1714-6-7
【_慈雨_】- 泡沫恋歌自由詩19*14-6-7
矛盾_/_矛盾なき矛盾- クナリ自由詩19*14-6-6
いのちをまもること- 朧月自由詩314-6-6
曇りの日- 朧月自由詩114-6-6
隠遁- 森川美咲自由詩6*14-6-6
人間の弱さ__/__コロンと転がった石になりたい- beebee自由詩28*14-6-5
Tepid_wind- opus自由詩114-6-5
洞窟- ユッカ自由詩714-6-5
から- そらの珊 ...自由詩26*14-6-5
僕らが首を吊る理由_/_鎖骨- クナリ自由詩5*14-6-3
_ホモ・サピエンス- アンドリ ...自由詩214-6-3
_帰ろうか- アンドリ ...自由詩514-6-2
ふうせんかずら- Lucy自由詩20*14-6-1
苦しかったら- 御笠川マ ...自由詩314-6-1
_福祉- アンドリ ...自由詩414-6-1

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