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助手席に猫がいる
仕事を終えて帰ろうとすると
どこからかやって来て
そこへ座る
猫といっても猫らしくなく
長靴など履いて
シートベルトもきちんとしめる
近くの事務所に勤めているらしいが
 ....
「あなたは猫を信じますか?」
牧師っぽい格好の
猫に突然質問された
右手には聖書のような本
肉球で滑るらしく
何度も地球に落としそう
(そうだなあ
 信じる・信じないの
 対象ではなか ....
どうか嫌いになれますように
西日が部屋を染めていようと
   
どうか嫌いになれますように
葡萄が甘くて酸っぱかろうと
   
どうか嫌いになれますように
楽器が静かに鳴りはじめても
 ....
わたしは病気になりました
なにをしてもさびしいのです
車にのっても
窓をふいても
コロッケ食べても
あなたといても
いなくても
さびしくてたまらない
どうすれば治るのでしょう
方法は ....
あなたがどこで
何をしてたってかまわない
次の惑星で会おう
同じ鞄と同じ事情を抱え
ぼくたちはそんなもの
いつの世に生まれても
手ぶらでなんか生きられない
疑ってごめんね
大きな魚の幽 ....
庭に穴が開いた
直径五メートルほどの大きな穴だ
思いのほか深く底が見えない
家人は怖がって埋めたがるけれど
まあ待て、何かに使えるかもしれない
主人はそれを制止する
試しにいらないものを
 ....
列車が出る直前
ホームに目をやると
これまで出会った人たちが
一人残らず見送りにきていた
家族や友人は勿論
ほんの短期間関わりのあった人たちや
仲違いをして音信不通になった人たち
亡くな ....
世界のどこかで
猫が丸まって眠っている
その背中を撫でてみたとき
自分が誰かわかる気がする
どうしてあんなに
夕焼けが燃えていただろう
どうしてあのとき
泣いたりはしなかったろう
レモ ....
わたしに
猫の眠りをください

おもては雨が降っていて
いきものがあまやどり

どんな希望も絶望も
持ちたくはないのです
いまは

どうか
猫の眠りをください

長靴みたいな ....
今日は
何も言わない

ベランダに干しておく

青と白がきれいだ
五月の風を吸わないかなあ
朝刊を取ろうと外に出て
ふと見上げた空には
星が一列に瞬いていた
わたしは清らかになった
ふりをして
冷たい朝の空気を吸い込む
正しいこととか善いこととかから
いくらか距離を取ってしまっ ....
ほほえみなさいませ
青ざめた朝日に
うらぶれた夕日に
ほほえみなさいませ
粗暴な隣人に
博識な鼠に
あらゆる予言は成就する
互い違いの順番に
船出前には誤解は解ける
思い思いの格好で ....
雨上がりだから
道がぬかるんでいるだろう
長靴を履いて外に出た
商店街を歩いていると
なんだかクスクス
視線が痛い
美容室のガラスに映してみると
長靴をはいた猫
これは一体
どういう ....
バイパスを車で走っていると
右手から
白い猫がとび出してきた
ひいた!と思い
急ブレーキをかけた瞬間
左手の方へ
黒い猫が走り抜けていった
不思議に思いながらも
安堵して
私は車を走 ....
庭の手入れをしていると
どこからかぶらりと
見慣れない動物がやってきた
とても悲しい目をして
物置や車のあたりをうろついている
保健所に電話するか警察に知らせるか
本来ならばするところだが ....
夕暮れの駅前。
あの人は呆然としている。
空は焼けるような橙。
自分ながら不思議に思う。
 (いつも見慣れた光景なのに
  どうしてこんなにあっけに取られる。
  ばかなのだろうか。)
 ....
絵空事が好きだ

私の好きなものが
二つも入っている

ミロの絵はとてつもない
子どもの落書きのようでいて
都会の喧騒のようでいて
原始人のひらめきのようでいて
神話の亡骸のようであ ....
無人の駅に
青い鳥

天気も知らず
旅立つつもり

先ごろの
予感によると
どうも神様は
虫に戻ったらしい

ひとしきり微笑むと
鳥は彼方へ

無人の駅は
青い空

 ....
天国が火事
放火魔は長い足で
山脈を跨ぎ逃走した
雲の上が赤々と燃えて
天使らはなすすべもなく
もだえている
白い裸体から
滴り落ちる汗、汗
まるでとろける
蝋のように
地上から空 ....
由木名緒美さんのやまうちあつしさんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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猫信者- やまうち ...自由詩318-4-27
アルタイル- やまうち ...自由詩3*16-11-2
さびしん病- やまうち ...自由詩216-10-5
星の恋人- やまうち ...自由詩316-10-1
にわには- やまうち ...自由詩4+*16-9-27
流星列車- やまうち ...自由詩316-8-21
猫背- やまうち ...自由詩6*16-7-18
猫の眠り- やまうち ...自由詩316-7-8
休心日- やまうち ...自由詩2*16-5-13
星空銀行地球支店- やまうち ...自由詩5*15-11-15
ほほえみなさい- やまうち ...自由詩5*15-10-25
長靴をはいて猫- やまうち ...自由詩4*15-4-1
猫だまし- やまうち ...自由詩4*15-1-29
悲しい動物- やまうち ...自由詩5*14-11-4
私の夕焼け- やまうち ...自由詩3*14-10-6
絵空事- やまうち ...自由詩4*14-10-5
ブルーマウンテン- やまうち ...自由詩114-8-26
天国が火事- やまうち ...自由詩414-8-13

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