コロナの影響で家業はさっぱりだったが、昨日は久々に朝から厨房に立った。昔から来ていただいている県内客の四名様。この人たちは少人数でやってきては、楽な場所で楽に山菜を採りたいと色々と突っ込みを入れてく .... 「赤い棘か」
「菜良雲君、知ってるの?」
「ま、名前だけな」
「大きな組織?」
「詳しいのは、連座から聞いてくれ」
私は連座の方を向く。
「はっきり言って規模は小さいよ。それと、そこまで力 ....
夕方、六時。
連座の部屋に集まる。
菜良雲はもう来ている。
部屋の中を見回す。
山藍さんはまだ来てないみたいだ。
「山藍さんは、先に休んでもらったよ」
ベッドに座った連座が、椅子に座るよう ....
なんで?
と言いたい思いを飲み込む。
「大丈夫かな?」
少し言い方を和らげる。
「まあ、賭けだね。因果列行は休憩室も兼ねてるから、居心地が悪いわけじゃない。いざという時の拠点として申し分ない。 ....
「一ノ世の奴、遅いな」
菜良雲が苛立って言う。
「まさか、死んじまったか」
こいつ。
「一ノ世君は死なないよ」
山藍さんが言う。
私も続ける。
「一ノ世君は、きっと生きてる」
「根拠は ....
因果列行のドアが開き、まず山藍さんが外に出る。
外は眩しいくらいの晴れ。
晴れ?
雨降り街が晴れてる?
すっと、一ノ世君が外に出て、山藍さんの側に寄る。
そのあと、辺りを見回して言う。
「 ....
「{ルビ一ノ世=いちのせ}君、今、どこ?」
「三日月橋の下」
「三日月橋か。状況は?」
「そこそこ追い込まれてる」
「了解。すぐに行くね」
「ありがとう。{ルビ榛名=はるな}さん。持ちこたえ ....
某月某日

 20200年4月1日ですね。


某月某日

 どいつもこいつもマスクマスクうれせえや。俺はしてないぞ。タバコも吸ってるぞ。低収入だが給付金は断る。飲み屋のおっちゃんにでも ....
週に3回か4回、自転車を15分こいで通っている花屋は大型マーケットのすみにあって、だからか、こういう時期でも営業を停止しない。でも場所はあんまり重要じゃないのかもしれない、街のなかにある花屋をみる .... 一人のつかれた様子の人間がスーパーマーケットの一角に立ちつくしている。棚に陳列されたあるチーズを眺めている。もう長いことそうしている。それはアルミ箔で六等分に個包装され赤黄色の円盤型の紙箱に収納され .... 今より若かりしころ、木の実ナナに似ているスーザンサランドン(スーザンのほうが少しだけ年上だけど)が出演していたshall we dance?を映画館で観た帰りの喫茶店で、リチャードギアはパチンコしてい .... 私はまだ出版できてない人間です。
ただ単にどうしたらいいか?
という迷いが解決してないだけ。
どこまで優柔不断なのか!
そんな人間が語ります。


詩を書いていたら詩集を作ってみたくな ....
 四月二十三日、若い女性看護師Aの説明を受けながら、跳ねる川魚のような指先で打つキーボードをぼんやりとみていた。柔らかい声で適切に私の話を聞き、それを一切漏らさずキーで打ち込んでいる。血液検査の注射針 .... もう、書くけどッ!
(ちょっと、自称でも三流でも、私じしん詩人なんだから実は悔しいんだけど)

いつぶりかなぁ、他人の詩を読んでジェラシー感じたのは。
基本、このフォーラム(?)で、い ....
「あのっ すみません」

それは大き過ぎる声だった。朝の慌ただしい駅構内はもちろん人でいっぱいだったが、そんなに大きな声を出す人はいなかった。しかしそんなに大きな声だったにもかかわらず、振り返る ....
ーこんなところ欠けていましたっけ。

机の脚の角っこが欠けている。その人は不思議なものを見るようにその欠けた部分を見る。いつから欠けていたのだろう。机の脚の角っこが木の目に沿って少しではあるが欠け ....
                    掌篇 
 
 わたしが「ソボ」と呼んでいたそのひとは、天気の良い日は大概、オクザシキのエンガワで、かたわらの茶托に乗った蓋付きの茶碗、膝の上の白猫とともに、 ....
マスクマンへのおもいやり

ラウンジにて
〜冴えていると勘違いしている新入社員同士の会話から

3Man95レベルなら別なんだろうけど、月産3億枚を無利益で供給したいという孫さんのような慈善 ....
今日こそは、花村さんをばっちりエスコートしようと思って、一緒にパスタを食べにきたわけだけど、メニュー選びからつまずいてしまう。

どうしよう。

「私、カルボナーラにするね」
花村さんがそう ....
「ねえ、笹井君って、ねこ好き?」
「ん? ねこ?」
「うん、ねこ。あの動物のねこ」
「好きだけど。それがどうかしたの?」
「今、飼ってたりする? 」
「ううん。ちょっと前まで飼ってたけど、今 ....
自分の思うようにしたい、と思った時、人はひどく無力感に包まれる。
でもそれは当然の法則で、人が自由意志でコントロールできるのは、自分と自分の人生だけだから。
自分以外の何か(社会とか世界)や、自分 ....
 今月ももうすぐ終わる。仕事のほか、事務的なものを多く作成する必要があったが、昨日でほぼ完了し少しホッとしている。家業で書いているブログも書き終え、ふと外を見れば思いがけず朝焼けとホオジロの声があった .... ばらばらの時間を指して止まっているいくつもの時計たち。食器棚は四つもあって、そのすべてにぎっしりと食器がつまっているーたいていが五つ揃えで、花柄で。商店名の入ったカレンダーや手ぬぐい(開封されて .... 粉机はわたしの生涯において最も哀れで独善的な師であり唯一の子でありました。
告白しますが、わたしは故意ではないにせよ人を一人殺しております。
新聞では事故となされておりますが、その方を殺したの ....
 僕は歳をとった。

 もちろん生きとし生けるものすべては、常に老いているわけだけれど、ある時から、肉体はそれ以上成長することをやめ、ゆっくりと衰え始める。空に放ったボールが高く高くあがりながら、 ....
強烈にどうでもいい事を書こうと思う。って、別に狙って書いた訳ではないのだが、。純粋に昔から疑問で誰かに聞きたかったが聞けずに今日まで来た事を書こうと思う。思 .... 五輪の開催が危ぶまれている。
しかも延期開催までも、が 。
選ばれる選手たちのモチベーションからいっても1年以内に開催されるのが妥当だろうと思われる。
行きたくても行けない。買いたくても手に入ら ....
Birthday Cake

1.Clockwork 105s Orange
2. Birthday Cakeless
3. Smoking Gun
4.Heart of Gold
5.  ....
ばかなねずみは、りこうなねずみとちょうど同じ数だけいる。
ぼくたちはばかなねずみで、たとえば角砂糖が落ちているのをみつけてはわあっとかけよって、けんかしながらあっと言う間にたべてしまう。そうして ....
昔から好きで観ていた番組のひとつに「生活笑百科」というのがある。関西発の堅めのバラエティ番組で、「四角い仁鶴が、まあるく解決!」を売り文句にして主に視聴者から寄せられた法律相談を弁護士がジ ....
散文(批評随筆小説等)
タイトル 投稿者 Point 日付
厨房に立つ(改題しました)山人7*20/5/17 9:09
恋昇り6「明日の朝またおはようと言うために」トビラ020/5/16 10:19
恋昇り5「心配と信頼とシュークリーム」020/5/15 6:23
恋昇り 4「通知」020/5/14 6:03
恋昇り3「相談」020/5/13 6:25
恋昇り 2 「こんなことってある?」020/5/12 6:51
恋昇り1*20/5/11 7:01
某月某日 ー 詩ではなく、批評でもない、ただの言葉石村9*20/5/6 21:27
メモはるな520/5/4 17:37
チーズの箱ブッポウソウ020/5/4 9:50
GWに振り返る足立らどみ3*20/5/3 8:19
詩集を作ることについて木葉 揺6*20/5/1 14:00
気が付いたらボロ雑巾のようにベッドに転がされていた山人6*20/4/28 9:13
もう、書くけどッ!秋葉竹220/4/25 21:06
凡庸とパンクブッポウソウ2*20/4/22 16:01
欠けている120/4/22 6:12
午睡墨晶2*20/4/19 1:27
マスクマンへのおもいやり足立らどみ020/4/18 11:28
空回りトビラ1*20/4/14 21:25
猫二匹2*20/4/13 20:26
レッスンの日々020/4/10 13:00
かすかな朝焼けとホオジロの声山人5*20/3/27 7:18
メモ(東北)[group]はるな420/3/26 10:43
粉机[group]竜門勇気2*20/3/25 0:04
ボールまーつん120/3/22 10:07
私の人生に横たわる大きな謎TAT320/3/21 23:10
この際アメリカは五輪の放映権を日本に譲るべきである。アラガイs6*20/3/20 15:07
Birthday Cakeツチヤタカユ...220/3/15 6:29
ばかなねずみ、りこうなねずみはるな220/3/11 16:45
バラエティー生活笑百科についてTAT220/3/8 23:33

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