『麻薬書簡』は読んだが
麻薬はやったことがない
ほんとうにハイになっちまうのだろうか
ハイになると何が見えるか
ハイになるとどんな音が聞こえるか
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歩けもしねぇヤツが、走りたいとは言うもんだ。
飯も詰め込めないその胃袋で、精々胃液でも吐いてやがれ。
死にたくねぇなら格好つけんな。
人生も恋愛もセックスも、ただの間抜けな事でしかねぇよ。
....
きれいな空があることを
忘れたくなかった
雨が降るのを
空が落ちてくると言った 僕は
落ちてくる空を見たことはない
びしょ濡れになってもいい
見上げた空がきれいであるこ ....
さて、そろそろいいか?
やっと俺自身の時間だ、と彼(仮称)は言った
彼(仮称)の背後にはどうだ、と言うんばかりの極度に圧縮された高気圧と言うべき物が、言うべき物が!
にゅるん
....
こころの深いところから
湧いてくる言葉を
拾い集め
並べてみる
いろんな顔の
わたしがいる
泣いていたり
笑っていたり
怒っていたり ....
洗濯したてのジーンズのポケットから
紙くずが出て来た
しわくちゃだけどそれはレシートで
おとといスーパーで夕飯の買い物をした時のだった
そこに名前を列ねる食品達は今はもうただの ....
5年と半年前、人を好きになった。
生まれて初めて本気で好きになった。
想いは暴走した。
止めるすべを知らない俺はどうしようもなかった。
あの日から、俺は正義を掲げる事を止め ....
強気になって
世を吸い込む。
どんな詩人も書きえぬ悲しみを
歳老いた8月に
ひたすら閉じ込めて。
別室で寝る夫婦。
話す事を忘れた兄。
母を知らない父。
家を無くした姉 ....
コンビニで何弁当を買うの?
のり弁当だろう
図星だ
他のはみんな、
花火の客が 買ってしまったもの。
チンしてる間に、週刊何とかや月刊何とかの表紙を
元野生の狩猟本 ....
雲を持って
あっちのほうに行こうか
よければ君も
連れて行くけど
読もう。というのは結論ではありますが、その前に私的事情を・・・
ワタクシ、恋愛と読書がドクターストップになった女でございます。
「恋愛は分かるけど、読書!?」という声が聞こえてきそうですね。
二 ....
二十五年ほど前に 迷って手に取った この詩集は
町の 今はもうない本屋の棚の 高い場所にあった
ジュニア文学とかなんとかいう 厚手の本が並んでいて
『ビルマの竪琴』と
どちらにするか悩んだけ ....
君がシャワーを浴びる間に即興でできあがるパラレルワールド。
着信がメロディーで看板が歌詞でぼくらの街は音楽になる。
風景はマルチなシマシマにすりぬけるスピードのカラフルな焦燥。
街路 ....
誰もが当然のように受け入れてる日常
世界では自分が味わったこともない日常があるのに
自分にはその日常は訪れない
当たり前のことが当たり前のように過ぎて行く日常に君は受け入れられず
見つけた ....
夜空を仰ぐ。
雲がかかって見えない星を求めて。
月明かりで白く浮き出る雲。
雲の隙間から見える空間。
それは私に星を与えてはくれない。
今日の雲は動きが重い。
地べ ....
静かによこたわる湖水の底には
起こされたくない想いや
忘れ去られた過去などが眠っているのだろう
まわりの山々は
何も語らず
緑の湖水を守り続ける
都会の喧騒
日々の悩み
人との ....
上の空です 何を言っているのかわかりません
いえ、もううんざりです。
必要なのは食べ物です。
糸の切れた風船は空高く消えていくのでしょうか?落ちていく?
そんな言葉は結構です
そんな ....
ぼろぼろにちぎれたスリッパを履いていたら、
「お願いだから、それはやめてくれ」と言われて、
つい、
「はい」なんて 答えてしまったけれど、
いいじゃない、べつに
他人に見 ....
「メリーゴーラウンド」 5
記憶
怖いことはあんまりない
って言ったら
彼女が泣き出してしまって
それ以来
自分だけが知らないことについ ....
不必要ならそう云って
大人しく身を引くわ
不必要ならそう云って
大人しく家路につくわ
不必要ならそう云って
貴方といた証全て消すから
不必要ならそ ....
寝ぐらのないカラダ
雨の日には律義に痛むヒザ
震える月が青白く照らすプロムナード
血液の中に忍び込んだ美しき女
刺青の花は枯れることを知らず
消えることもない
生きていけるのか
....
僕はクレーム係
いつも頭をさげている
人間なんかじゃない
ただのクレーム係
今日は天気が悪いから洗濯ものが乾かないと
電話でどならられ
発情した猫達を早く静かにさせとくれと
2時間も ....
その部屋のたんすの上には手打ち式のパチンコ台があり
木造特有のほの暗さが特徴であった
そのパチンコ台は子供の手に届かないような高さであり
大人の世界の象徴であった
ご馳走は出前 ....
あなたが好き
あなたが好き
なぜだか悔しいけど
あなたが好き
時々拗ねてみせれば
いたずらっぽく笑う
ばかだなって
追いかけるのなんか大嫌いなのに
気づくと
いつ ....
空に白い爪あとひとつ
段々と色を変えてゆく空に
段々と浮き立ってくる
細くて白い爪あとひとつ
薄暮れてゆく空の下では
灯りをつけはじめた街
行き交う車のヘッドライト
テールラン ....
今日もまた欲望に負けました
自分の弱さをごまかして
見せかけの優しさにすがりました
自己嫌悪という快楽に
身を投げて
今日もまた失望に負けました
幸せそうな人を眺めては
この身を憂い ....
でも、ミスドでたこ焼きは食べません
命かけて便所掃除はだめですか
所詮人事なのです 悲しんでる人はいっぱいいるけど
クローン人間てどんな気持ちなんだろう
ここは星が少ないし
....
は!
お前一人良い子ぶってんじゃねえよ!
そうさ
皆
正しい事は大嫌い
自分一人が正しい事が
大好きさ
そうかそうか
だから
いつ ....
クロスワードを解いている人たちを前に、最後のアナグラムの解答を言ってはいけない
戦争をしている人たちを前に、平和を好まないあなたがたは非人間だなどと、言ってはいけない
出された家庭料理を前に、あの ....
ココロが弱っている
あなた
まっすぐ目を見て
それでいて きついイメージを与えないように
気をつけて
少しの間の後 ふっと表情を崩して
優しく微笑んで
お疲れ ....
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