手のひらの小鳥が
命を使い果たしていくとき
呼んだら
返事をした

それは
声にならない声
音を失った声は
振動だけになって
手のひらをかすかに震わせた

あれはやっぱり声だった ....
大きな欅が伐採された
ものの半日かそこいらで
姿を消した
あっけないほど
たやすく
死んでしまうことは
こんなに簡単

雨を飲み
光を吸収し
息を繰り返し
いくつもの季節をその身 ....
みかんやりんご、お菓子にパン。

半分こするとき、母は大きい方をくれる。

大きい方をもらって喜ぶ時期を過ぎたころ。

冷たい清水がつと胸の奥に流れて、ほろりと目からこぼれ落ちそうにな ....
バスを待っている
時刻表をじっと見つめながら

赤いバス、青いバス、何本ものバスが通り過ぎて行く


もう日が暮れるのに
乗るバスはやって来ない


流れる風景、人影の中

 ....
雨上がりの街を歩いた
露出の多い服が肌寒く
季節の変わり目に吹く風が
取り残された私の体温を奪う

抱きしめられた温もりも
シャワーの後の優しい時間も
たった一言で嘘に変わっていく
ふ ....
秋晴れや雲なき空の青深し

汝が静か深まる青に吐息つく

秋深まり君なき夜の銀河濃し
お袋が危篤
数年に及ぶ認知症の果てに

俺を産んだ女
俺を育てたかも知れない女
ほんとうはほとんどほったらかしだった

親父の母親に任せっきりで
自分は金を稼ぐのに一生懸命だった

 ....
好きすぎて噛んじゃったのかな?
鹿児島市平川町 平川動物公園のホワイトタイガー

お兄さん死んじゃったよ
死んじゃうとね、もう遊べないの

ホワイトタイガーのリクくんは殺処分されないのね
 ....
わたしの 中の 美しい言葉よ
わたしの 中の 憎しみの言葉よ
わたしの 中の 哀切の言葉よ
わたしの 中の 怒りの言葉よ
わたしの 中心 全ての想いを
燦き 輝き 憤って 震えよ
燃え上が ....
月曜日は買い物日和だ
砂漠の中のショッピングセンターへゆこう

遠くの部族が集まる日曜日よりはましだから
きみの前髪を上手にきってくれる人をさがそう

くだらない思想でこころを壊さないよう ....
その人は
一生の間に六匹の猫に出会うのだという
わたしが知っているのは
九回生まれ変わるという言い伝え

あなたに会いたくて
も一度生まれてきたんだろうか?

昔死んだしろちゃんに
 ....
赤い線が
皮膚の上に浮かび上がる
今朝
バラのとげが作った傷が


わたしのからだの中の
赤いこびとたちが
あたふたと
いっせいに傷をめざして
走っていることだろう

猫を飼 ....
いつの間にか落ち込んで、本棚の隅に引っかかっていた文庫本を見
つけた。手に取って頁の目地に溜まった埃を払う。

金沢市片町1-1-23 07**−61−7950

古い住所のその ....
街が明かりを失った夜
星々は本当の輝きを見せた
どんなに悲しい理由でも
それは純粋に美しかった
便利さと引き替えに
手放してしまったものが
便利さを失った時に
わたしたちを慰めてくれた
 ....
それは夏の嵐の夜であったが
積乱雲の割れ目から
夜目にも鮮やかな新星が見えた / 見えた気がした


暗い湿気た空気の中を
零れ落ちて 光の粒よ


光の粒には質量があって
重さが ....
時に
他人の親切や思い遣りが煩わしくなる
そんな日は良い人になれない自分がいて
どうしても優しい笑顔がつくれない

理由もないのに心がビョウキになってしまう事
きっと誰にでもあるだろうけれ ....
転がり落ちる球を見ていると
途中で坂を下っているのか
坂を登っているのか
見ていて分からなくなった


見上げると
秋の光があって
黄色い光が踊っていた
自分の人生を想う


 ....
知らないことばかりの世界のなかで、それでもわたしは知っています
ことばには美しいものも汚いものもあるということ。散歩すると気が紛れるということ。善と悪が混ざり合いながら人は生きていくということ。知ら ....
オリオンは輝くための動力と視線に入る神聖なる光 孤独はいまも継続中だ
それが常態となってしまえば
たいした痛みも感じないものだ

ときおり非日常にきみがやってくる
それは僅かな恩寵でもあり
かすかな煩悶でもある

きみは花をアレンジ ....
蛹の中で身じろぎする幼生の
息遣いほどの微雨
清流に屹立する山岳の岩は
主たる寡黙な黙想に耽り
棲みつく生物たちの呼吸を内包する

母を疎う駄々としてか
広野に下りた者は口々に囁く
懐 ....
 
思い出になったあなた

お願いだから あたいをよばないで

この一本道、途切れるまで



 
勝てない
その勝負には勝てない
自分より劣っているから安らぐ
その気持ちには勝てない

劣っている人に寄り添って
生意気な態度を取られて腹立たしく思っても
やっぱり劣っているから
泣 ....
音楽が聴こえる
生まれたばかりのまっさらな音楽が



夜明け前の流星群
ふたり一つの毛布に包まって
星を摘んだね

明けの明星が強く輝いていても
私たちの歓びの涙にはかなわなかっ ....
 
私は
想いながら
   死んでゆく。


喜びに包まれた名を
明かすことなく
内なる焔は
ひかりよりも

まばゆい。


噫、
おもはざるひの無ければ
かぜの音にき ....
過去も未来も無く
ただ美しいと思った

さよならの
指先を咬む

ひずみ
 

ゆけなかった

ひび割れた空のかけら
拾い集めて
黒曜をながした月光
あなたのような
静謐
いだかれながら
緩やかに枯れてゆく
水底の
片羽根なくした
蝶を

想っ ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
例えば、それは記念日の夕食の
テーブルにある蝋燭が照らす淡い瞬間
ワインで少し赤くなった顔が綻ぶ瞬間
例えば、それは久しぶりに家族で行く海外旅行の
澄み渡る天の青を仰ぎみる瞬間
遠くに見える ....
トマス氏は知りたくてたまりませんでした
ドーナツの穴はどうすれば食べられるのか
トマス氏は解明したくて仕方ありませんでした
ドーナツの穴ははたしてどんな味がするのか

トマス氏は毎日考えてい ....
chiharuさんのおすすめリスト(389)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
梅雨空に- そらの珊 ...自由詩23*19-6-8
かなしいおしらせ- そらの珊 ...自由詩12*19-2-2
半分より小さい- 天鳥そら自由詩4*18-10-22
いつまでも待つだけ- まみ自由詩9*18-10-15
水遊び- 1486 106自由詩518-10-14
秋空- ひだかた ...俳句13*18-10-13
数年に及ぶ- こたきひ ...自由詩1118-10-10
ホワイトタイガー- 鵜飼千代 ...自由詩14+*18-10-9
コトバ__/__言霊- beebee自由詩15*18-10-8
ショッピングセンターにて- 梅昆布茶自由詩1918-10-8
六番目の猫- Lucy自由詩22*18-9-27
猫とバラ- そらの珊 ...自由詩25*18-9-19
片町書店へ__/__悪戯電話をして- beebee自由詩11*18-9-16
星空ツイート- もとこ自由詩13*18-9-10
強く放たれて来た光の粒よ_/_放たれていること- beebee自由詩11*18-9-9
分け与えるなんて- こたきひ ...自由詩518-9-9
転がり落ちる球を見ていた__/___立ち止まっていました- beebee自由詩13*18-9-3
知ってる- 水宮うみ自由詩3*16-11-14
オリオン座- minomi短歌3*16-11-12
孤独の断章〜アレンジメント- 梅昆布茶自由詩1416-5-10
◎改行されゆく地平線- 由木名緒 ...自由詩12*16-5-4
よばないで- 殿上 童自由詩16+*16-2-8
勝てない- 鵜飼千代 ...自由詩20*16-1-28
メロディ- レモン自由詩22*15-12-30
Hallelujah- レモン自由詩29*15-12-18
アウローラ- レモン自由詩17*15-12-15
うつほ- レモン自由詩29*15-12-7
歌はもう歌わないと決めたけど- 夏美かを ...自由詩37*15-11-25
瞬間- 鷲田自由詩1015-11-23
ドーナツの穴の食べ方- 赤依研児自由詩3*15-11-23

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13